ここのところ、日本の友人や親戚と電話などで話す機会があり、感染対策に対する温度差にあらためてハッとさせられています。
私は、もうここ2年近く、日本への一時帰国はできていないので、実際に現在の日本の様子を見ているわけではないのですが、話している相手(日本にいる友人や親戚)から、漏れ伝わってくる感染対策への警戒がほとんど緩んでいないことに、そして、同時に日本と比較するのもおこがましいほどのフランスの緩み具合を照らし合わせると、あらためて、愕然とさせられるのです。
日本の友人から、「まだ、み〜んなマスクしてるよ!」とか、「まだまだ、前のようにみんなで気軽に集まって食事したり、おしゃべりしたりする雰囲気ではない・・」などと聞かされると、フランスでは、マスクをしていない人も一段と増え、(もともとマスクをきちんとできていない人も多い)(しかし、公共の場や屋内ではマスクが義務化された)、ヘルスパスでチェックされているとはいえ、思いっきり普通にみんなで会ったり食事したり、めちゃくちゃおしゃべりしているし・・とそのあまりの温度差の違いにちょっと愕然とするのでした。
これは、フランスでの感染が増加していくのも無理もないかとあらためて感じるのです。
ヘルスパスがあるだけで、フランスはもうコロナなどなかったかのような日常。
日本はいつの間にか、感染もかなりおさまり、1日の新規感染者が100人前後というパンデミック以来、フランスはそんな数字にまで抑えられたことがないであろう数字にまで到達しているというのに、未だ持って、フランスのように罰金付きの規則に縛られることもないのに、警戒を怠らない雰囲気は、やはり別世界。
もしも、フランスで1日の新規感染者が100人などということになれば、もうパンデミックは終わったかのごとく皆が有頂天になることでしょう。
フランスでの「ワクチン接種をしたから・・」「ヘルスパスを持っているから・・」と甚だしい気の緩みは、あらためて日本にいる人の話を聞くと、「そりゃそうだよな・・感染者が増えるわけだ・・」と思わずにはいられないのです。
フランスも一時は、ワクチン接種の拡大とヘルスパスの起用により、1日の新規感染者もそれでも5,000人程度まで抑えられていた時期もあったのですが、最近は、ヘルスパスのチェックも緩くなってきて、飲食店などでもバタついていたりすると、「結局ノーチェックだった・・」という話もちらほら耳にするようになりました。
ヘルスパスにより取り戻した日常に慣れすぎて、ワクチン接種をしているから・・ヘルスパスを持っているからもう何をしても大丈夫・・という感覚になってしまっていることは明白なのです。
私自身、マスクをしないで出かけることはありませんが、ヘルスパスである程度は、守られているからとちらほらと外食をしたりもし始めていました。
時間の経過とともにワクチンの有効性が薄れていくことを危惧して、ブースター接種を加速化しているフランス政府ですが、同時にこの気の緩みもなんとかしなくては、この冬を無事に乗り切れないかもしれません。
これからノエルや年末年始とヘルスパスのチェックのない「家での人の集まり」が増える時期にさしかかり、すでに、先日も隣人が大勢の人を招いての大パーティーを夜から朝にかけてやっている様子が聞こえてきました。
国民性の違いといってしまえばそれまでですが、規制されなければ、自粛できない、規制されてもその網の目をくぐってやりたい放題の人々にいい加減、うんざりしています。
いつまでたっても終わらないどころか、新しいオミクロン変異株なるものまで登場して、ますますパンデミックは長引きそうな雲行きです。
パンデミックの始まりは2020年の始めだったので、そろそろもう丸2年になり、この調子だと3年目に突入するのは不可避です。
「やっぱり、ちょっと、明日、日本に行ってくるわ・・」とか、気軽に日本に帰れる日は、一体、いつ戻ってくるのでしょうか?
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