2022年1月16日日曜日

いつまでもフランスで感染がおさまらない理由を見た1日

  


 先週末にパリ郊外で会合があり、この感染が蔓延するさなかに、嫌だなと思いつつ、「リモートにすることはできないのですか?」と聞いてみたのですが、「リモートは不可能」と却下され、渋々、参加してきたのです。

 もともとその会合は、1月5日の予定だったのですが、それが感染対策を考慮して延期され、結局のところ、その時点よりも悪化している状況で開催、これ以上、待っても感染はおさまらないという判断なのでしょうか?

 そもそも会合というのは、実際に顔を突き合わせて話し合いができれば、それに越したことはないのですが、実際に行ってみると、どうしてもそれが必要なのかは、甚だ疑問で、しかも、昼食会までもを挟んでの丸一日。

 そして、参加している人々は、もちろんマスクを着用しているものの、マスクをしっかりしている人ばかりではなく、咳をするたびに、なぜかマスクをずらす人や、話に熱がこもってくると、マスクを外してしまう人などもいて、その度に私は、苦々しい思いをしながら、マスクの上からそっと小さな布を覆うのでした。

 マスクを外して、思いっきり席をしたり、大きな声になれば、マスクがより邪魔になるのは、道理ではありますが、実際は、真逆のことをしていることに彼らは気づいていないのです。この話が過熱してきて、マスクをついずらして話をしたりするのは、政治家などにもよく見られる光景です。

 大した内容でもないことに昼食会まで挟んでの会合、百歩譲って、会合をするとしても、さっさと話を進めれば、半日で済むものをダラダラと時間をかけることにも、まるで感染対策に対する対応を感じられません。

 感染対策といえば、入口にマスクとアルコールジェルが置いてあることくらい。感染対策のつもりなのか、どういうわけかトイレのいくつかが閉鎖されていることは不思議なことでした。(手を洗いたいのに、トイレが閉鎖とは・・)

 こんな感じでリモートワークがあまり行われないものなのかとフランスの感染悪化の一端を見た思いでした。

 そして、帰り道、普段は、ほとんど乗ることがないパリ郊外線に乗ると午後5時前、まだ、ラッシュアワーではないから、それでもまだマシだな・・と思っていると、そこはかとないアンモニア臭が漂ってくるではありませんか?

 そういえば、パリのメトロの駅などは、以前は、こういう匂いがよくしてきたものですが、パンデミック以来、駅や車内は清潔になり、久しく嗅いでいない匂いでしたが、どうやら、パンデミック当初には、見かけた、あの清潔に駅や車内を消毒している人もみかけなくなり、すっかり緊張感がなくなっています。

 挙句の果てには、電車の車内でのアンモニア臭とは・・郊外線といえども、パリからそう遠い長距離路線ではありません。

 おまけに、近くの席にすわっている男性数名が、車内でピーナッツを食べながら、ビールを飲んで楽しそうに話しているのには、さらに驚きでした。本来ならば、一言、言いたいところですが、こんな時、酔っ払い相手に注意をして、逆ギレされても怖いので、黙ってそっと席を移りました。

 パリで日常を取り戻すということは、このように不衛生で、無秩序である日常が戻ってくることでもあるのです。

 こんな光景を目の当たりにすると、「日本だったら、みんながきちんとマスクしているし、どこもかしこも衛生的で、ましてや電車の車内でアンモニア臭なんて、あり得ないだろうな・・」と思うと、「もう日本に帰りたいかも・・」とちらっと思ってしまうのです。

 日頃は、行かない場所に行くと、たちまち見えるフランスの現状に、これでは、毎日感染者が30万人いても仕方ないな・・と思った1日でした。


フランス人の衛生観念と無秩序と危機感の欠如


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