2023年7月27日木曜日

アラン・ドロンの子供たちが同居している日本人女性に告訴状提出のゴタゴタ劇

  


 アラン・ドロンといえば、かつてはイケメンの代名詞のような存在で、映画にあまり詳しくない私でさえも、その名前は知っていたし、昔の映画の面影をなんとなく、記憶していました。

 私がフランスに来たばかりの頃なので、おそらく20年くらい前のことだと思いますが、そのころはあまりテレビを見ない生活ではありましたが、年末の番組にアラン・ドロンが出演していて、「えっ?アラン・ドロンってこんな風になっちゃったの??」と思った記憶がありました。

 美しさを全面にして、出ていた人ほど、ギャップは激しいし、また映画などでしか彼を見たことがなかった私にとっては、その番組がトーク番組だったために、なんだか余計にイメージが壊れた気がしたのかもしれません。

 そんなアラン・ドロンについて、今月の初旬頃だったか、彼の子供たちがアラン・ドロンと同居している女性に対して、告訴状を提出したという話が世間を賑わせていました。現在、彼が同居している女性は日本人の女性らしいという噂は聞いていましたが、数日にわたっての報道で、その女性について、いちいち「オリジン・ジャポネーズ」をつけるので、なんとなく、余計に気になる気がしていました。

 彼の子供たちの告訴状は、「モラルハラスメント」と「彼の飼っていた犬に対する虐待」というなんだか、抽象的なものではありますが、要は、彼女(アランドロンと同居していた女性)と子供たちの関係が上手くいっておらず、子供たち曰く、父を家族、親戚、友人たちから孤立させようとし、電話やメッセージ、郵便物などを彼女がコントロールし、彼らが会いにくるのを妨げようとしている。彼女の態度は、高圧的で脅迫的である・・」などと言うもので、なんだか、家族内のゴタゴタでそんなに世間が騒がなければいけないことかな?と思っていました。

 父親に会いたいならば、その旨を話し合って、その機会を作るようにすればよいものをその話し合いさえできないほど、子供たちとその女性の関係性が悪化しているということなのでしょうか?

 実際のところは、わかりませんが、どのようなことであるにせよ、アランドロン本人が一喝して、話し合えばいいことで、それができずにこんなことになるということは、彼自身がかなり、弱っているということに他ならないのだと思います。

 この女性は、彼のスタッフとしても長く働いてきた女性であり、長い間、友人関係にあったようですが、その関係性が徐々にパートナーのような形に変化していったものと言われており、また、彼が脳卒中で倒れた後は、彼の介護をして、支え続けてきたようで、特に脳卒中を患ったのちは、彼のメッセージやスケジュールを管理したりすることは、必然であったような気もします。

 実際に彼の世話をしてきたのは、彼女で、子供たちが何を口を挟むことがあるのか?二人の関係性に彼自身が不都合や不快さを感じているならば、同居関係を解消すればよい話なのに、子供たちが口を出すのも、おかしな話で、結果的に彼自身も子供たちの告訴状に名前を連ねることになっているのが、彼自身の弱さの表れでもあるのか?不可解でもあります。

 彼が最後に公の場に姿を現したのは、2019年のカンヌ国際映画祭での、長年の彼の功績をたたえた「名誉パルムドール」受賞の際で、この時の彼のスピーチなどは、かなり自分の人生の締めくくりを意識したものであったことは印象的でもありました。

 このアランドロンの子供たちからの告訴状を受け、この女性は弁護士を介して39ページにもわたる反論と説明を提出しており、「彼の子供たちとは複雑な関係にあったことは認めたうえで、子供たちは父親の恋愛関係の存在は決して受け入れなかった。子供たちの心配は、彼の財産に関わることであり、年老いた父親の世話を全くしてこなかった彼らとは異なる特別の立場で自分は存在している」と説明しています。

 また、彼女のこの訴えに対して、子供たちは、別の告訴状を準備中で、まさに金銭的な話で、「アランドロンの口座から数万ユーロが引き出されている件について」と言われており、話がまた複雑なことになっています。

 フランスでは、婚姻関係とは別の事実婚のような関係も認められているものの、この公的に曖昧な関係がどのように扱われるのか?財産や介護など、色々な問題も孕んでおり、泥沼化している感じではありますが、どちらにせよ、この子供たち、それぞれに独立していながら、どうして、そんなに親の生活に口を出すのか?父親の華麗な経歴を汚してしまうことを考えないのだろうか?と思ってしまいます。

 現在、87歳の彼がどのような状態でいるのかはわかりませんが、結局は、子供たちの告訴により、彼はより孤独な老後を送ることになりそうで、まさに映画になりそうな話です。しかし、最後の映画にしては、寂しい話でもあります。


アランドロン 告訴状


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