年末から、「1月の初旬には、1日の新規感染者数は25万人を超える可能性がある」と言われてきましたが、昨年のノエルに10万人を超え、10万人のしきい値を超え、そのわずか4日後には、20万人を突破した時点で、1月初旬の25万人突破も現実味をおびてきた・・と思っていたら、初旬も初旬、三ヶ日を過ぎてすぐに、25万人どころか27万人を突破してしまいました。
もう数字の感覚が麻痺してきており、27万人を超え、すでに27万人が「30万人近くの感染者を出している・・」という報道のされ方をするようになり、もう換算される桁が10万人単位になりつつあり、27万人が限りなく30万人に近いという感覚になっています。
先週はPCR検査と抗原検査を合わせて800万件の検査が実施され、陽性者は検査対象者の15%に相当しており、1週間で発症率が130.3%に跳ね上がっています。
この感染者の増加とともに、入院患者数は1週間で38%増加、昨日、1日で297人が死亡しています。毎日、200人から300人が亡くなっているということは、毎日のように飛行機の墜落事故が起こっているような状況です。
厚生省の発表によると、現在、コロナウィルスによる入院患者数は、20,186人、(1週間で3,000人近く増加)、うち3,685人が集中治療室で治療を受けています。
想像以上の感染増加の速度に政府の閣僚たちも苛立ちを抑えきれずに、怒りを露わにする場面が目立ち始めました。
かなりアクセントの強い喋り口調のせいもありますが、日頃は、どちらかというと、穏やかな口調のカステックス首相が、昨日の国会の議会では、ワクチンパスに関する法案の審査が中断されると、野党議員の政治的な動きを非難し、「コロナウィルスの感染の急拡大の局面を迎えている重要な時期に議論を遅らせることは、非常に無責任な行為である」「ウイルスは疾走しているのに、あなたはハンドブレーキを引いている」「真夜中も働き続けている医療従事者のことを考えているのか!」と激昂して語りました。
また、マクロン大統領もル・パリジャン紙のインタビューの中で、「ワクチン接種を受けていない人々を攻撃するために言葉を濁すことはしない」とワクチンパスの正当化について語っています。
こちらも、またかなり強めの発言です。
「私たちは、フランス国民を困らせるためにワクチンパスを施行するのではない!」「ワクチンパスによって、日常生活をブロックされるとなると、一日中文句を言っている人たちを本当に怒らせたい!最後までやり続ける!これが私たちの戦略だ!」と強く語りました。
「この感染の急拡大をなんとかおさめるために、ワクチン未接種者を刑務所に監禁するのではなく、長期的に一定の活動を奪い、1月15日からは、レストランに行くことも、公共交通機関を利用して長距離旅行をすることも、劇場へ行くことも、映画館へ行くこともできなくなると伝えなければならない」と。
また、アンチワクチン論者の人たちが、現在の感染急拡大による緊張状態を促進していることを強く批判し、「ワクチン未接種者への診療拒否」という問題が提起されている現在、彼らの道徳的な過ちを指摘し、国家の強さを損なうものとなっており、自分の自由が他人の自由を脅かしており、無責任な自由の主張であり、無責任な人間は、もはや国民ではない!」と発言しています。
かなり、きつい発言になっていますが、現在の入院患者のほとんどがワクチン未接種者で埋められており、ワクチンをしていても、3回目のブースター接種が間に合わなかったケースなどがほとんどです。
これらの人々のために、ノエルもなく、昼夜、患者のケアにあたっている医療従事者、また、病床がコロナウィルス患者に圧迫されて、本来予定されていた手術が延期されている人々の生命、検査を受け続けながら学校に通わなければならない子供たちなど、結果的に多くの人の日常生活を奪っている事態には、国を動かしている政府からしたら、怒りが震盪するのも理解できます。
しかし、ただでさえ、大統領選挙を前にして、感染状況をよそに、何かと足の引っ張り合いのようなことが横行している現在のフランスでは、マクロン大統領のこの発言は、絶好のつっこみどころとなり、ワクチンパス以上に論争を起こしそうな気配です。
さすがに、一部のワクチンをしない国民を切り捨てるような発言は、勢いあまって、口がすべったような感じがありますが、カステックス首相の激昂にしても、マクロン大統領の過激発言にしても、政府は、かなり、現在の状況に焦りと苛立ちを隠しきれなくなってきている状況であることは間違いありません。
新規感染者27万人突破 マクロン大統領の過激発言
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