戦時下となった今、世界の動向や報道は見逃せないので、色々な国の報道に目を通しているのですが、どこでも「プーチン大統領を止められるのは誰か?」、「なぜ、このような事態に陥ったのか?」など、現在の状況に加えて、それを検証するようなテーマの記事が並んでいます。
過去の歴史を引きずっている歴史的な背景やプーチン大統領の軌跡、経歴、人格の変化や彼がここまでの暴挙に及んだタイミングがなぜ、今だったのか?などなど、似たようなテーマがならんでいます。
中には、パンデミックが彼を孤独にした・・とか、彼の年齢(ロシア人男性の平均寿命に近い年齢であること)までもが語られています。
海外の政治的な情勢、特にアメリカの大統領がトランプ大統領からバイデン大統領に、ドイツの首相がメルケル氏からショルツ首相に変わったことなども挙げられ、もしかしたら、プーチンを止められるのは、メルケル首相だったかもしれない・・などという人もいます。
ユーロ危機、クリミア危機での外交をこなしながら、16年間もの長期政権を築き、ヨーロッパの母のような存在でもあり、世界から一目置かれる存在であったうえに、プーチン大統領もメルケル元首相もお互いにドイツ語、ロシア語が堪能で、お互いの母国語で通訳を介することなく、ほぼ母国語と同レベルで話すことができたということなどもその理由に挙げられています。
このような局面ではないにせよ、また、どんな人にとっても、言語の壁を越えて話ができるということは、すごく大切なことです。
しかし、彼女が首相を退陣している現在では、対等に話せる立場ではなく、また、プーチン大統領が他人をまるで寄せ付けないようになっている現在では、そんなことも望めません。
彼の周囲の政府陣営でさえ、誰も彼に物申すことができる人がいない今、彼を止めることができるのは、ロシア国民の大衆の大きな声、うねりだけかもしれません。
そんなことを本人も察しているのか、ロシア政府は、厳しい言論統制、報道統制を敷き、自分に都合のよいニュースを都合のよいこじつけと嘘にまみれたニュースのみを流し、声をあげようとする国民を拘束したり、報道陣を締め出したり、フェイスブックやツイッターなどをシャットダウンしたり、国民に情報が入らないようにしています。
この世界中を騒がしている渦の中心にいるロシア人が一番、現状を知ることができないという恐ろしい状況です。他に情報が入らない中、唯一入るニュースが政府に都合のよいニュースだけとは、一種の洗脳のようなものでもあります。
一昨年のロックダウン中に一時、家のネット環境がダウンした数日がありましたが、それでさえ、とても不安になった覚えがあります。
テレビの報道というのは、政府や世間への忖度もあり、少なからず偏りもあります。ネットなどのより多くの情報が必要です。しかし、ネットというものは、自分でニュースを選ぶという点から、自分が受け入れやすい内容のものばかりを選んでしまうという危険もあります。
テレビ自体を持たない、テレビを見ない世代が増え、テレビ業界は、危機に瀕しているとも言われていますが、テレビしか見ないという一定の層が存在します。ロシアの現在は極端な例としても、テレビの情報だけというのは危険でもあります。
現在のロシアの状況は、異常な報道規制下にありますが、情報が十分に入らなくても、現在のロシアへの経済制裁から、ロシア国内でも反発は広がっているようです。ここは、当のロシア国民が結束して、反発してくれない限り、今こそロシア国民が立ち上がってプーチン大統領を追放しない限り、さらなる戦況の悪化は避けられないような気がしています。
フランスのニュースでは、「プーチン大統領を止められるのは誰か?」ではなく、「プーチン大統領は制御不能か?」というタイトルに変わりつつあります。
ロシアの報道規制 言論統制
<関連記事>
「日本の鎖国延長についてのフランスの報道の中で気になったこと」
「マクロン大統領が警告 「コロナウィルスの中国の発表をバカ正直に信じてはいけない!」
「戦争づくめの報道とウクライナカラーになっているエッフェル塔」
「プーチン大統領の演説にフランスの大統領選挙報道が吹っ飛んだ!」
0 コメント:
コメントを投稿