2019年6月2日日曜日

パリで時々、目にする光景




 例えば、メトロの駅で、時々、目にする、観光客の外人に向かって、”ここは、フランスなんだから、フランス語で話しなさい!” と言っている駅の職員。以前に比べれば、フランス語しか喋ってくれない人は、随分と減ったとはいえ、未だに、パリでは、時々、目にする光景です。

 しかも、メトロのような公共交通機関の人間が・・。しかも、パリのような世界的な観光都市でのことです。せめて、カタコトでもいいから、英語くらい話してほしい・・というか、わかろうという努力、姿勢を見せてくれたっていいじゃない!?と思ってしまうところですが、”ここは、フランスなんだから、フランス語を話せ!”というまさかの逆ギレ。

 私は、もう慣れたというか、”まただ・・まだ言ってる・・”と残念な気持ちになるだけですが、当初は、このサービス機関に携わる人間の対応の悪さには、一々、びっくりしたものでした。”パリは一体、どれだけの観光収入を得ているのだ! もう少し、考えろ!!”と思うけれど、それが、まかり通るのがパリなのです。

 パリジャン、パリジェンヌの感じの悪さは、外人だけが感じることでは、ないらしいのです。
 フランスの地方に住む人たちにも、ことさら、パリの人の冷たさ、感じの悪さは皆、口を揃えて言うところです。半分、都会へのやっかみも感じられなくもありませんが、多くの人が言います。”パリなんて、人間の住むところではない!”・・・と。

 それに反して、日本の評判は、すこぶる良いのにも、ビックリしながらも、同じ、日本人として、とても嬉しいと同時に、日本人としたら、日本だったら、まあ、そうするのかもしれないなあ・・とも思います。ここ数年、フランス人の日本への観光客は、著しく増え、身近なフランス人の中にも、日本へ行ってきたという、話を度々、耳にします。

 日本の評判は、すこぶる良いようです。食べ物が美味しい。綺麗。伝統文化が感じられる。フランス人が日本を褒める理由は多々あるけれど、逆にフランス人が一番、驚いているのは、人々の感じの良さ、親切さなのです。そりゃあ、パリでの日常を送っていれば、格段に日本人は親切だよなあ、と思います。

 バスの中で、ある知り合いのフランス人に、”この間、日本に行ったんだけど、もう信じられないくらい人が親切で・・”と興奮気味に話してくれました。

 ネットで探したレストランに行きたいと街の中を迷っていた時、通りかかった、中年の女性に道を尋ねたら、そんなに遠くないから・・と、店の前まで案内してくれたんだそうで、まあ、日本での出来事としたら、あり得ない話ではないとは思うけれど、彼は、いたく、感激していました。(もしかしたら、その女性も外人に道を英語で聞かれて、英語で説明するのが億劫で、それなら、連れて行った方が早い!と思っただけなのかもしれないが、パリだったら、知らない・・の一言で終わってしまいそうな話です。)

 しかし、これは、通りすがりの一般人の話であって、日本のサービス業に至っては、もはや、逆に異常とさえ思うくらい、親切で、まさにお客様は神様状態。

 そんな世界に触れたフランス人たちが、少しは、変わっていく・・そんな日は来るのでしょうか?

 ないだろうな・・。