もはや、どうにも止まらないフランスの感染者数は、昨日よりもさらに5万人以上増加し、1日で33万人(332,252人)を突破しました。
感染者数だけでなく、入院患者数も1日で2,000人以上増加(現在、コロナウィルスによる入院患者数は20,688人)している今、オミクロン株は重症化しないから、感染者数だけで騒ぐことはない・・などとは、言っていられなくなる状況に陥りつつあります。
しかも、そのうち295人は、10歳未満の子供だということです。
にもかかわらず、フランスでは、一昨日のパリジャン紙のインタビューに答えたマクロン大統領の過激な発言の方が話題沸騰しています。
たしかに、これまでのマクロン大統領は、決して国民を怒らず、どんな時も国民に対して好意的にフランスという国を称えながら、連帯と団結を唱え、つい先日の大晦日の演説でも、フランスという国の「団結、博愛、支持を維持しよう」と宣言し、国の「統一」を図ろうとしてきました。
しかし、このインタビューでは、一転して、ワクチン未接種者に対して、「自分の自由が他人の自由を脅かしている!それは無責任な自由の主張であり、無責任な人間は、もはや国民ではない!」という強い攻撃的な言葉を発し、ワクチン未接種者を怒らせたい(しかも、俗語表現というか、お行儀のよい言葉使いではない)とまで語ったことは、少なからず、国民には、ショッキングな内容であったようです。
おりしも、大統領選挙を目前としているタイミング、当然、対立候補の面々は、この発言をここぞとばかりにバッシングする発言を繰り返し、感染者が連日、爆発している現実を飛び越えて、「意見の違う人々を排除しようとする発言をする者は、大統領として認められない!」などの声明を出し続けて、違うところでヒートアップしています。
しかし、これは、あくまでも、フランスの1新聞社のインタビューによる字面で発表された内容で、彼がこの内容をどのような口調でどのようなトーンで話したかは、映像として出されているわけではなく、ニュアンスがどのようなものであったかは、しっかりと伝わってはいません。
現政府のスポークスマンなどは、この発言に対するフォローと思われる説明(現状がいかに厳しい状態であるか等)をしていますが、彼自身は、この件に関して、何の弁明もしていません。
これだけの独占インタビューによる紙面ですから、内容に関しては、当然、大統領府のチェック済みのものだと思われるので、「彼自身が怒らせたい」とこの紙面で語っているとおりに、一部の人(ワクチン未接種者)は、怒り、また、それに乗じる政治上の争いのために、それを囃し立てて、騒ぎを大きくしていると思われます。
しかし、多くのフランス国民に衝撃を与えたマクロン大統領のこの発言は、マクロン大統領自身による計算された作戦であるという見方もあります。
現在のフランスのワクチン接種率は、ほぼ80%に達しつつあり、残りのワクチン未接種者は2割程度、ワクチン接種を受けている者にとっては、いつまでもワクチン未接種者のために続く感染拡大と医療の逼迫、生活制限には、うんざりとしているのは、言うまでもありません。
非難の声を浴びせる対立候補をよそに、これまでのように、ぬるい言葉で、国民を讃えているだけでは、これ以上は、解決される問題ではないことは、皆がうすうす感じていることで、いわば、「ショック療法で、自分たちの置かれている状況を見つめ直させる」そんな意図があったのではないかとの声も上がり始めています。
どちらにせよ、毎日、毎日、新規感染者数を記録更新し続け、1日30万人以上もの感染者を出し続け、医療状態も逼迫している現在のような状況で良いわけはありません。
このような緊急事態を政権争いに利用して、撹乱するのは、やめてもらいたいです。
現在のフランスの検査(PCR・抗原検査)における陽性率は、17.05%、10万人あたりの発症率は、1752.53人まで上昇しています。つまり、5人に1人は感染している状態に限りなく近づいています。
イタリアでは、50歳以上は、ワクチン接種の義務付けられることになりました。
フランス1日の新規感染者33万人突破
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