2019年12月21日土曜日

パリのカフェに見るフランス人の日常の楽しみ方




 ある時、会社で同僚と話している時に、「カフェで座ってコーヒーを飲む人の気が知れない!」と、息巻いて話している二人がいました。

 ???と、聞き耳を立てていると、彼女らは、同じコーヒーを飲むのに、高いお金を払って座って飲むことが、信じられない!と言っているのです。

 フランスでは、カフェでコーヒーを飲む時に、カウンターで立ち飲みするのと、席に座って飲むのとでは、若干、値段が違うのです。

 日本だと、いわゆる「お茶する」と言うのは、座ってゆっくりしたいとか、ゆっくりおしゃべりしたいとか、そんなニュアンスですが、フランス人は、カウンターでも、ゆっくりおしゃべりするのです。

 さすがにケチなフランス人、お茶するにも、同じコーヒーを飲むのに、座って高いお金を払うことはしません。

 考えてみれば、彼らは、立っていることに、あまり抵抗がないのかもしれません。

 かと思うと、彼らは、カフェのテラスで、埃と排気ガスと雑踏に紛れてお茶を飲んだり小さいテーブルで不自由そうに、食事をしたりするのも好きなのです。

 寒い冬でも、カフェの外に置かれた小さいテーブルには簡単な暖房が備え付けられていることが多いのです。

 街の景色を眺めているのか、街行く人を眺めているのか、それとも自分を見せているのか、わかりませんが、まずは、外のテーブルから埋まります。

 私なら、暑い夏には、エアコンの効いている、寒い冬には、温かい室内が断然、良いし、まあ、気候が良い時など、ちょっとビールやワインを一杯・・なんていう時には、外もいいなと思うのですが、さすがに食事になるとゆっくり、埃も排気ガスもないきれいなところで・・と思ってしまいます。

 ついでに言わせてもらうと、デザートを食べないフランス人というのも、あまりいません。食事をしても、たとえ、デザートを食べないことはあっても、最低、必ず、コーヒーだけでも飲みます。

 そういえば、お弁当を持ってくる時にも、必ず、デザートを持っています。

 ですから、外で食事をすると、食事が終わると、ウェイターがやってきて、「デザートは?」と聞かれます。「いらないです。」というと、「じゃあ、コーヒー?」「コーヒーもいらないです。」というと、ちょっと怪訝そうにされます。

 そして、食事中もデザートを食べながらも、延々と喋り続けます。

 こうして、考えてみると、たとえ、カフェで立ち飲みしようと、テラスで排気ガスを吸いながらお茶を飲もうと、彼らは、マイペースに、ゆったりと街の景色を楽しみ、会話を楽しんでいます。

 食事が終わると、そそくさと出て来ようとする私は、なんだか、まだまだ、人生を楽しみきれていない気がしてきました。

<パリのカフェ>



 












 

1 コメント:

Mackey さんのコメント...

RIKAママ様

コメント欄から失礼いたします。私、ニューズウィーク日本版Web編集部の柾木(まさき)と申します。

折り入ってお願いした意見があり、コメント欄に投稿した次第です。
お手数おかけしますが、h-masaki@cccmh.co.jpにご連絡いただけますでしょうか。

以上、よろしくお願い申し上げます。