2022年3月21日月曜日

フランス国内のオリガルヒ資産の凍結とフランスの税務署

   


 ブルーノ・ル・メール経済・財務相は日曜日、フランスは国内にあるロシアのオリガルヒ(プーチン大統領と緊密な繋がりのある新興財閥)の資産(ヨット、アパート、銀行口座など)8億5000万ユーロ近く(約1,121億円)のオリガルヒの資産(ヨット、別荘、一戸建てアパート等の不動産物件、銀行口座)を凍結したと発表しました。

 資産の凍結とは、その所有者が「もはや使用、転売、収益化できない」ことを意味します。「しかしこれは、国が所有者となり、転売できるという意味での凍結ではなく、差し押さえるためには、刑事犯罪がなければならない」と説明しています。



 すでにロシアのウクライナ侵攻に対して、EU、アメリカ、カナダ、日本などの国々が経済制裁としてロシアの主要銀行をSWIFTからの排除を開始していますが、同時にプーチン大統領と共に巨大な富を成してきた彼の周辺のオリガルヒの海外資産の凍結の作業を躍起になって進めているといいます。

 フランス財務省は、オリガルヒとよばれるメンバーをリストアップしながら、生年月日等を照会しながら、その人の財産ファイルや税金ファイルを調査し、お金の流れを確認して、その個々人の銀行口座の数や保有する財産の推定値などの資産の評価をしています。

 「フランスにあるロシアの全資産について、正確な数字はほとんどなく、この調査によって、ロシアの権力とその権力に付随する関係性などを調べ上げる地道で大変な作業には、分権化されたサービスも含めて、数百人がこの仕事に携わっている」としています。

 しかし、多くの金融資産や財産が特に不透明なタックスヘイブンに保管されており、フランス行政の調査官の仕事を非常に複雑にしているため、国際的な情報交換と協力があってこそ成り立つものであり、フランスは、この財産の根拠を検証するための国際的なネットワークを持っていると発表しています。

 とりあえず、フランスが凍結したという8億5千万ユーロの資産がオリガルヒのメンバーにとって、どの程度の痛手を与えるものなのかは、わかりませんが、プーチン大統領の取り巻きの気持ちを挫き、彼に背を向ける力となってくれることを祈っています。

 最近は、フランスでは、税金の申告なども全てオンラインで済むようになっていますが、まだ、手書きの税金申告の書類が郵送で送られてきた頃から、税金の請求だけは漏れなくきっちりやってきて、その他の数々のお役所仕事がズルズルなことが多いフランスも、「税務署だけは、きっちり仕事をする・・・フランスでも税務署だけは、ちゃんと働く・・」と苦々しく思ったことがありましたが、私の税金などとは、まさに桁違いの次元の違う話ではありますが、世界の平和がかかっているこの局面、今回ばかりは、フランス財務省に本領を発揮してもらいたいと、思っているのです。


オリガルヒ資産凍結



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