2019年12月20日金曜日

娘の人生を変えたストライキ






 現在、フランスは、12月5日から始まった、年金制度改革に反対する大規模なストライキが続いています。

 SNCF(フランス国鉄)、RATP(パリ市交通公団)をはじめとする電車、地下鉄、バス等の交通機関は、全線運行停止の線から、2〜3本に1本、酷いところだと5本に1本のみの運行まで、満員電車に慣れないフランス人の混乱ぶりは、凄まじく、地獄絵図を見るような光景が報道されています。

 また、ストライキは、交通機関だけではなく、警察、消防、病院、役所、学校までにわたり、オペラ座の公演なども中止になっています。

 これまでにもストライキは、何度となく、ありましたが、もう、現在で、2週間を越し、ノエルまでには、終わるだろうとタカをくくっていたのですが、そろそろ、世間は、ノエルのバカンスに入るというのに、ストライキは、終結の兆しが見えていません。

 一年のうちで、バカンスとノエルが最大のイベントであるフランス人にとって、ノエルの期間中のストライキというのは、あり得ないだろうと思っていたのですが、多くのフランス人が13mois (13ヶ月といって、一ヶ月分ボーナスのようなものが支給される)を受け取れるので、たとえ、ストライキで、給料が支給されないことがあっても、持ちこたえることができるわけです。

 これまでにも、長期にわたるストライキは、何度か経験してきたのですが、一度は、交通機関、もう一度は、学校のストライキで、それぞれ、一ヶ月ほど続き、辟易を通り越して、疲労困憊に加えて、大変な出費で、労働条件は、彼らよりも格段に悪いのは、こちらの方で、それでも、ストライキなどやろうものなら、その分の給料が入らないので、そんなこともできないのです。

 通勤の足と、子供の学校のストライキをダブルでやられた日には、こちらは、仕事を休むわけにもいかず、かといって、子供を置き去りにするわけにもいかず、預かってもらう人を探して、その分のシッター代を払わなければなりません。

 これは、やっていられないと、娘は、ストライキをやらない私立の学校に入れようと深く決意したのです。

 私たちの住むエリアには、私立の学校は、一校しかなかったのですが、運よく娘は、小学校から私立の学校に通うことになったのですが、幸か不幸か、その学校は、かなりの進学校で、かなりレベルの高い教育をしてくれる学校でした。

 ストライキがなくとも、小学校からは、私立に入れた方がいいよ!と、周囲の人たちからは、言われていたのですが、やはり、ストライキで一ヶ月も閉校という痛い目にあったからこそ、より、真剣に、なんとか、私立の学校に入れなければ・・と後押しをされたのでした。

 結果、小学校から高校まで、娘は、その学校に通い、その後も、より良い学校へ進学することができたのです。

 もし、彼女があの時、あの学校に入っていなければ、彼女の人生は、まるっきり違ったものになっていたと思います。

 まさに、災い転じて・・という感じですが、ストライキは、彼女の人生を大きく変えるきっかけになったのでした。


































 

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