娘は、フランスに育ちながら、日本が大好きな子供に育ってくれました。娘が初めて日本に行ったのは、彼女が二歳になったばかりの頃でしたが、それまでは、私とは、日本語のみで会話していましたし、その他は絵本とビデオで日本語を覚えていきました。
ビデオは、お母さんと一緒などの子供用の番組やサザエさん、ちびまる子ちゃん、そして、私が見ていた日本のドラマなども一緒に見ていました。
ちょうど、二歳くらいだったでしょうか? ある日、番組の最後に流れるスポンサーの告知、”この番組はライオンの提供でお送りしました。”というフレーズを聞いて、娘が一瞬固まったように、”ラ・イ・オ・ン・・”と呟いて、呆然と驚いていた様子に笑ってしまったことがありました。
しかし、その時、同時に、娘はライオンという言葉を聞き取って、理解したからこそ、ビックリしたことに気がついて、何となく嬉しく、ホッコリしたことを覚えています。
また、色々なビデオを見ても、その全てを理解していたわけではないにせよ、時々は、ビックリするような言葉を覚えていることもありました。
ある日、私の従姉妹の話をしていて、”〇〇ちゃんは、結婚しないのかしら?”と話していたら、娘が普通に、その会話に割り込んできて、”〇〇ちゃんは独身主義でしょ!”と言ったのです。私がビックリして、どうして”独身主義”なんていう言葉を知ってるの?と聞いたら、娘がしたり顔をして、”だって、カツオくんが独身主義だったことがあるのよ!”と言ったのです。何と、娘はサザエさんから、独身主義という言葉を学んでいたのです。
それでも、7〜8才になると、娘がビデオで見るのはドラマが中心になっていきました。それも、気に入ったドラマを何回も何回も繰り返し見るのです。ここが子供のすごいところです。同じものを繰り返して見ることに何の抵抗もないどころか、それが楽しくて仕方ないのです。
お気に入りのドラマは、もうそれこそビデオが擦り切れるほど、セリフ全部入ってます!っていうくらい見ていました。それは、気の強い女性が主人公の言いたいことをハッキリ言って、その場を納めるというような内容のドラマが多く、それは、彼女のキャラクターに近いものが多かったことに気が付いたのは、後になってからでした。
また、バラエティー番組も読み書きを覚え始めた頃からは、特に一生懸命に見るようになりました。バラエティー番組の多くはその会話の多くに字幕テロップが日本語で同時に画面に流れるからです。聞き取り損ねそうになった言葉や、これは、こういう感じを書くのか・・など、子供はどんどん自分で学んでいくのです。
大人になってからの言語習得は本当に大変です。子供のうちなら、子供の方はさして、苦労を感じずに言葉を覚える事ができるのです。この機会を逃す手はありません。
脳科学など学術的なことは、私には、良くわかりませんが、私の周りのバイリンガルの子供たちを見ていると、その他の学業の成績も良い子が多いように感じます。脳の発達にバイリンガル教育は、良い影響があるような、私は、そんな身勝手な解釈をしています。
バイリンガル
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