2020年1月17日金曜日

フランス人は、意外とエシレバターを知らない


エシレバターの写真があるかと思ったら、なかったので、家にあった使いかけのエシレバターの写真で失礼!



 日本に帰国する際に、一番、「買ってきて!」と頼まれるのが、エシレバターです。
帰国の際は、近所のMonoprix(モノプリ・スーパーマーケット)で、山ほど、エシレバターを買うので、レジのお兄さんに、「バター、好きなんですね・・」と唖然とされるほどです。

 日本でのエシレバターの値段は、驚異的に高く、フランスで買う10倍近い値段です。
今どき、フランスと日本の間で、これだけ値段の違いがあるものも、そうそうありません。フランスの乳製品は、本当に日本で高く売られているので、一体、誰が買っているのか、一度、見てみたいと、いつも思います。

 エシレバターを使ったクロワッサン、エシレのクリームを使ったソフトクリームなど、「ECHIRE」「エシレ」という名前がつくと、たちまち、行列ができるほど、日本では、確固たるブランドを築いています。

 たしかに、エシレバターは、美味しいですが、それほど、フランスでも有名かというと、意外にも、それほどでもないのです。

 フランスでは、1秒に、14.3 kg、年間にすると、450,000tのバターが生産されています。一人当たり、年間8㎏のバターを消費するという、世界一バターが好きな国民なのです。(ちなみに日本人のバターの消費量は、一人当たり、0.6kgです。)

 一般的な、フランス人の日常は、大して、手の凝ったお料理をしないわりには、わりと、頻繁にケーキなどのお菓子づくりは、マメにします。ケーキを作る方は、ご存知のことと思いますが、ケーキの材料となるバターやお砂糖の量を改めて知ると恐ろしいほどの量です。

 フランス人は、毎日、食べるパンにもバターを塗るというより、塊のようなバターを乗せ、ステーキを焼いてもバターを乗せ、炒め物にもバターを使い、下手をすると、パスタまで、バターまみれにします。

 エシレバターは、たいていの普通のスーパーマーケットにも売ってはいますが、日本よりは、安いとはいえ、他のバターに比べると高く、高級品で、大量にバターを消費する家庭では、そんなに高いバターは選ばないのです。

 ・・・というより、エシレバターという名前さえも知らないフランス人は、意外にも多いのです。(若い子は特にです。)

 娘の高校のクラスメートは、私立ということもあり、比較的、経済的にも恵まれている家庭が多いのですが、それでも、エシレバターを知っている、家で使っているという人は、意外にも中国人の家庭だけだったとのことで、その話を聞いて以来、他の人にもそれとなく、聞いてみると、知らない人、食べたことがない人が多いのです。

 エシレバターの値段が高めといえども、所詮、バターですから、高いといってもしれています。(フランスでは、)
 思うに、そこまでのこだわりがバターにないのかもしれませんし、エシレでなくとも、美味しいバターはたくさんあります。そして、我が家や、中国人の家庭などでは、恐らく、バターを使う量がフランス人の家庭に比べて圧倒的に少ないからこそ、こだわってバターを選んでいるのかもしれません。

 エシレバターは、フランスより、日本での方が有名で、人気なのです。


<エシレバター>











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