プーチン大統領がロシア国民に向けてテレビ公開で演説を行うというニュースに、ここのところ、ウクライナ問題には、かなり注目しつつも、フランスの大統領選挙のニュースが中心になっていた大統領選のニュースが、昨夜はこのプーチン大統領の演説に吹き飛ばされた感じでした。
このプーチン大統領の演説をエリゼ宮は政府首脳を集めて見守りました。
これまで、「戦争回避のために」奔走していたマクロン大統領の努力も虚しく、プーチン大統領は、「ウクライナの親ロシア派分離主義者の独立を認める」と発表、また、「ウクライナはロシアにつながるすべてを放棄して国家を築いた」と述べ、「腐敗と民族主義のために国は本当に形成されてはいない」、「また、ウクライナを「傀儡政権」(名目上は独立しているが、実態では事実上の支配者である外部の国家によって管理・統制・指揮されている)と説明した。彼ははまた、ウクライナの指導者が自国内で行っている「テロ政策」を非難しました。
LIVE #Ukraine | Vladimir Poutine a commencé son allocution télévisée
— Le Monde (@lemondefr) February 21, 2022
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クレムリンのトップは、親ロシア派の分離主義者と「友好・相互援助協定」を締結し、仰々しくサインする模様が中継されました。
これは、ロシア国民向けという名目でありながら、全世界に向けての発信です。
このプーチン大統領の宣言は、マクロン大統領の仲介で、アメリカとロシアとの首脳会談が現実化しようとしていた中、プーチン大統領の先制攻撃であったに違いありません。アメリカとの首脳会談に合意したと言いつつ、話し合いを避け、戦争をも厭わない態度です。明らかに喧嘩を売っている感じです。
ロシアは、コロナウィルスにより、すでに35万人近い犠牲者を出しています。このうえ、さらに犠牲者を出すことが明白な戦争をも厭わない態度には、閉口してしまいます。
ロシアの大統領の発表をフランス政府首脳が集まって見守るという、異常な状態に、フランスのマスコミ記者もエリゼ宮を囲み、逐一、動向を伝えるほど緊迫していました。
おそらく、ヨーロッパ諸国やアメリカも同様の姿勢であったに違いありません。
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、記者会見で、「親ロシア派地域の独立は、ウクライナの主権に対する明白な侵害であり、ミンスク和平合意の否認である」と糾弾、「ウクライナ情勢にとって「悪い前兆」である」と述べました。
マクロン大統領は、エリゼ宮で国防・安全保障会議を招集し、EUは「断固」として対応し、「国際法の明白な違反」を糾弾すると発表しました。
結局のところ、プーチン大統領には、他の欧米諸国との話し合いの意思はなく、これまでのマクロン大統領をはじめとする各国の首脳との会談にも一応は応対したものの、あくまでも一方通行であり、話を聞くふりはしていたものの、話し合いには応じておらず、自らのシナリオを推し進めている模様です。
「宣戦布告」とも思えるプーチン大統領の発信に、おそらくフランスだけではないと思いますが、とりあえず、フランスは大騒ぎ。よもや、戦争か?という危機感が感じられます。
マクロン大統領が就任してからというもの、大掛かりな「黄色いベスト運動」、「コロナウィルスによるパンデミック」と続き、今度は「ウクライナ×ロシア問題による、よもや戦争?」という状態。
プーチン大統領はもちろんのこと、マクロン大統領もおそらく大きく歴史に名を残す大統領になるだろうな・・と、私はそんなことを考えていました。
マクロン大統領は、次期、大統領選挙の出馬を正式に表明してはいないうちに、この騒ぎ。出馬届出の期限は3月4日。ギリギリまで表明しないのは、もともとの彼の大統領選挙戦の戦略で全ての準備は整っているものと思われますが、ここまでギリギリになり、まさか本当の戦争が立ちはだかることになろうとは、彼の想定外であったに違いありません。
プーチン大統領東部独立承認 国際法違反 宣戦布告
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