閉店のための在庫処分セール中のDARTY |
昨日、突然、湯沸かしポットが壊れてしまったので、近所にあるコマーシャルセンターにあるダーティー(DARTY)という家電製品のお店に行きました。我が家の電化製品のほとんどは、このDARTYで買ったもので、ある日、突然、故障して使い物にならなくなってしまう電化製品をすぐに急いで調達したいとなると、すぐに歩いて行ける近所のDARTYに駆け込んで買ってしまうことが多かったのです。
そんなに頻繁に足を運ぶわけではないけれど、近くにあってくれれば、とりあえず安心できる・・そんなお店の一つでもありました。
ところが、久しぶりに行ってみると、何やらお店の中の様子がいつもとは違い、何やら雑然とした様子。店内の一部にはつい立てがたてられ、商品の配置もごちゃごちゃしていて、最初は「改装中?」と思いましたが、お目当ての湯沸かしポットの姿はなく、たいていの電化製品ならひととおりはあるはずのお店でこれは一体どうしたことか?と思って、あらためて店内を見渡すと、積み上げられた商品のほとんどには、「在庫処分」の札が・・。
フランスとて、どんどん変わる電化製品、詳しい商品の説明を聞きたくても、店員さんを捕まえるのがいつも大変なこのお店、(しかも捕まえたところで、まともに説明してくれる人にあたる確率も低い)、ようやくお店の人を捕まえて湯沸かしポットありますか?と聞くと、「もうありません」という回答。
「このお店、改装中なの?」と聞くと、まさかの3月半ばに閉店とのこと。
我が家の近所のコマーシャルセンターは、コマーシャルセンターとしては、中規模のもので、それでもワンフロアーに20店舗くらい入るスペースの3階建て(日本でいう4階建て)のもの。
パンデミックの前から、雲行きはあやしい感じではありましたが、ロックダウンや感染対策の店舗の営業制限などから、いよいよ、一つ、また一つとテナントが減っていきました。
私が今のアパートに引っ越してきた頃は、コマーシャルセンターはお店も満杯で、テナントに空きなどありませんでした。フランス人なら誰もが知っているような大手のファッションメーカーや子供服専用店などが何店舗も入り、メガネ屋さん2店舗、携帯などの通信機器の店舗、書籍、CD、DVD、文房具などを扱っているバージンメガストアーや、マクドナルドなどのファストフード、パン屋さんのPAULなどは2店舗もありました。
それが大手チェーン展開をしている店舗はマクドナルドの閉店を皮切りにどんどん閉店していきました。かろうじて、スーパーマーケットのカーフールは存続していますが、それでさえも以前は2フロアにわたり、何から何まで揃っている感じであったものが1フロアに縮小されています。
客足に翳りが見え始めて撤退する店舗が出始めることで、ますます客足が減少し、客足も減少していくから、さらに売上も減少し、次々と撤退する・・コマーシャルセンターの悪循環というのは、こういうものなのだということをまざまざと見せつけられている感じです。
しかも、絶対に潰れはしないと思われる大手の店舗がこぞって撤退していくのには、ちょっと唖然とさせられます。しかし、大所帯を抱える大手のチェーン店舗だからこそ、不用な店舗は撤廃していくのは当然のこと。
パンデミックによるロックダウン生活で、ますますネットショッピングは拡大し、店舗を構えること自体がリスキーなことになっているのかもしれません。
明らかにこのコマーシャルセンターの衰退にアクセルをかけたのは、パンデミックによるロックダウン、営業停止によるもので、そうでなければ、ここまで急激に衰退することはなかったと思います。目に見えるパンデミックによる経済的な打撃は、私のごくごく身近なところにもあらわれています。
「どんどんコマーシャルセンター内の店舗が減っていく・・」とショックを受けている私ではありますが、考えてみれば、利用しているのは、スーパーマーケット(カーフール)と薬局、それに、年に1回行くか行かないかのDARTY(電化製品)のみ。
DARTYでさえも、すでにフナック(fnac)(同じく電化製品を中心に書籍や文化的な製品などの広範囲の製品を扱うチェーン展開のお店)に買収されており、店舗数は縮小されていく方向に向かうのは、当然のこと。集約できないコマーシャルセンターは致命的です。
人の流れというのは、正直なもので、人が集まるところには、行列ができるようなお店もある中、どう考えても、このままではこのコマーシャルセンターは、たち行かなくなります。
今、パリで行列のできているお店と言えば、すぐに思い浮かぶのは、人気のラーメン屋さんなどで、この際、ここが、和食屋さんやアジア食材を扱うフードコートのようなものになってくれないものか?などと、悔し紛れに思っているのです。
コマーシャルセンターの衰退
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