すでに数日前から話題に上がっている「屋内でのマスク着用義務の撤廃」について、オリヴィエ・ヴェラン保健相は、マスク撤廃に踏み切る具体的な基準値を発表しました。
ワクチンパスの施行とともに始まった感染対策規制の緩和は、1週間後には、屋外でのマスク着用義務化とリモートワークの義務化が撤廃され、さらに、つい先日、ディスコやナイトクラブが再開され、カフェやバーでの立ち飲みの解禁と着々と進められてきました。
フランスの感染状況は、劇的に改善し始め、1ヶ月前には、40万人を超えていた1日の新規感染者数も10万人を切り、現在は、8万人前後になりました。病院の集中治療室の占拠状態も非常に緩やかではありますが、減少し始め、一時は4,000人近かった集中治療室の患者数も3,000人を切り2,970人までになっています。
この状況を受け、フランス政府は、3月中旬には「屋内でのマスク義務化」を撤廃できるかもしれない・・と言い始めていたのですが、今回は、コロナウィルスによる集中治療室の患者数が1,500人以下になったら・・」という、より具体的な数字をマスク撤廃の条件として発表したのです。
元来は、大のマスク嫌いのフランス人にとって、これは朗報に違いありません。
オリヴィエ・ヴェランは、「この3月中旬というタイミングは、決して無作為に選択された日程ではなく、現在の感染の減少の状況とリズムをもとに考慮されたものであり、無駄に過剰な目標を設定するのは意味がない」と説明しています。
屋外でのマスク義務化が撤廃された後も、屋外でもマスクを着用している人が意外と多いことなども、現在の感染減少を後押ししているような気もします。
彼は、「今後もウイルスはできるだけ循環させないようにしなければならないが、発症率は毎週ほぼ半減しており、このままの状態が続けば、4週間後には極めて低い発症率に戻り、流行が再燃するリスクを負うことなく、最後の手段を講じることができる」と述べています。
これまで、フランスは、数ヶ月間にわたって、15日単位で段階的に感染対策を解除してきており、この段階的な対応は、感染にブレーキをかける対策の解除による悪影響がないことを確認するために必要な時間であったし、今後もそれだけの時間をかける必要があるということを説明しているのです。
3月中旬の屋内でのマスク着用義務化撤廃には、病院が通常通り運営されていること、ウイルスの流行が非常に弱いことを条件にしています。
そして、さらに次の段階では、ワクチンパスの解除が検討されるのですが、このワクチンパスの解除に関しても、一気に全廃という形をとらずに、特定の感染リスクの高い場所を最後まで残しつつ解除するという、もう一段階のステップを検討中のようです。
いずれにしても、本当に一時は、ちょっと外出するだけでも、すぐに感染者追跡アプリのアラームが点灯し、「あなたは、感染者と接触しています。ただちに検査を行い、陽性の場合は、隔離してください」というメッセージが入り、その度にドキドキしながら検査に行くことを考えると、外出するのもちょっとウンザリしていたことを思えば、現在の感染状況の劇的な改善はうそみたいです。
この現在の感染減少の状況がブースター接種によるものなのか?もしくは、もうひととおりの人々が感染して免疫を得たためなのかはわかりませんが、屋内マスクが撤廃されるという事実よりも、それだけ自由が戻ってくるという意味では、私にとっても嬉しい状況です。
今や過去の映画などの映像を見ていても、マスクをしていない群衆などを見ると、思わずギョッとしてしまう奇妙な自分を発見したりもするのですが、一方、一部のメトロの駅や電車の中では、思わず「マスクがあってよかった・・」別の意味でマスクに助けられる(アンモニア臭など、あまりに匂いがキツいため・・)という場所もあるのが、パリでもあります。
政府が屋内でのマスク義務化を撤廃しても、しばらくは、私は、やっぱり怖くてマスクをすぐには外せないような気がしています。そして、「やっぱり日本人は・・」などと言われるかもな・・と、そんなことまで考えています。
屋内でのマスク義務化撤廃
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