2022年1月29日土曜日

日本の水際対策 海外からの入国・隔離期間7日間に短縮も外国人入国は停止のまま

  


 日本の「水際対策に係る新たな措置について」という文面をパンデミック以来、一体、どれだけ見たかわかりません。

 今回のお知らせは、「1月29日午前0時より、水際対策強化に係る新たな措置に基づき、オミクロン株が支配的となっている国・地域(現時点では全ての国・地域)から帰国・入国する全ての方について、入国後の自宅等待機、健康フォローアップ、公共交通機関不使用の期間が10日間から7日間に変更されます。既に入国済みの方に対しても同時刻から適用されます」という内容のものでした。

厚生労働省 水際対策に係る新たな措置について

 これだけなら、若干、隔離期間が短縮されるのですから、日本への一時帰国を希望する海外に在住する日本人にとっては、朗報といえば、朗報ですが、問題なのは、相も変わらず、「外国人の新規入国は停止」という部分です。

 いい加減、いつまでも外国人であるというだけで入国を制限する日本のやり方は、全く理解ができません。私は日本人ですが、「日本人だけ・・」という日本人さえよければいいだろうというやり方は、実は日本人の首を絞めていることにも繋がっていると思うのです。

 今や蔓延するウィルスの性質も変化し、世界中が対策を変更している中、なぜ?日本は、2月末までの鎖国延長を緩和しないのでしょうか?

 日本に住む多くの日本人にとっては、鎖国状態の日本は、現在の自分たちの生活には、直接関係のないことかもしれませんが、外から見れば、異常な対応です。パンデミックが終息しない段階で、リスクを冒しながら、多くの国が規制を緩和し始めているには、理由があるからです。

 多くの企業がいつまでも鎖国している日本に業を煮やして、他国に乗り換えることを考え始めています。それも当然でしょう。こんなにいつまでも鎖国をされていては、仕事がやりにくくて仕方ありません。他の国は、そんなことしていないのですから、他をあたるのは、当然です。

 留学生とて、いつまでも入国させてくれない日本に見切りをつけ、日本留学は断念するか、他の国に留学先を変更し始めています。

 このままでは、本当に日本は世界から、取り残された状態になります。

 先日、「日本が鎖国状態を2月末まで延長する」と発表した際に、フランス紙に「グローバル化しながらも内向きな国、日本」「このパンデミックは、この列島がいまだに孤立主義を培い、外国人を統合しようとしないことを明らかにした。」などと書かれたとおりのことを日本は続けようとしているのです。

 日本のように資源のない国は、世界と関われなければ、どうにも立ち行かなくなることは、明白です。

 長引くパンデミックに、いつまでも、「今は、とにかく感染を抑えることが最重要課題」などとは、言ってはいられない状況です。広い視野で、同時にいくつもの対策を次々に対応させていかなければなりません。

 いつまでも、「外国人は入国させない」と言い続ける国に、いつまでも、他の国々が辛抱強く待ってくれるわけはありません。他の国々は、ものすごい勢いで動き始めているのです。

 そのうち、日本が開国した頃には、誰も見向きもしなくなっているかもしれません。

 先日、マクロン大統領が、APCEでの講演で「私たちは 歴史に対する責任と同時に、未来に対する責任も負っています。」と話しましたが、実に日本の現在の対応は、未来に対する責任をどう考えているのか?と、絶望的な気持ちになります。

 日本人に対する海外からの入国隔離期間を短縮したタイミングは、鎖国を解除、あるいは、緩和するタイミングでもあったはずです。そもそも、入国に際して、国籍によって区別するなどナンセンス。そんなことをしている国は、ありません。

 私は、日本人の日本入国の隔離期間の短縮よりも、いつまでも鎖国を解除しないことの方がよほどショッキングです。

 長期的に、本当にグローバルな対応を考えなければ、日本は、国を守っているつもりが自分の首をしめている状態です。

 今、私は、海外にいて、外から日本を見て、政府が国を滅ぼしていく様子を地団駄を踏みながら見ている気分です。


日本の水際対策 鎖国 隔離期間短縮


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