2022年1月8日土曜日

在宅中でも油断できないパリの治安 偽身分証明書による家宅侵入による盗難事件

 

偽警察官を見分けるために、警察が公開している本物の警察官の身分証明書

 

 イル・ド・フランス(パリ近郊地域)では、昨年の1月から11月までの11ヶ月で、偽の身分証明書を提示して、個人の家宅に侵入しての窃盗事件が464件も発生していることが報告されています。

 街中でスリやひったくりに遭うだけでなく、自宅にまでやってくるというのですから、家にいても、決して油断はできません。

 この手の犯罪は、一昨年までの倍以上に跳ね上がっているので、今、流行?している犯罪の手口なのかもしれません。ちょうど、パンデミックの時期と重なっているため、観光客が激減したり、外出制限などで、街中の人出が通常のようには、戻っていないため、その手の犯罪を生業にしている人にとっては、商売あがったりの状況が続き、窃盗の方法を変更しているのかもしれません。

 偽の身分証明書、身分を偽って家宅に侵入するには、さまざまな種類があるようで、時には警察官、配管工、電気工、水道や電気のメーターのチェック、ごみ収集、煙突掃除などなど、様々な身分に変装し、偽の証明書や書類を持って現れ、工事やチェックをするふりをして、隙をみて、家の中の貴重品を盗み出します。

 また、自治体を名乗り、寄付を募るという手口もあるようです。

 ここのところ、我が家でも、同じところに住んで長くなるために、どういうわけか、家の中のあちこちにガタがき始めて、トイレや洗面所、電気系統、給湯器など、ここのところ、立て続けに工事の人が家に入っていたので、このニュースにちょっとドッキリしています。

 しかし、我が家の場合は、調子が悪くなっている場所を修理してもらったりする場合は、必ず、管理人さんを通して、工事の人を頼んで来てもらっているので、このニュースにあるような、不意の訪問ではないので、まず心配はないと思っています。

 幸いにも現在の管理人さんは、とても腰が軽い人で、何かあれば、すぐにSNSで連絡がとれ、メッセージを送るとすぐに対応してくれる人なので、とても助かっています。

 とはいえ、このご時世に、全く知らない他人が家に入ってくるのですから、感染の心配もあるし、余計なことをされても困るし、逆についでに頼めることがあれば、頼んでおきたいと、思っているので、工事をしてもらっている最中は、工事人に張り付いて、おしゃべりしながら、見ているので、今のところ心配はないと思いますが、もしかしたら、気を抜いた隙に何かをとられていても気がついていないかもしれません。

 もっとも、我が家には、大した貴重品もないので、心配することはないのかもしれませんが・・。

 この手の犯罪は、どこも増加しているようで、自治体ごとに警戒のメッセージを告示しています。特に高齢者の世帯に被害が多いという報告も上がっています。

 特に警察官などが家に来れば、本来ならば、市民を守ってくれるはずの立場の人、容易に騙されてしまうことも多く、パリ近郊の市役所などでは、本物の警察官の身分証明書を公開し、違うものを提示された場合は、必ず警察に確認してくださいなどと警告しています。

 しかし、突然の訪問に咄嗟にそのような対応ができるか?と心配になりますが、このようなことがあり得ると知っているのとそうでないのとでは、身構え方が違ってくると思うのです。

 パリ警視庁は、この手の犯罪の防御策として、

○制服を着ている場合でも、プロフェッショナルカードの表裏とミッションオーダー(または通過証明)を見せてもらうこと。もし、本人が拒否したり、疑問を持ったりした場合は、中に入れないこと。

○訪問者の身元を確認したい場合は、名乗ったり電話をかけてきた人の電話番号ではなく、自分で電話番号を調べた先に、電話して確認すること。

○電話、郵便、または建物内の掲示で誰かが来ることを知らされた場合、その人が来た組織、家主、不動産管理人、コンシェルジュ、または隣人に確認すること。

○国勢調査、測量などのために来る人に注意すること。窃盗の犯人は、しばしば偵察を行っています。

○アポなし取材には決して応じず、相手の真意を確かめるために身元を確認した上で、改めてアポを取ること。

 窃盗は5年の禁固刑と75,000ユーロの罰金に処されることにはなっていますが、このような犯罪が横行しているということは、そのほとんどが検挙されていないということなので、注意が必要であることは、いうまでもありません。

 まったく、外に出れば、スリやひったくりに遭わないかと警戒し、家を留守にすれば、空き巣に狙われ、在宅していてもこのような窃盗に遭うとは、パリという街は、どこにいても気が抜けないところです。


偽身分証明書の提示での家宅侵入による窃盗事件


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