2022年3月31日木曜日

一時帰国の貴重な時間 日本の美容院

    

お水を頼んだら、マスクをしていても飲めるようにストローまで添えてくれる心遣い


 私の日本への一時帰国は、家族や友人に会えることや色々な用事を済ませることと共に、もしかしたら、それ以上に嬉しいかもしれないのが日本の美容院に行くことです。

 最近では、日本行きのチケットを予約すると、まずするのが日本の美容院の予約です。

 今回は、数回にわたり、日本行きの航空券もキャンセルになったりしたので、美容院の方も一度した予約をキャンセルするという申し訳ないことをしてしまいました。

 パンデミックで2年間、来ることができなかった日本ですが、数度にわたるロックダウン中にも、美容院に行くためだけにでも日本に行きたい!とさえ思っていました。

 美容院は、フランスでも、けっこう長い間、営業停止になっていましたし、その間、出張美容師や、リモートで自分でカットをするのを指導するという商売まで生まれたりしていたので、その間、政府からの援助は出ていたものの、パリの自宅の近くの美容院などは、営業停止が解除されてからも、客足がもどらず、いよいよ閉店に追い込まれてしまった美容院もありました。

 しかし、私にとって、日本の美容院は、そんなものとは別格で、広くて、きれいな店内に大勢のスタッフ全てが感じがよく、きびきびと無駄なく動き、決して主張が強すぎない心地よい空間、日本人の髪質をパーフェクトに理解した上での、洗練されたカット、カラー技術に加えて、何よりも丁寧で骨身を惜しまない仕事ぶり、細やかな気配り。

 飲み物を頼むとこのコロナ禍、マスクをしたままでも飲めるようにストローまで添えて持ってきてくれるのには、びっくりしました。

 私がこの美容院を知ってからというもの、パリの美容院には一切、行かなくなりました。たしかに、ただ普通のおばさんが美容院にかける費用にしたら、少々、高いものの、それがもったいないとは思えない、至極の時を過ごさせてくれるのです。

 パリで中途半端に高い美容院に行って、雑なカットをしてもらうくらいなら(日本の美容院に比べると一般的に雑です。中には超高級な美容院もあるので、それは別かもしれない)、日本に一時帰国した時に、少し贅沢に素晴らしく納得の行くカットとカラーをほどこしてもらって、至極の時を過ごしたいのです。

 そんなわけで、このパンデミックの間、美容院には全く行かず、伸び放題だった髪を見て、「ずいぶん伸びたね〜久しぶりだね〜」と言いながら、髪をカットし、何人もかかってカラーリングをしてくれるのには、かなり時間がかかるものの、全く無駄な時間な気がしないのです。

 日本に来ると、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、あの人にもこの人にも会わなくちゃと大変、過密なスケジュールになってしまうのですが、大抵は、日本に着いた翌日に行くので、もうフライトの疲れと時差ボケとで、髪を洗ってもらって、マッサージしてもらったりしながら、ウトウトしてしまうことさえあるくらいです。

 むしろ、忙しい中、ゆったりできるのは、美容院の中くらいなもので、美容院に一歩、足を踏み入れれば、他に何もできないことが、かえって、くつろぎの時間を無理矢理作ってくれ、身体を休めてくれます。

 今回は、都合で翌日というわけにはいかず、数日後になってしまいましたが、カットとカラーなどで3時間以上もかかったものの、おかげさまで今回もゆっくりした時間を過ごすことができて、仕上がった髪には、大満足でした。

 次来れるのは、いつかな?また、数ヶ月後には来たいなぁと思う反面、以前日本に来て以来、突然、来れなくなったトラウマ?からか、少し来れなくても、我慢できるように、いつもより、短めにしてもらいました。

 カットがしっかりしていると、多少伸びても、まぁまぁ大丈夫なのです。

 ここのカットとカラーは、パリでも評判がよく、周囲の人から、「その髪、素敵ね!どこでやったの?」などと言われると、「ありがとう、ちょっと遠いのよ・・japon・・」という時のちょっと誇らしい気持ち。

 カットやカラーの技術だけでなく、あの居心地のよさは、パリには、ちょっとなかなかないんだよ・・と思いながら、独りごちているのです。


一時帰国 日本の美容院


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