2019年6月28日金曜日

日本はフランス人になぜ愛されるのか? フランス人は日本をどう見ているのか? 





 多くのフランス人にとって、日本といえば、世界に名だたる先進国でありながら、実際には、フジヤマ、サムライ、ハラキリ、トヨタ、くらいのイメージしかなかった時代が長く続いていましたが、今や、日本の印象は、ここ数年で、うなぎ登りで急上昇中です。

 ちょっと前までは、圧倒的に、日本の知名度の根源は、漫画とアニメ、NINTENDO などのゲーム類が主流でした。いわゆるオタクと呼ばれる人たちを中心に広まり、日本のアニメは、フランスの一般家庭でも、テレビで見られる身近な存在となり、19歳以下のフランス人の51%は少なくとも1日に一時間は日本のアニメを見ていると言われており、おそらく、ポケモンを知らない子供はいないでしょう。

 ラーメンなどの日本食の流行も日本の漫画に登場した食べ物を実際に食べてみたいというところから、火がついたようです。

 年に一度、フランスで開催されるジャパンエキスポなどでは、アニメの主人公などのコスプレをしたフランス人で溢れかえり、昨年の来場者数は24万人を超えています。

 しかし、現在の日本ブームの圧倒的なきっかけとなったのは、YouTube です。

 フランス人のユーチューバー シプリアン(Cyprien)は、チャンネル登録者1400万人(ヒカキンの倍以上)を抱えるフランスの大人気ユーチューバーです。

 彼は、1989年、ニース生まれのフランス人で、大の日本好きとして知られています。

 彼が自分の YouTube 動画で、実際に、自分が日本へ行って、彼自身が見た、フランス人の目線での、日本の街の様子や食べ物、日本の面白いグッズなどを紹介してくれていて、そこから若者を中心に現在のナマの日本の様子がフランスの何千万という人に拡散されているのです。

 元来、フランスという国は、伝統的なものへの畏敬の念を持っています。

 日本は、その伝統(美しい庭園や神社仏閣など)と、美しい自然(富士山や日本の山並みや温泉)、世界に誇れる食文化、超近代的な高層ビルが連立している様や、生活の隅々までがハイテクノロジーで覆われている未来都市のような街、パリでは考えられないような人混みが行き交う渋谷のスクランブル交差点など、現代と美しい自然と伝統が共存している、とても魅力的な国なのです。

 羽田空港に着いて、まず、フランス人は驚きます。”トイレが喋る!!”と。
 そして、その清潔さにも、きっと、ビックリしているはずです。

 また、日本人が礼儀正しく、勤勉、かつ、信頼のおける人々であることにも、実際に日本に行ったことがあるフランス人から、口コミのように広まっています。

 日本に初めて観光で訪れて、タクシーに乗って、お財布をタクシーに忘れてきたフランス人の男性の談。

 パリなら99.99%、まず、出てくることはありません。
 普通に持ち歩いていても盗られるくらいですから。(笑)

 しかし、その置き忘れたお財布が、見つかったどころか、タクシーの運転手さんが、お財布に入っていたホテルのカードを見て、ホテルまで届けてくれたとか・・。
 これには、このフランス人にとっては、感激を通り越して、もはや、驚きでしかなかったようです。
 この国は、いったい、どうなっているのか?と。

 日本人の私としては、親切な運転手さんで良かったね・・くらいには、思うのですが、日本なら、まあ、ありえないことではないな・・と思います。しかし、フランス人にとったら、まさに、これは、あり得ないことなのです。

 こうして、フランス人から、日本の評判を聞くにつけ、私は日本人で良かったと思うとともに、日本人であることを誇りに思うことができています。