とはいえ、私は、子供を預けて働くという道を選択しました。私は、子供に日本語をどうしても習得させたかったので、子供とは日本語のみで会話していたので、逆に娘には、保育園に行って、フランス語、フランスの社会をしっかり学んでほしいと思っていたので、そのための機会、場所と思っていました。
子供を単に預けるとは考えずに、子供に自分が教えられない別のことを学ばせてくれる場所に行かせると考えたら良いのではないでしょうか? 育児は両親、(親)だけでは、どうしても偏りが出てきます。
親とて、決して完璧ではないのです。子供は小さくても、ちゃんと、自分がこれから暮らしていく社会を子供の目で見て、感じて、色々なことを学び、社会性を育んていきます。
子供を預けることで、親の愛情が減るわけではありません。
実際、娘は、ほんの小さい時から、初めて会う大人の中でも、瞬時に自分を大切にしてくれる存在を見分ける動物的な感とも言えるようなものを持っていました。その正確さには、目を見張るものがありました。この人は、信頼できる人だという人を瞬時に見つけてしまうのです。
一方、私自身、思ってもみないことでしたが、子供を預けて、仕事に行く最初の日、電車に乗った途端に思わぬ開放感に自分がビックリしたのを覚えています。それまで、全く子供といることにストレスを感じてはいませんでしたが、開放感!?ということは、やはり、私の中のどこかに、子育てに対する緊張感があったのかもしれません。
しかし、仕事の時間は仕事、子供と過ごす時間は子供との時間、としっかり分けることができたので、生活にもメリハリが生まれて、どちらも頑張れるようになりました。子供と過ごせる時間が限られたことで、かえって、一緒にいられる間に、これもあれもしたい、やらせてあげたい、と子供との時間は濃密になりました。
ですから、小さい時から、子供を預けることを育児放棄のように言う人がいるようですが、私は、そんな話は、とんでもない!と思うのです。
私は、子供ができてから、自分よりも大切な存在ができたということに、喜びを感じると同時にとても感謝しています。
しかし、私が、もし、子供が小さい時に子供を保育園に預けずに、子供との時間だけを過ごしていたら、逆に、私の場合、あんなに濃密な時間は過ごせなかったのではないかと思うのです。
職場でも、子育ての経験者はたくさんいて、同僚の方々からも、色々な子育て事情を学びました。子供を預けて働くことは、子供にも親にも良いことであって、決してマイナスのことではありません。親の側も働きながら、学ぶことは沢山あるのです。
私は、子供を預けて働こうとしている女性を心から応援したいと思っています。