2021年11月20日土曜日

海外在住邦人の日本での国民年金の支払いと受給について

   


 海外に長く住んでいると、別に仲違いしたわけではなくとも、自然と連絡しそびれたりしているうちに、友人と音信不通になることはよくあることで、そんな音信が途絶えていた学生時代の友人から、ひょっこりと連絡をもらって、ほぼ10年ぶりくらいに話をしました。

 その間、お互いの私生活にはそれぞれ色々なことがあって、意図的ではなかったにせよ、彼女と連絡をとらなくなったのには、その間、彼女にも私にも色々なことが起こっていたことがわかったのですが、それでも、その間の隙間を飛び越えて、昔の二人の感覚があという間に蘇ったのが嬉しくて、時差があることも忘れて話し込んでしまいました。

 私も海外に出て長くなりますが、もともと最初に海外に出ていたのは彼女の方で、私が海外に出ることになったことは、彼女の影響がないとは言えません。その後、彼女は日本に戻って生活していますが、相変わらず、彼女のユニークさは変わることはありませんでした。

 そんな彼女が紆余曲折を経て、現在は日本で年金事務所に勤務しているので、さらにビックリ! しかもその事務所が移転のために私の実家のすぐ近くに引っ越すとかで、またまた奇妙な縁というか繋がりに驚いたりもしたのでした。

 日本の年金については、気にかかってはいたものの、どうせ、年金の受給などは大した金額にはならないであろうし、まだまだ先のこと、色々と調べたところで、どんどん条件は変わるし、今から考えても仕方がないし・・と放りっぱなしにしていたので、これはよい機会だと、年金について彼女に少し教えてもらったのです。

 私は日本でも結構な期間、日本の企業で働いていたこともあったので、その会社を辞めた時点で厚生年金から国民年金に切り替えて、本格的に海外生活を始めるにあたって、当時、今までの分が掛け捨てになってしまうのはもったいないから、続けて払っておいた方がよいと母が強く言うので、「まあ、それもそうだな・・」と深く考えもせずに日本での住民票を抜いたにもかかわらず、国民年金は自動引き落としにして、払い続けてきました。

 当時は国民年金の支払いは義務化されてはいなかったと思いますが今では20歳以上の日本に住んでいる国民にとって、国民年金(あるいは厚生年金)の支払いは国民の義務だとかで、支払わない人には、催告状・督促状・呼び出し状などの取り立てが行われ、しまいには強制徴収として、国税局預かりになるのだとか・・。

 支払いができない場合は、免除申請(4分の1〜4分の4、全額免除)を申請することもできるそうです。

 私のような海外在住者に対しては、住民票を抜いている限り、国民年金の支払い義務はないのですが、受給するためには最低でも10年以上の加入期間が必要なので、中途半端に日本で国民(厚生)年金を支払っていた経緯のある場合はそれを無駄にしたくないならば、海外任意加入の手続きをして、少なくとも10年に達するまでは支払う必要があるようです。

 それでも、私が国民年金を自動引き落としにして海外に出た頃は、年間10万円前後(1年間分一括払いだと若干割引になる)だったので、なんとなくそんなつもりで放ったらかしていたら、気がついたら、それがいつの間にか20万円近くになっていてギョッとしましたが、これまで長々としはらってきたことを考えると今さら引くに引けない感じで、まあ父が年金で生活しているのだし(現在は亡くなっていますが)、父のためにその一部を払っていると思うことにしようと思って払い続けてきました。

 国民年金は現在1ヶ月16,610円、1年分一括払いだと少しお得に、2年一括払いだとさらにお得になるそうです。国民年金の支払いは60歳の誕生日の1ヶ月前に終了。しかし、受給できるのは65歳以降、ただし、厚生年金に加入していた期間がある人に関しては、その比例報酬部分は前倒しに63歳から受給が可能な場合もあります。(生まれた年によって少しずつズレるそうです)

 しかし、日本の会社からの海外駐在員なら別ですが、普通、一般的には海外で生活していて、たとえ働いていても収入があるのは海外で、日本での収入がないのが普通ですから、収入がない中、日本での年金を支払い続けるのはなかなか厳しいことでもあります。

 ただし、日本と社会保障協定を結んでいる国(ドイツ、イギリス、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルグ、フィリピン、スロバキア、中国など)との間には、年金の計算を相互どちらか選んで加算してもらうことができるそうなので、それはそれで別の手続きが必要になるそうです。

 国民年金に限って言えば、20歳から60歳までの満了期間を支払って1年間の支給額は78万円。月々6万5千円が受給できます。現在の国民年金の支払い金額で換算すると480ヶ月として7,972,800円支払うことになります。合計すると相当な金額です。

 私が今まで支払ってきた金額を計算したことはありませんが、これは、国民年金を継続しておいた方がよかったのか? 10年で受給資格を満たしていたならば、もっと早くに辞めて、その分は貯金しておいた方がよかったのかな?などとちらっと思うこともありますが、これまであまり真剣に考えてこなかったので、私の場合、時すでに遅しです。

 海外在住者の場合は移住先の国との関わり等もあるようなので、一時帰国した際は一度、確認してみるとよいかもしれません。厚生年金、国民年金ともに個人個人は「基礎年金番号」というもので管理されているそうです。現在のところ、マイナンバーでの確認には必要書類がさらに倍増するとかで、この「基礎年金番号」をまず確認することが必要なようです。

 ひょんなことから、急に年金のことが気になり始めた私ですが、いくら先のこととはいえ、知っていれば、それなりに対処することもできたのでは・・と今になって思います。

 フランス人が、しばしば年金問題でデモやストライキをおこしたりするのを「まったく仕方ない人たちだな・・」などと横目に見てきましたが、実際のところ、私はこれまで自分の年金問題については、ほぼ考えることもなく、ただ漠然と過ごしてきてしまいましたが、友人からの話で急に「いやいや・・私も放置しておいてはいけない!」と遅ればせながら、思い始めた次第です。

 次回、日本に帰国した際には、一度、年金事務所に行って、色々と詳しい手続きを聞いてこようと思っています。

 また日本はこの年金の問題もどう考えてももらう人と払う人のバランスが悪すぎで、半ば諦めている人も少なくないのかもしれませんが、少々、話が飛躍しますが、やはり、海外からでも選挙には投票に行かなければ・・などとも思うのです。そういえば、在外選挙人登録をしたのに、まだ、通知が来ていません。

 

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