2021年11月7日日曜日

パリ・リヨン駅で買える日本の駅弁 秋田の「鶏めし弁当」

   


 空前の日本食ブーム・BENTOブームでパリでは日本食のお店は珍しくなくなりましたが、それでも、ふつうのお弁当とはまた別の、「駅弁」という独特な日本の文化がとうとうパリにやってきて、まさに日本で売っているものと同じ駅弁がパリのリヨン駅で駅弁として売っていると聞いて、さっそく野次馬根性丸出しで買いに行ってきました。

 ほんとうは、これを持って電車に乗りたいところでしたが、またコロナ感染が再び広がり始めている中、特別な用事もないのに、駅弁を食べるために長距離電車に乗るのも躊躇われ、家に持ち帰って、ゆっくり味わいました。

 日本に住んでいた頃も、私はあまり駅弁には縁がなく、そもそもあまり、電車に乗って旅行するということがなく、駅弁といえば、たまにデパートでやっている駅弁フェアのようなもので見かけるだけで、正直、あまり駅弁というものは食べたことがありませんでした。

 それでも、日本の駅弁がパリにやってきたと聞けば、なんだか懐かしいような気分になって、すっ飛んでいくのもおかしな話ですが、やはり、本場の日本と同じ駅弁と聞けば、嬉しくなってしまうのが、在外邦人の心理です。

 パリのリヨン駅といえば、パリに6つある主要ターミナル駅の一つで、主に南東方面への列車が発着する大きな駅で、私にとっては、日頃はメトロの駅しか利用しない駅で、長距離列車が発着するプラットフォームに上がって行ったのも久しぶりのことでした。

  



 日本の駅弁のブースは、電車が発着するホームの中央の大きな電光掲示板の正面、いわゆる駅構内の中心の一等地にあり、シックな黒を基調としたお店には、「EKIBEN Tori Méshi Bento」と横文字の看板に、「鶏めし」という漢字は文字というよりデザインの一部のようで、駅弁屋さんながら、なぜか駅構内にしっくりと馴染んでいます。

 前日は、早々に売り切れてしまったという話を聞いていたので、早めに行ったつもりでしたが、すでに、一番上等の秋田弁当は売り切れ、しかし、一番人気と言われている「鶏めし」を買うことができました。

 他のどのお店も行列など出来ていないのに、ここだけはあっという間に行列が出来ていました。今、フランス人は美味しい日本食のためなら、お金も惜しまず、行列も作るのです。

  


 店頭のガラスケースの中には、フランスでは珍しい食品サンプルが並べられているところに、まず日本を感じ、店員さんの丁寧な応対にも日本を感じます。

  


 お店の脇には、温めることができるように電子レンジが設置されていることも日本らしい心配りです。また、「電子レンジで温めるなら、2分がベストです!」と丁寧に教えてくださいました。

 お値段は看板メニューの「鶏めし弁当」が14.5ユーロ(約1,900円)、「秋田弁当」17ユーロ(約2,200円)、肉弁当16.5ユーロ(約2,150円)、ベジ寿司弁当(枝豆等の入った稲荷寿司と野菜の太巻き)12.5ユーロ(約1,650円)、プチ鶏めしカップ7ユーロ(約900円)、おにぎり弁当(秋田米のおにぎり2個)5ユーロ(約650円)です。




 お値段に関しては、日本円に換算するとかなり高めに感じられると思いますが、そもそもパリでの外食の値段をいちいち日本円に換算すると何も食べられなくなるくらいのレベルなので、パリの日本食の相場としては、妥当なところです。

 お店の方に伺ってみたところ、このお弁当のお米は秋田米が使われていて、日本で作られているレシピと同じ製法で、IVRY(パリ近郊)の工場で作られているということでした。

 日本で同じお弁当を食べたことがないので、日本と同じかどうかはわかりませんでしたが、鶏の出汁で炊き込まれたもっちりとしたうっすらと甘いご飯と、上に乗せられた甘辛い味の鶏肉、添えられている肉厚な椎茸、枝豆の入ったさつま揚げ、きんぴらごぼう、漬物、ひじきの和えものなどの副菜にもいちいち感動してしまいました。

 


 添えられたお箸にはお箸が包装されている紙に、何やら日本語で「間伐採の箸を使ってCO2を減らそう!」という呼びかけがびっちり書かれていて、そのお箸の包み一つをとってもいかにも日本が感じられて、そんなことにまで感動。

 とにかく、何十年ぶり?かの日本の駅弁はとっても美味しかったです。

 この小さな箱の中に地域の名産品を盛り込み、彩りも美しく、栄養のバランスも良く、時間が経っても美味しいように出来ている日本の駅弁をあらためて、素晴らしい日本の文化だと思った次第です。


  

 お米が美味しいならば、簡単に安上がりに済ませたければ、おにぎり弁当もありかな?などと買ってきたばかりの鶏めし弁当を食べながら、もう次のことを考えてしまう・・そんな感じでした。

 応対してくださった女性とは、マスクをしていたこともあって、「アジア人だろうな・・」とは思ったのですが、日本人かどうかはわからなかったので、ずっとフランス語で話していました(流暢なフランス語を話す方でした)。

 しかし、大方、色々とお話を伺って、写真を撮らせていただいてもよろしいですか?と聞いて、最後に写真を撮ったりしていたら、後からやってきた日本人のお客さんと、これまた流暢な日本語を話し始めたので、「えっ??日本人だったの??」と日本人同士でフランス語で話し続けていたことに、何だか妙なバツの悪さを感じたりもしたのでした。

 この秋田産の「鶏めし弁当」の駅弁屋さんは、リヨン駅で半年間限定で営業されています。

 この駅弁のお店の日本のサイトを覗いてみたら、「パリのリヨン駅で売っているものと同じお弁当が買えます!」と掲載されていたのを見て、「えっ??日本のものがパリで買えるんじゃなかったの?」「逆輸入?」と苦笑してしまいました。

 それにしても、駅弁がパリに登場するとは・・嬉しいパリでの日本文化の広がりです。

 そのうち、日本の駅といえば、必ずある「立ち食いそば屋さん」・・は無理としても、今、パリで大人気のラーメン屋さんが出店しないだろうか??などと、ますます期待に胸が膨らむのでした。


鶏めし 駅弁パリ


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