2021年11月14日日曜日

「電気料金滞納しても、電気は止められなくなる」措置は電気料金値上げのための布石か?

   


 フランスでは、エネルギー供給業者(電気やガス)が11月1日から3月31日までの間に、主たる住居に関連する請求書の未払いのためにサービスを中断することを法律で禁じています。

 11月1日から5ヶ月間は、料金がたとえ未払いであっても、電気やガスを止められることはありません。昨年は、ロックダウンのためにこの期間は3ヶ月間延長され、約30万世帯がこの影響を受けたと言われています。

 そして、先日、EDF(フランス電力)は、4月以降も、料金を支払わないユーザーに対して、の電力供給をストップしないことを発表しました。その代わり?に料金未払いの人への電力供給は必要最低限の1,000ワット相当に制限されます。

 これにより、すべての人々が最低限の基本的な生活を維持することが可能になります。

 これは、エネルギー価格の高騰を背景に講じられた措置とされています。

 我が家は、もう10年以上前のことになりますが、電気料金を支払い忘れていて、急に電気を止められたことがありました。夏の間のことだったので、家に帰ってすぐに電気をつけることもなく、すぐには気がつかなかったのですが、さて夕食の支度・・と始めた時に電気がつかないことに気がついたのです。

 我が家には、ガスはなく、すべて電気のため、電気を止められると何もできなくなります。

 その時は、停電?と思って、「仕方ない・・停電が復旧するまで、今日は、外に食事に行こう」と呑気に外食に出て、帰ってきても、まだ電気がつかないことで、はたと、電気料金を払い忘れていたことに気づいたのでした。

 そもそも、今どき電気料金を自動引き落としにしていないのには、嫌な思い出があってのことで、以前は自動引き落としにしていた電気料金で、二桁間違えて引き落とされ、それを返金してもらうのに、一言の謝罪もないどころか、「返金の手続きをやってあげます・・でも、時間はかかるわよ・・」といった感じで高飛車に出られて、ダブルで嫌な思いをしたせいで、EDF(フランス電力)の自動引き落としをやめたのでした。

 未だにEDFだけは、請求書を確認して、自分の手でネットで振込をしています。

 EDFの請求書がくるのは2ヶ月に一度なので、もともと常日頃から忘れた頃にやってくるので、忘れた頃にすぐに払っておかないとそのまま忘れたままになってしまうのです。

 ですから、我が家のようにうっかりしている場合は、余計に気が付くのが遅くなるかもしれません。

 しかし、今回の措置は我が家のように、うっかり支払いを忘れているというような場合のための措置ではなく、エネルギー価格の高騰に関連して、最も不安定な家庭の電力への最小限のアクセスする権利を尊重した国家エネルギー供給者としての措置(EDFは84%が国所有の会社)です。

 「電気がなければ、光も暖房もインターネットも電話もありません。フランスのような国では、世帯がこのような不安定さと頻員の状況に陥ることは容認できない」としています。

 フランス政府は最近、ヨーロッパ全体に影響を与えるエネルギー価格の上昇による措置で不安定な世帯のための追加の100ユーロ分配。ガス価格の上昇の凍結、および電力の関税の制限を発表しています。

 規制された電気料金は来年初めに約4%引き上げられる予定ですが、今後、さらなる介入がなければ約12%も跳ね上がる可能性があります。

 ですから、この措置は決して安心できるものではなく、うがった見方をすれば、電気料金値上げのための外堀を固めている措置とも考えることができます。

 電気料金は彼らの言うように基本的な生活に必要な費用であり、それを急に12%以上も跳ね上げることは、財源が不安定な家庭にとっては大変な打撃です。とても一時的に100ユーロ支給されたところで、埋められるものでもなく、ましてや支払いが滞っても電気を止められないとはいえ、料金の滞納は蓄積されていくのみです。

 これまでの冬の期間のみの電気料金滞納可能(冬は家にいる時間も長くなり、暖房費等もかかるために料金が跳ね上がる傾向にあります)ではなく、年間通して、未払いでも最低の電力は供給するという建前のもと値上がりが容認されかねないとも考えられます。

 現にEDF側は、「他の手段を使用して債務を返済するという点で、ほぼ同じくらい良い結果が得られる」としています。他の手段には料金の値上げも換算されているのではないか?と疑いをもってしまうのです。

 とはいえ、居住者の権利というものが、強く認められているフランスでのさらに強力な居住者の権利の一部になるとも考えられます。そもそも、冬の間に滞納が認められているのは、電気料金だけではなく、家賃滞納の場合も、この期間の立ち退きは要求できません。(住居の不法占拠者は除く)

 これがまかり通れば、電気料金は払わずに生活し続ける強者が現れ始めます。

 こうなってくると、どっちもどっちという感じになってきますが、結局は、税金と同じで、払い続けるものと貰い続けるものに分かれる、そんなフランス社会構造の縮図のような気さえしてしまうのです。


電気料金滞納でも電気は止められない EDF


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