2022年1月24日月曜日

日本はなぜ、ブースター接種を急がないのか?

  



 パンデミックが始まって以来、ニュースをチェックするのは、欠かせない作業になりました。状況はどんどん変わるし、それにつれて、ルールもどんどん変わるので、ただでさえ、色々スムーズに事が運ばないことが多いフランスのような国に住んでいれば、ニュースで知っていれば、早めに準備したり、対処したりすることができるからです。

 それだけでなく、やはり、現在の状況を知らずにいることが、不安でもあります。

 正直なところ、一番、気になるのは、今、住んでいるフランスの状況ですが、やはり日本人の私としては、日本のことも常に気になっています。

 1月に入ってからというもの、日本の感染は、あっという間に広がり、やはり、さすがの日本でさえも、こんなにあっという間に感染が拡大するものか・・とちょっと驚いています。

 あの日本人の衛生観念や衛生管理、清潔さ、そして、常に周囲を気遣いながら行動する日本人の住む日本は、感染がヨーロッパのように拡大することはないと思っていました。

 しかし、現在の日本の感染者数を見ると、フランスなどとは比べものにはならないものの、日本とは思えないような数字。日本のニュースを見ると、「蔓延防止措置」という新しいワードが(私にとっては)・・「緊急事態宣言」よりは、少し緩い措置なのだそうで、どうにもわかりにくい感じですが、どうやら、飲食店での時間や人数制限などの内容だそうで、1日の感染者数40万人超えのフランスの飲食店の様子を見たら、日本人は、仰天するだろう・・などと思いました。

 日本とて、感染者が増えるにつれて生じる隔離による社会麻痺状態に陥りつつあることは、先に感染爆発しているヨーロッパと同じ状況が起こることは、必須です。

 先日、日本にいる従姉妹や友人と電話で話していて、びっくりしたのは、日本人がほとんど3回目のブースター接種を行なっていない事でした。フランスでは、もう当たり前のようにブースター接種をしているので、あっという間に2回のワクチン接種率が世界的なレベルまで上昇した日本は、当然のごとく、ブースター接種も着々と進んでいるものだとばかり思っていました。

 それが、私が話をした数人は、まだブースター接種の予約すらできていないということで、そのことに、ちょっとびっくりした次第です。そのうちの1人は、お医者さんです。

 もっとも、これまでの日本は、驚くほどに感染が抑えられていたので、あまりその必要性がなかったこともあるのでしょうが、オミクロン株の急激な感染拡大となれば、話は別で、現在のところ、ブースター接種がオミクロン株に対する最も有効な防御手段であると言われている中、日本がブースター接種を急ぐことなく、蔓延防止措置などの対策に終始していることが不思議な気がしています。

 CDC(米疾病対策センター)は、重症化(入院)を防ぐブースター接種の有効性は90%であるのと比較すると、2回接種の有効性は、2回目の接種から半年以上経過した時点で57%であったという研究結果を発表しています。

 友人の話を聞いて、びっくりして、フランスでの日本についてのブースター接種の記事を調べると、「日本は、再び、感染拡大のため、準緊急事態(蔓延防止措置)宣言が出されているにもかかわらず、国民の1.5%しか、3回目のブースター接種をしていない」という記事を見つけました。

 「世界の国々が2回目と3回目のワクチン接種の間隔(義務的な)の短縮に踏み切っており、現在、アメリカは5ヶ月、フランス3ヶ月、イギリス8週間に短縮したのに比べて、日本は未だ8ヶ月のままで、なぜ、日本はブースター接種を急がないのか?」という内容でした。

 オミクロン株は重症化する可能性が低いと言われていますが、それもリスクの高い人や高齢者などにとっては、どこまで通用する話なのかわかりません。

 オミクロン株はワクチン接種をしていても感染すると言われている一方で、やはり、ある程度は、感染を回避するチカラも持っています。

 フランスでの集中治療室の患者の大半は、ワクチン未接種者で占められているそうですが、ワクチン接種者でも、重症化した人々は、3回目のブースター接種をし損ねていた人々であるとも言われています。

 あの清潔で、徹底した衛生管理をしていたはずだった日本で、まさかの急激な感染拡大したのは、もしかしたら、ブースター接種が遅れているせいではないか?などとも思ったのでした。

 桁違いの感染者を出しているフランスから言うのも、信憑性のない話だと思いつつ、フランスがこれだけの感染者を出しながらも制限緩和に踏み切りつつあるのは、ワクチンパスの施行とブースター接種の拡大というバックアップがあってのことだと思うのです。

 フランスが制限緩和の措置を取り出したのも、感染者数のわりには、集中治療室の患者数が増加しないためですが、それが、ブースター接種の効果によるものだとすれば、日本はどうなるのか???といらぬ心配までしてしまいます。

 いい加減、日本人だって、日常生活制限には、うんざりしているはず、鎖国措置しかり、日常生活の制限しかり、シャットダウンではなく、別の方法をとってもよいのではないか?と感じています。


日本のブースター接種


<関連記事>

「フランスの1日の新規感染者数6万人突破のタイミングで3回目のワクチン接種をしました!」

「ノエルまでに2000万人のブースター接種達成のために日曜も営業する薬局の混乱」

「ワクチン接種の急な予約変更 パリのワクチンセンター」

「フランスの1日の新規感染者数27万人突破 怒りと焦りが見える政府陣営の怒りの発言の数々」

「ヘルスパスの評価と自動的に有効期限切れになり失効するワクチンパス」

「ワクチンパスポート施行とコロナウィルス感染証明書」


0 コメント: