パリ市内ど真ん中に拡張されて作られていたテラス席 |
今年の5月の段階で、コロナウィルスのために、半年以上も営業が停止されていたカフェやレストランの営業再開に際して、最初は、テラス席の営業のみが許可されていたために、本来あったテラス席以上に歩道や自動車道にまでテラス席を拡張することが許可されていました。
もはやパリ市内、どこの通りを通っても仮設のテラス席がない通りはないくらいにあっという間にどんどんテラス席は拡張し、多くの店舗が木製の踊り場のようなテラス席を作り、店内営業が許可されてからも、もともとテラス席が好きなフランス人には、盛況で、店内よりも、テラス席の方が賑わっているような状況で、怪我の功名とも言うべく、当初はコビット(COVID)テラスなどと呼ばれたテラス席により、これまで以上に集客できる絶好のステージになっていました。
しかし、これらの拡張テラスには、10月31日までという期限があり、11月からは拡張されたテラスは撤廃することが義務付けられ、これに違反すると500ユーロから15,000ユーロの罰金が課せられることになります。
お客さん側には好評であったテラス席の拡張ですが、必ずしも全ての人が諸手を挙げて賛成していたわけではなく、近隣住民からは、騒音問題や道路の封鎖、美しい石畳を覆い尽くしてしまい美観を損ねる・・などの苦情も上がっており、このサマータイムが終わり、冬が近づき、気温も一段と下がり始めるタイミングは、この拡張されたテラス席を撤廃する一区切りのタイミングでした。
加えて、今年の冬からは、フランスでは、環境問題対策の一環として、テラス席の暖房は禁止されているため、コロナ前から既存していたテラス席でさえも、これまで以上に寒いテラス席となり、集客の低下が予測されます。
しかし、近隣住民との摩擦やテラス席の暖房問題も考えると、一度、撤廃することは、必要であるのかもしれません。
それでも、夏の間のこのテラス席の拡張の想像以上の成功に、2022年4月からは、今度は、有料での拡張テラスが検討されており、すでにパリ市には、7,000件以上のリクエストが届いています。
拡張されて作られていたテラス席は、それぞれにセンスを競い合い、なかなかおしゃれにできていたので、それはそれで、パリの夏の風物詩のようで、季節ごとに趣向を凝らしてテラス席ができるのは、なかなか楽しみな気もします。
夏になるとセーヌ川沿いにできるパリプラージュのように、春になり気候がよくなる時期には登場する拡張テラスも新しいパリの景色になっていくかもしれません。
しかし、気になるのは、このタイミング、現在、フランスの感染状況は徐々に悪化し始めており、数ヶ月間、1日の新規感染者数は5,000人台に留まっていたと思っていたら、つい先日、6,000人を超えたと思ったら、あっという間に7,000人超え。
カフェやレストランのテラス席が感染回避の手助けになっていたとしたら、今のタイミングで、これまでテラス席にいた人々が一気に店内に集うことは、なかなか危険が伴うことになることなのかもしれません。
テラス席拡張終了 パリ テラス席
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