2019年12月18日水曜日

国際結婚に必要なこと




 今になって、考えてみれば、私は、ずいぶんと無謀な結婚をしたと思います。
 国際結婚というのは、そんなに簡単なことではありません。

 後から起こる、様々な困難や、トラブルを、もっと、冷静に、予想、想定していたら、もともと、面倒なことが嫌いな私は、決して、こんな道は、選ばなかったと思います。

 育った環境も文化も違い、しかも、海外での生活で、子供まで育てていくわけですから、それはそれは、大変です。

 しかも、日本のように、行き届いた、便利な国は、なかなかないのですから、日本から海外に出る場合は、生活の不便さだけでも、相当なストレスです。

 最初は、親や親戚どころか、知り合いも、誰もいない、言葉もおぼつかないところに、一人、入っていくわけですから、大変な覚悟が必要です。

 しかし、あの時は、私は、大した覚悟もなく、あまり、深く考えていませんでした。愚かなことです。逆に、考えすぎていたら、とても、できるものでもありません。

 「なんとか、なるだろう。」と思っていた私は、ただただ、根拠のない、楽観的な予感で、突き進んでいたのです。

 主人は、フランス人で、海外を転々としており、年齢も結構、離れていましたし、その上、バツイチで、子供が三人もおり、しかも、決して、ハンサムでもかっこいいわけでもありませんでした。

 そんな主人のどこが、良かったのかといえば、ひたすら、話をすることができる相手だったことです。しかも、出会った当初は、お互いが母国語ではない、英語で話をしていたにも関わらずです。

 こんなに、次から次へと話ができる相手は、日本人でもなかなかいませんでした。それが、英語でさえも、こんなにスラスラと話せることに、ちょっとした感動を覚えたのです。

 あとは、ひたすら、優しかったことです。デートの途中で、喧嘩になって、私が怒って、帰ると言っても、ちゃんと家まで送ってくれる彼に、(喧嘩をしておいて、送ってもらう私もどうかとは、思いますが・・)この人、ちょっと、どうかしてるんじゃないの??と、ちゃっかり送ってもらいながら、思ったほどでした。

 そして、びっくりするほど、大胆なところがありながら、恥じらいがあるところ・・美味しいものが大好きなところでしょうか?

 とにかく、私が海外での彼との生活、特にフランスに来てからの生活で、色々なことがありながらも、なんとかやって来れたのは、彼とは、トコトン話をすることができる相手だったからです。

 そして、彼は、大使館の仕事(大使館の中はフランスですから)とはいえ、日本で4年間生活した経験があり、日本という国をよく、知っていてくれたことです。
 
 フランスで起こる、日本では、ありえないことに対する私のストレスを理解してくれていましたから、フランスでの生活がたとえ、大変であっても、理解してくれる人がいてくれるだけで、ずいぶんと救われてきました。

 日本人は、もうロクに口をきかない夫婦というのもあるようですが、国際結婚の場合、会話のない夫婦は、あり得ないのではないかと思うのです。

 私が、無謀な生活に大した不安も持たずに飛び込んだのは、きっと、私の中で、彼とは、どんな時でも、話ができるという確信から来ていたのかもしれません。

 ですから、私が、彼とは、いくらでも話をできる人だと思って、彼を選んだことは、あながち、間違いではなかったのだと思っています。

 

 












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