2021年12月10日金曜日

美食の街リヨン 市議会が公式レセプションでのフォアグラ使用禁止

  


 フォアグラと聞いてフランス料理を連想する人は多いのではないかと思います。世界三大珍味の一つとも言われるフォアグラは、フランス人が大好きな高級食品の一つでもあります。

 特にこれからノエル・年末年始と、フォアグラのないスーパーマーケットはないだろうし、レストランなどでもフォアグラを使ったメニューが多く登場します。

 そのフォアグラをリヨンでは、市議会の決定により、リヨン市が開催するイベント、ビュッフェ、レセプションでのフォアグラの使用が禁止されるという奇妙な事態に発展し、波紋を呼んでいます。

 エコロジストの市議会は、公式レセプションだけでなく、レストランでのフォアグラの使用禁止も切望しているようです。ここまでいくと、あまりに非現実的な気もします。

 エコロジスト(エコロジスト色の強い)のリヨン市議会によると、この決定の主な理由は、「フォアグラは動物福祉に完全に反する農場の製品であるため」と説明しています。

 リヨンはフランス第二の商業都市としても有名ですが、「美食の街」としても知られるところ・・フランス料理を学びにきている人だけではないでしょうが、日本人の留学生が多いところでもあります。

 以前、娘が学生時代に知り合った友人にリヨン出身の子がいて、彼女が日本人とのハーフであることを知ると、リヨンには、日本人が多いんだよ・・と教えてくれたそうです。

 おそらく、日本でも有名な「ポール・ボキューズ」も、国家最優秀職人賞(MOF)・レジオン・ド・ヌール勲章を受賞し、ミシュランの三つ星を50年以上維持したリヨン出身の料理人で、彼のレストラン「ポール・ボキューズ」も、もちろんリヨンに誕生し、今では世界に知られるフランスを代表するフレンチレストランの一つです。

 よりにもよって、そんなリヨンでの「フォアグラ使用禁止」は、なかなか違和感を感じる決定です。しかも、一年のうちでも、恐らくフランス人が最もフォアグラを食すると思われるノエルの前に、この決定は大きな波紋を呼んでいます。

 エコロジストたちが「動物福祉に反する」強制給餌や繁殖に抗議するために行った公式レセプションでの使用禁止ですが、これには、「リヨン市長は、レストランのオーナーにまで、フォアグラの提供をできる限り制限するか、あるいは中止するように求めて、我々の食卓を規制しようとしている」と反対の声も大きく上がっています。

 前市長のジェラール・コロン氏は、この決定を受けて、「美食の都・リヨンの恥」と反発しています。フォアグラの使用を禁止することが、「リヨンの恥」とまで言い切るのも、これまた、なかなかです。

 反対の声をあげている者たちは、「リヨン市長は、周囲に耳を貸さず、対話が成立しない」とコミュニケーションの欠如を指摘しています。

 リヨンは今年の2月の段階で、市長が、コロナウィルスの感染対策のために、キャンティーンのサービスをスピードアップして、混雑状態を緩和するために、学校のキャンティーンのメニューから肉を排除し、単一メニューにしたことで波紋を呼びました。

 コロナの感染対策を利用して、キャンティーンから肉を排除したことに多くの反発が起こりました。キャンティーンは、時には、家では満足に食べられない子供たちの大切な栄養源でもあるからです。

 どうにも、偏りが強すぎる感が拭えないエコロジストの強いリヨンの発信には、歪な議会の様子が映し出されているようにも思えます。

 皮肉なことに、リヨンのお料理には、肉料理が多く、豚や牛、鶏肉類の肉はもちろん、内臓や皮、脂肪や血など肉のすべてを使うものも少なくありません。フォアグラの使用禁止に反対する人々は、「次はロゼット(ドライソーセージ・サラミ)でも禁止するか?!」と怒りをあらわにしています。

 私は、フランスにいながら、それほどフレンチレストランに行くわけではありませんが、周囲のフランス人のチョイスを見ていると、「フォアグラや肉が好きなんだなぁ・・」とつくづく思うほど、彼らは肉食です。

 この決定を下したのは、リヨンだけではなく、グルノーブルやヴィレルバンヌでも同じことを言っているそうです。

 

ノエル前にはお色直しをして山積みにされるフォアグラ


 しかし、ノエルの近づいてきたスーパーマーケットなどの様子を見ると、さっそく、例年どおり、「フォアグラ祭り」が始まっていて、綺麗にお色直しされたフォアグラがこれでもかというほど山積みにされています。

 こんな光景を見る限り、フォアグラがリヨン市の公式レセプションで使用されないことなどびくともしない感じがするのですが・・。


リヨン市議会エコロジスト フォアグラ使用禁止 


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