私立の学校といっても、日本と違って、特別な私立の場合は、別として、フランスの場合は、日本のように学費が飛び抜けて高いということもありません。小学校などは、特にキャンティーンの料金が多少、高いかな!?と思った程度でした。
ただ、一年おきくらいに学校で行く、classe de ferme (郊外農場へ行く合宿の)ようなものとか、classe d'equitation (乗馬の合宿)とか、そういった、エクストラな行事に多少は、かかりましたが、それも自分で連れて行くことを考えれば、ずいぶんと安上がりです。
小学校1年生の時に初めての合宿に行くためにモンバルナスの駅に送りに行った時、大きな doudou(子供が寝るときに抱えて寝る肌触りの良いフカフカしたぬいぐるみのようなもの)を抱えて、泣いている大半は、男の子で、なんとなく笑ってしまいました。初めての学校でのお泊まり合宿とあって、両親揃って、見送りにきている家庭もたくさんいて、
(そういえば、フランスでは、学校の行事なども何かにつけ、夫婦揃ってやってきていますね・・)別れを惜しんでいる様子はとても微笑ましいものでした。
話は学費に戻りますが・・
入学金というものもないし、公立の場合は、上に行けば行くほど、学費は安くなります。大学の場合は、年間の学費は、大体、200ユーロ(2万5千円)(本日のレートで)くらいで、日本の大学の学費と比べたら、雲泥の差です。まあ、エンジニアや医学部となると少し上がりますが、まあ、日本の比では、ありません。
また、奨学金の制度も充実しており、日本で今、問題になっている、大学を卒業してから、奨学金の返済に追われるなどということもありません。また、バカロレアの成績が特に良かった場合は、奨学金にボーナスが付いたりする特典もあり、奮起を促す(頑張れば、少しでも報われるという)システムも導入しています。
それは、莫大な金額を政府が負担しているということです。
これは、フランスの凄く良いところだと思います。
また、少子化問題が深刻になっている日本ですが、フランスは、3人以上、子供がいる家庭には、税制を優遇するように設定しているため、3人兄弟の家庭がとても多く、フランスには、少子化の問題はありません。
ただ、そういった税制には、必ず、それを悪用する者も出てくるもので、奨学金をもらうために、大学に籍だけ置いて、実際には、大学には、通わずに学生の身分を謳歌するような人々がいたり、また、たくさん子供をもうけて、その子供のために普及されているお金で生活しているような親がいることも事実で、一概に良いとばかりは言えないと現実もあります。
そういった教育の中で、フランス人は、自分の意見をしっかり持ち、主張することを教えられます。
以前、学校でクラスの集合写真を撮ったとき、娘は後ろの方の目立たない場所に写っていました。私は、ちょっと見えにくいね・・と思ったくらいだったのですが、パパの方は、”こんなことじゃ、ダメじゃないか? もっと自分を前に出していかなくちゃ! ”と言って怒ったのです。
これも自分を主張しなさい!ということの一つなのでしょう。
”娘の方は、だって私が前に出ると隣の子が写らなくなっちゃうと思ったから。”と言った娘の言葉が私としては、逆に、他人のことを思いやれる優しい気持ちを持てていて、嬉しかったくらいなのに、やっぱり、こういうところが違うのだなあと思った瞬間でした。