フランスの感染状況が日々、悪化する中、政府は、ひたすらワクチン接種、ブースター接種を呼びかけ、毎日、ものすごい勢いでワクチン接種を進めています。先日は、1日のワクチン接種が828,705件という記録を更新したと発表されていました。
私は、先週の初めにブースター接種を済ませたのですが、娘の予約はもう少し後になっていたのが、直前になって、場所が変更され、家から少し離れたパリ市内の大きなワクチンセンターに行くハメになりました。
「家から近いところに予約したのに〜〜!」と不満気な娘。近所の薬局では、先週末に予約なしにワクチン接種をしていたので、念のため、今週末もやらないのかどうか聞きに行ったところ、「先週は、大量にワクチンが入荷することになったから、特別にやったけど、今のところ、大量に入る予定はないので、当分は予約制で・・」「予約は、今のところ12月中は、いっぱいだけど、あなた、家、近所でしょ・・もし、余ることがあったら、連絡しようか?」と言ってくれました。
しかし、一応、場所は変更されたとはいえ、予約が取れている娘、いつになるかわからない近所でのワクチン接種を待つのも何なので、指定された家から少し離れたワクチンセンターに行くことにしました。
それは、パリ15区ポルト・ド・ヴェルサイユにある「パリ・エクスポ」という大きな展示会や見本市をやったりする巨大な会場で、娘が小さい頃に春や夏のコロニー(合宿)の際の集合場所で(パリ近郊の子供たちが全て同じ場所に集められており、ここからバスが出発していました)毎年、バカンスシーズンの度に、娘を送り迎えに行っていた懐かしい場所です。
数年ぶりに行ったパリ・エクスポは当時よりも数段、きれいに洗練されていて、長い年月が経ったと感慨深い気持ちでした。
あの頃、来ていたあの場所がこんなにきれいになって、しかし、まさかワクチンセンターになるとは・・先のことはわからないものです。
入り口から中がものすごく広いことはわかっていたので、そのどこでワクチンをやっているのか? 少し不安でしたが、何のことはない、入口には、大きな看板がたっており(そりゃそうだ・・)迷うことなく、すぐにワクチンセンターの中に入りました。
中に入ると、まず、予約があるかどうかのチェック、ワクチン接種は、30歳以上、30歳以下で区別されていました。30歳以上はモデルナ、30歳以下はファイザーと分けられているのです。
おそらく、急激にワクチン接種を進めるために、最初に政府は一番、簡単にできるパリ市内の薬局にワクチンを大量に配り、少し軌道に乗ってきたところで、ワクチンセンターで集約してワクチン接種を行なっていくことにしたのでしょう。(薬局からも悲鳴があがっていましたから・・)
私は、一歩、タイミングが早かったので、30歳以上ですが、予約していたとおりにファイザーを打ってもらいましたが、今週に入ってからは、ファイザーで予約したのに、モデルナになっていた・・などという人もいて、ワクチン接種を急拡大していくにあたって、交通整理のようなことをし始めたのだと思います。
ワクチンセンターの中で働いているのは、救急隊員(通称ポンピエ)で、少々、ワクチンを打ちに来ている人に対して、待機しているポンピエが多すぎる気もしましたが、大きな会場の中に、いくつものブースができていて、ブースに進む前に問診票に記入し、その後にIDカード、名前、住所、生年月日、ヘルスパスの履歴のチェックの後、ワクチン接種へ進みます。
ワクチン接種は、数分で済み、すぐにQRコード入りのワクチン接種証明書が渡されます。間隔をおいて置かれて並べられた椅子で15分ほど待ち、時間が経過すると、出口で証明書にスタンプが押されて完了です。
ワクチン接種をする側からしたら、一つ一つの大きな場所で、このようにスムーズにどんどんワクチン接種をしていく方が、効率はよいのだろうと思います。
オミクロン株の影響でフランス以上の急激な感染拡大を見せているイギリスのように(1日の感染者数8万人突破)、これから、ノエル、年末年始を迎えるフランスが年明けに第6波を迎えてしまうかどうかは、このワクチン接種の拡大にかかっています。
パリのワクチンセンター
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