2021年12月11日土曜日

日本の水際対策のための強制隔離が大混乱の模様

   


 パンデミック以来、私は日本に帰国していませんが、この間、一時、感染状態が少し下火になっていた時期もあったのですが、日本はオリンピックもあったりして、どうにも躊躇われたし、何より隔離期間の2週間(強制隔離も含めて)は、実際に滞在する日程プラスの2週間が必要なわけで、まず何よりもそれが、日程的にもキツいことが、一番でした。

 もちろん、長距離フライトの間の感染も気掛かりでしたが、それに加えて、往復の際に必要な検査、書類、交通手段などを考えると、いつもは必要のない高額の予算が必要で、強制隔離期間(フランスからの場合は3日間)を終えて、羽田から自宅に移動する際にも公共交通機関は使えず、専用のハイヤーを頼むか、レンタカーを借りて自分で運転して帰るかしなければなりません。

 親戚や友人に迎えに来てもらおうにも、叔父や叔母も立派な高齢者で、友人や従姉妹たちとて、高齢の親を抱える者ばかりゆえ、万が一、私がどこかのタイミングで感染していて、感染させてしまったら、取り返しがつかないので、そんなお願いも絶対にできません。

 この期間に日本に留学するつもりでいた娘は、留学する予定だった大学が地方であったために、(その地方には、フランスからの直行便がない)強制隔離の3日間を終えたら、東京の実家で残りの隔離期間を過ごすつもりで、荷物だけ送って、羽田から世田谷の家まで歩くつもりでいました。(結局、留学はキャンセルになったので、そんなことは必要なくなりましたが・・)

 「自宅での隔離期間は、絶対に親戚の人にご飯食べにおいで!」などと言われても、絶対に行っちゃだめよ!」と言い聞かせていた私に、娘は、「全然、余裕で大丈夫!」と、出前やUberで頼めるメニューに目を通したりして、「あれも、これも食べたい!」とそれなりに楽しんで、隔離期間を過ごすつもりでいました。

 しかし、現在は、オミクロン株という新たな変異種の登場と、再び、ヨーロッパを中心にした感染拡大で、隔離状況は、さらに厳しくなり、イタリア、イギリス、オランダ、スウェーデン、ドイツ、ポルトガルなどの14カ国からの入国には、6日間の強制隔離、フランス、ベルギー、スイスなど39カ国からの入国には、3日間の強制隔離が必要となり、強制隔離施設が確保できずに、成田に着いたはずなのに、強制隔離施設が福岡、仙台、ついには、那覇などの地方になったり、関東近県でも、大学の学生寮になったりと、大変なことになっているようです。

 そもそも、14カ国から入国の6日間の強制隔離、プラス39カ国から入国の3日間の強制隔離施設といったら、大変な数の宿泊施設が必要になるのは、当然のことです。

 それも、日本到着後にも、自分がどこに連れていかれるのかも知らされず、ましてや、そこから再び長距離移動して地方に連れていかれるなどとは、思いもよらないことです。

 海外からの長いフライトのうえに、羽田や成田で検査やチェックにも3〜4時間はかかるそうで、ようやく入国したと思ったら、さらに延々と待たされた挙げ句に、また国内の長距離移動では、それだけでも具合が悪くなりそうです。

 帰国後2週間は、「公共交通機関を使うな」といいつつ、隔離施設への移動には、まさか隔離者専用のチャーター便というわけでもあるまいし、一体、何のために何をやっているのか?わけがわかりません。

 また、施設にもかなり、当たり外れがあるようで、話を聞いていると、ロシアンルーレットのようです。しかも、乗ってきた飛行機に感染者がいて、6日間の強制隔離がさらに延長された・・なんていう話まであります。

 そして、3日間の強制隔離と6日間の強制隔離をどのような基準で決めているのかはわかりませんが、(初期に発表されたオミクロン株の感染者数?)、これもわけがわかりません。

 イタリアがなぜ6日間の強制隔離が必要でフランスがなぜ3日間のみでいいのか?感染状況から見ると、自慢にはなりませんが、現在はフランスの方がずっと酷い状態です。

 強制隔離も振り分けられた施設にもよるでしょうが、3日間くらいならまだしも、6日間となると、精神的にも健康維持の面でも、かなりキツそうです。

 昨年の3月から約2ヶ月間、私はフランスでほぼ完全なロックダウン状況で、ほとんど外に出られない生活を送ってきましたが、それは、自宅での話で、それでさえ、息がつまり、毎日、YouTubeを見ながら、ヨガやストレッチ、ZUMBAをやったり、ベランダで野菜を育てたりと精神的にも病まないように過ごしてきました。

 それが、たとえ6日間であろうと、決まった時間に食事の配給はあるものの、小さなホテルの一室の空間から一歩も出れずに過ごすのは、具体的な話を聞いてみると、想像以上に心身ともに病んでいく様子がわかります。

 しかし、この強制隔離に関しては全て日本国の負担。文句を言えるものではありませんが、この現状のやり方に何も説明がないのは、納得しにくいところです。「そういう決まりですから・・」でおさめてしまうのが日本なのですが、せめて説明があれば、もう少し受け入れやすいような気がします。

 イギリスなどは、この強制隔離に対しても、自己負担にしているようですが、日本もこれを自己負担にすれば、逆に国籍の区別なく留学生なども受け入れられるようになるのでは?とも思います。

 しかし、現状のような日本への一時帰国者の話を聞いていると、「とても日本へは帰れない」と思ってしまいますが、実は、もしかして?そう思わせることが目的??、いやいや、そうではないでしょうが、しかし、帰国者の話を聞けば聞くほど、日本行きは当分、無理だ・・と確信するのでした。


日本入国の際の強制隔離


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