2021年11月19日金曜日

ボジョレー・ヌーボーは、あまり注目されなくなった・・

   



 私が日本に住んでいた頃は、もう20年以上も前のことになりますが、ボジョレー・ヌーボー解禁の日は、メディアでも大きく取り上げられ、なかなかのお祭り騒ぎでした。

 フランスに来たばかりの頃は、それでも、フランスでもボジョレーは一応、フランスでも解禁日には、職場で買ってきてみんなで飲み比べをしたりもしたり、スーパーマーケットなどでも特別なコーナーが大きく設けられていたりしたので、今よりはもう少し、盛り上がりを見せていたような気がします。

 それが、年々、スーパーマーケットなどでも扱われ方が小さく、雑になり、また、あまり人が群がるようなこともなくなったのには、少々、寂しい気がしています。

 昨日、「そういえば、今日はボジョレー解禁日だった!」と思い出して、近所のスーパーマーケットを覗いてみると、寂しい限りのボジョレーコーナー、しかも周囲に興味のありそうな人もおらずにひっそりと5〜6種類のボジョレーが積み上げられていました。

 昨年もすでにずいぶんとボジョレーも衰退したな・・という感がありましたが、今年はますますその感が強くなった印象です。そうでなくとも、最近ではフランスの若者のワイン離れが伝えられ、ビールやウォッカ、モヒートなどのカクテルや、逆にウィスキーなどの人気が高まり、スーパーマーケットにあった大きなワインカーブが縮小され、代わりにビール売り場が拡大して、ビールも多くの種類がおかれるようになりました。

 それでも、フランス料理には欠かせないワインは、やはりフランスでは大きな位置を占めていることに、かわりがないのですが、もともとあまり長い期間の保存が効かない(最大6ヶ月保管可能)若いボジョレーは季節限定であるがゆえにその時だけ、一瞬、注目されるだけのもの、たまにボジョレーを手にとっている人も年齢層が比較的高めで「今年のボジョレーを味見してみよう」といった感じのまさに年中行事を変更することのない人々といった印象です。

 昨年から続くパンデミックはさらにこのボジョレー解禁のお祭り行事から、一層、人を遠ざけているのかもしれません。

 今年は、春先にワイン畑に霜が降りたりした気候もワインに大きな影響を与えたと言われていますが、このボジョレー地方も少なからずその影響を受けており、メーカー側は今年のボジョレーは、「アルコール分が少なめで、より軽く、よりフルーティーで飲みやすい」と、「物は言いようだ・・」と思われるような宣伝の仕方をしています。

 1980年代に、この特別に早くに解禁日を迎えることを利用して、盛り上げる商業戦略にのったボジョレー・ヌーボーは、本来のブラックガメイ種の葡萄の本来の風味を際立たせる、より自然で伝統的なプロセスから、アルコールの少ない控えめな飲み物から、赤い果実の香りを引き出すことを目的として、イチゴやラズベリーやスミレの味を際立たせるために人工酵母の使用、発酵前の浸軟(ワインの着色と風味付け)、補糖(砂糖を加えてアルコールレベルを上げるプロセス)する製造方法が体系的になりつつあり、本来の風味とは異なったものとなってしまっている可能性があります。

 それでもフランスワインの中での一定の割合でのマーケットになっているボジョレー・ヌーボーは、フランスだけでなく、海外でも110カ国以上で4000万本以上のボトルが販売されており、その生産の40%は海外に輸出されています。

  

ボジョレーヌーボーの輸出先

 中でも日本はその4分の1を占める世界で最も大きなボジョレー・ヌーボーのマーケットになっています。

 時差の関係で、この11月の第3木曜日をフランスよりも早く迎える日本は、その解禁のタイミングを上手く盛り上げて、このボジョレー・ヌーボーをより広く販売することに成功したのです。

 今年のボジョレーの葡萄の収穫は9月の中旬に始まり、2週間程度で終了、もともとボジョレー・ヌーボーは、製造過程に4日間しかかからないという製造プロセスであるために、価格も安く、フランスでは4.5ユーロ(約580円)から7ユーロ(約900円)程度で売られています。

 値段は安くても、ワインならば、一年中を通して、それほど高価なものでなくても、そこそこのクォリティーのものが楽しめるフランスで、わざわざボジョレーでなくとも良い・・そこまで感動しない・・というのが私の正直な印象です。

 それでも、おススメのボジョレーが掲載されていましたので、ご紹介しておきます。

 一般的に売られている物よりは少しお値段は高めではありますが、ワイン通でボジョレーを楽しもうとなさる方には、元来のボジョレーの味と風味を楽しめるものかもしれません。


○Frédéric Berne - Beaujolais Nouveau Gamay Noir 2021(フレデリック・ベルン-ボージョレヌーボーガメイノワール2021)・Prix conseillé : 11€

○Château de Lavernette - Le Jeune 2021・Prix départ au caveau : 9,50€

○Domaine Jean-Gilles Chasselay - Beaujolais Nouveau «Cuvée Classique» 2021・Prix départ cave : 9€

○Kévin Descombes - Cuvée Kéké 2021・Prix : 12€

○Domaine des Terres Dorées - L’Ancien 2021 ・Prix : 9€ la bouteille de 75 cl et 42€ le BIB de 3L


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