「エシレバターを超える美味しいバター!」とか、「ボルディエなんて目じゃない!」とか、絶賛する人がいるバターがあって、美味しいものと言えば、食べてみたくなる私は、このバターをずっと探していました。
そもそも、私は子供の頃はバターというものは、あまり好きではなく、特に嫌いと避けるほどでもないにせよ、パンを食べるときでも、「バターはあってもなくてもいいもの・・」くらいの存在でした。もっとも、私が子供の頃の日本のバターは、今から思えば、そんなに美味しいものでもなかったかもしれません。
それが、バターが美味しいと思うようになったのは、やはりフランスに来てからのことで、もっとも簡単に美味しいものを・・と思えば、焼き立てのバゲットにエシレバターでもあれば、なかなか満足してしまうほどに、私の中でバターの位置づけは確実にランクアップしました。
とはいっても、今でも、我が家ではそんなに大量にバターを消費する家ではありませんが、やはり、パンを食べるときには、バターは不可欠になりました。スーパーマーケットに行けば、バターだけでも、かなりのスペースをとっているフランスでは、ごくごくふつうのスーパーでも、常時、数十種類のバターがあります。
ぜ~んぶ、バター |
私はふだんは、このたくさんのバターを食べ比べする・・というほどの情熱はなく、日本でも有名なエシレバターの他にボルディエなども試してみましたが、結局、私にはエシレバターの方が私の好みにはあっているので、これまで、わざわざ別のものに手を出すことはしてきませんでした。
もっとも、エシレバターは少々、高いので、お料理用には、もう少しお手軽価格のものを使っていますが、そもそも私はあまりバターを使うお料理というものをしないので、そんなには減りません。
それでも、「このバターを一度食べたら、もう他のバターは食べられない!」などという話を聞けば、「ぜひ、機会があれば一度は食べてみたい!」と思っていたのが、「Au Bon Beuure(オー・ボン・ブール)」というバターで、パリの街を歩いていて、乳製品を扱っているお店があれば、必ず覗いて、そのバターをずっと探していました。
ラファイエットグルメに行けば、あるかな?と思いつつも、あるかないかもわからないバターだけのために、わざわざラファイエットグルメに行くのもためらわれ、まあ、偶然、見つけたら、嬉しいくらいの感じで、このところずっと、気にかけていたところ、思いがけずに家からわりと近いマルシェにあったのです!
「灯台下暗しとはまさにこれだわ!」と思いつつも、探して歩いた果てにようやく見つけた喜びは大きく、その日はバゲットもふつうのバゲットではなく、バゲットトラディショナルを買って帰り、このバターをお迎えしました。
包みを開けると、ふわっと香るバターの香り、色はふつうのバターよりも黄色くて、牛の形のスタンプ?がバターの中央におされています。まず、バターの端っこをちょこっと削って、口に含むと、「味が濃厚・・」というよりも、「とにかく味が濃い・・」ドゥミ・セルという有塩の方を選んだので、すごく細かい塩の粒が時々、舌に触りますが、とても、まろやかで、なめらかです。
エシレバターがさっぱり感じられるくらい、これは、なかなか濃厚ですが、決して、しつこい感じにならないところが不思議で後味もすっきりしています。
このバターは、生バターで、長期間の保存ができないので、賞味期限内に食べられるだろうか?と思っていましたが、どうやら、恐ろしいことに、全く問題なさそうです。
「バターの小さな塊を口に含んで味わいたい・・」、「バターのかけらを口に入れると思わず目を閉じて味わいたくなる」、バターを塗るというよりも「食べたいバター」です。
これには、圧倒的にバゲットやハード系のパンが合うと思いますが、おかげで、買ってきたバゲットトラディショナルもあっという間になくなり、家にあった食パンを焼いて、このバターをつけて食べたところ、これとて、まずいはずはありません。
健康のためには、あまりバターはよろしくないと思いつつ、また、危険なものを見つけてしまい、あんなに、あちこち探していたのに、よりによって、このバターを売っていたのが、家の近所のマルシェだったとは・・まるで、これからもこのバターを買うように運命づけられていた?と、嬉しいような、後ろめたいような複雑な気持ちです。
しかし、美味しいものに出会うことは楽しいことです。
美味しいものといえば、あっという間に火がつく日本、このバターはどうかな?と思ったら、なんと、楽天やアマゾンでも買えるようです(高いけど・・)。
すごいな日本の市場!
Au Bon Beurre オー・ボン・ブール
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