2022年1月19日水曜日

フランスの1日の新規感染者数46万人突破と子供の検査を放棄し始めた保護者

 


 一昨日のニュースでは、いくつかの地域では、どうやら、感染が下降し始めたので、どうやらピークを越えたかもしれない・・とか、どこかのラボ(検査施設)では、おそらく1月13日がピークだったようだ・・などと言いつつも、全国的には、決して減少しているわけではなく、ただ、上昇が緩やかになってきている・・と感染のピークはいつか?という話ばかりしているような気がします。

 日曜日はラボも休みのところが多く、月曜日の数字はいつもかなり少なくなるのですが、それでも10万人超え、逆に、その分が若干のっかる感じで、火曜日の数字が少し多くなる傾向があるのですが、それにしても火曜日の1日の新規感染者数は、464,769人でした。

 先週は、だいたい1日の新規感染者数は、ずっと30万人前後だったので、いくら月曜日の分が多少のっかったとしても、いきなり46万人超えとは、ちょっと、いくらなんでも増え過ぎです。

 そう言われてみれば、思い当たらないこともなく、ここのところ、毎日のように感染者追跡アプリのアラート(感染者と近距離で接触しています・・ただちに検査し、ワクチン未接種者は隔離してください・・という通知)が入ります。

 アラートには感染者と接触したという日付が入っているのですが、日付が前後して通知されてくるので、検査したと思ったら、その前日の分のアラートがその翌日に来たりするので、もうなにがなんだかよくわからなくなってきましたが、外出した日は、もれなくアラートが入っているので、それだけ感染者が増加しているということなのでしょう。

 アラートの日付の一つに友人とランチをした日が入っていたので、一緒にランチをした友人にも一応連絡すると、彼女のところにもアラートが来ていたのに、気付いていなかった模様。「これが来たら、検査しなくちゃいけないのかな?」などと言うので、「だって、もし、感染していたら、他の人に感染させてしまうかもしれないでしょ!」と念を押すと、「あ〜そうか・・そうだよね・・」と、もはや、感染者接触のアラートにも少々、麻痺している感じ。

 検査に、そして検査することの意味に麻痺してきているのは、おそらく最も頻繁に検査をしているのは、小学生以下の子供たちとその保護者たちで、ただでさえ、感染者が多いなか、ワクチンという鎧を着ていない状態の子供たちには、感染者も多く、学校を継続するためにクラスメートに感染者が出た場合は、すぐに検査、その2日後、4日後に3回検査しなければならないのですから、大変な作業です。もしも、続けてクラスに感染者が出た場合は、毎日のように検査するハメになります。

 現在、子供の検査は、薬局や検査場などでの検査以外に、オートテスト(セルフテスト)のキットが無料で受け取れるようになっており、家で検査をして、検査の結果は、保護者が書面に書いて証明書を提出することができるようになっていますが、「感染例が多過ぎて、もういちいち子供の検査はしていられない。検査はしないで、とにかく学校に行かせる!」

 「毎日の検査は、頻度が多過ぎて、子供にとって苦痛すぎる・・検査時に子どもが痛がるので、何度も繰り返すとトラウマになる」というのです。気持ちはわからないではありませんが、これでは偽ヘルスパス(偽ワクチンパス)ならぬ偽の陰性証明書を親が子供に持たせることになります。

 また、他のケースでは、「偽の証明書を書いて、誤魔化すことはしない。しかし、検査に疲れてきたので、7日間学校に行かせず、検査はしない。」という親もいます。

 しかし、一方では、「ルールを守らない人が増えれば増えるほど、それが長引き、みんなが疲弊していくので、クラス内で感染者が出た場合は、しっかり検査を続けるべきだ!」と訴える人もいます。

 「ルールを守らない人が増えれば増えるほど、それが長引き、みんなが疲弊していく」というのは、まさに子供の検査に限ったことではなく、大人の感染対策についてもまさに同じことが言えます。

 先週は、1日あたり30万人だった新規感染者数は、今週には、46万人まで増加してしまいました。ワクチン接種をしているから、ヘルスパスがあるから、ワクチンパスがあるから大丈夫という気の緩みがこの、ちょっと目を疑うような数字を叩き出しています。

 この数字のわりには、入院患者数や集中治療室の患者数は劇的には増加しておらず、このまま増加していけば、もはや集団免疫も夢ではなくなるかという気もしてきますが、一方で、感染が蔓延すれば、新しい変異種が登場する危険もあるわけで、やはり、検査と隔離は続けなければならず、基本的な感染対策は、しっかりと続けなければなりません。

 しかし、ここまでくると、数字の感覚が麻痺してきて、46万人って何人だったっけ?と思ってしまいそうになるほどで、もはや感染者数をカウントする意味はないのではないか?という声もありますが、やはり、全く薄れきっているフランス人の危機感をかろうじて保つためにも感染者数は知るべきではないかと思うのです。


フランス1日の新規感染者46万人突破


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