空前の日本食ブーム・BENTOブームでパリでは日本食のお店は珍しくなくなりましたが、それでも、ふつうのお弁当とはまた別の、「駅弁」という独特な日本の文化がとうとうパリにやってきて、まさに日本で売っているものと同じ駅弁がパリのリヨン駅で駅弁として売っていると聞いて、さっそく野次馬根性丸出しで買いに行ってきました。
ほんとうは、これを持って電車に乗りたいところでしたが、またコロナ感染が再び広がり始めている中、特別な用事もないのに、駅弁を食べるために長距離電車に乗るのも躊躇われ、家に持ち帰って、ゆっくり味わいました。
日本に住んでいた頃も、私はあまり駅弁には縁がなく、そもそもあまり、電車に乗って旅行するということがなく、駅弁といえば、たまにデパートでやっている駅弁フェアのようなもので見かけるだけで、正直、あまり駅弁というものは食べたことがありませんでした。
それでも、日本の駅弁がパリにやってきたと聞けば、なんだか懐かしいような気分になって、すっ飛んでいくのもおかしな話ですが、やはり、本場の日本と同じ駅弁と聞けば、嬉しくなってしまうのが、在外邦人の心理です。
パリのリヨン駅といえば、パリに6つある主要ターミナル駅の一つで、主に南東方面への列車が発着する大きな駅で、私にとっては、日頃はメトロの駅しか利用しない駅で、長距離列車が発着するプラットフォームに上がって行ったのも久しぶりのことでした。
日本の駅弁のブースは、電車が発着するホームの中央の大きな電光掲示板の正面、いわゆる駅構内の中心の一等地にあり、シックな黒を基調としたお店には、「EKIBEN Tori Méshi Bento」と横文字の看板に、「鶏めし」という漢字は文字というよりデザインの一部のようで、駅弁屋さんながら、なぜか駅構内にしっくりと馴染んでいます。
前日は、早々に売り切れてしまったという話を聞いていたので、早めに行ったつもりでしたが、すでに、一番上等の秋田弁当は売り切れ、しかし、一番人気と言われている「鶏めし」を買うことができました。
他のどのお店も行列など出来ていないのに、ここだけはあっという間に行列が出来ていました。今、フランス人は美味しい日本食のためなら、お金も惜しまず、行列も作るのです。
店頭のガラスケースの中には、フランスでは珍しい食品サンプルが並べられているところに、まず日本を感じ、店員さんの丁寧な応対にも日本を感じます。
お店の脇には、温めることができるように電子レンジが設置されていることも日本らしい心配りです。また、「電子レンジで温めるなら、2分がベストです!」と丁寧に教えてくださいました。
お値段は看板メニューの「鶏めし弁当」が14.5ユーロ(約1,900円)、「秋田弁当」17ユーロ(約2,200円)、肉弁当16.5ユーロ(約2,150円)、ベジ寿司弁当(枝豆等の入った稲荷寿司と野菜の太巻き)12.5ユーロ(約1,650円)、プチ鶏めしカップ7ユーロ(約900円)、おにぎり弁当(秋田米のおにぎり2個)5ユーロ(約650円)です。
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