2021年11月27日土曜日

南アフリカで新たな変異株(オミクロン)検出の波紋 すでにヨーロッパでも検出

   


 南アフリカで新型コロナウィルスの新たな変異株が検出されたという衝撃的なニュースがヨーロッパにも届いています。そして、届いたのはニュースだけではなく、すでにベルギーでこの新しい変異種が検出され、ウィルス自体も届いていることが確認されています。

 この新たな変異株には、これまでで最も激しい変異が見られ、ある科学者は「これまでに見た中で最悪の変異株(B.1.1.529)には信じられないほどの激しい変異が見られ、これまでに流行した他の変異株とは非常に異なり、予想以上の大きな進化を遂げている」と述べています。

 この変異株にはさっそく、「オミクロン」という名前がつけられたようです。

 しかし、必ずしも悪い状況かどうかはまだ確認できていませんが、従来株を想定して開発されているワクチンが新たな変異株に有効かどうかの懸念を消すことはできません。

 現在の段階では、この新しい変異種が強い伝染性を持っており、急速に広がる可能性があると言われています。

 このベルギーで検出された新しい変異種の感染者は海外から入国したワクチン未接種者(エジプト→トルコからベルギーへ入国した30代の女性)であったことが発表されたため、フランスでは、急遽、南アフリカの7カ国からの到着便を直ちに停止することを発表しました。

 また、イスラエルでも、このオミクロン変異株の最初の症例が検出されたことを発表。マラウイから帰国した旅行者で、他にも海外から帰国した2人が現在監禁中になっていると述べ、これらの3人はワクチン接種済みであるという事も恐ろしい事実です。

 この即急な措置は「最低48時間」適用され、レソト、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニからの旅行者にも該当します。また、フランス政府は、これらの国に過去14日間の間に旅行した人は、できるだけ早い時点でPCR検査を実施することを呼びかけています。

 WHOは、緊急委員会の一時的な勧告に従って、旅行対策を実施する際に、各国が科学的かつリスクベースのアプローチを引き続き適用することを推奨し、旅行者の制限に対しては積極的な対応を求めることを控えてはいますが、懸念事項として分類はしています。

 万が一、この判断が遅れ、ただでさえ、すでに感染が急拡大しているヨーロッパが致命的な更なる打撃を受けることを考えれば、後になってから、「なんだ・・そんなに大騒ぎするほどのことでもなかったじゃない・・」と思える方が賢明である気がしてなりません。

 この南アフリカからのフライトを禁止したのは、フランスだけではなく、イギリス、オランダ、ドイツなど、また、アジアの数カ国もこれと同様の措置を取り始めています。

 ワクチンを開発したファイザー・ビオンテック社は、このオミクロン変異株の出現に際し、この変異株がワクチン保護を逃れるものかどうかを判断するための研究の最初の結果を「遅くとも2週間以内」に期待していると発表しています。

 また、モデルナ社もほぼ同時にこのオミクロン変異株に対処するための戦略を発表しています。


 現在、ヨーロッパで再び猛威を振るっている状況に2回のワクチン接種、ならびにブースター接種を急拡大する方針に乗り出したフランスですが、もしもこの新しい変異種にワクチンの有効性が認められない場合は、また振り出しに戻ることになってしまいます。

 また、現在、ユナイテッドラグビー選手権(URC)のために南アフリカ滞在中のウェールズ、イタリア、アイルランドなどの選手団は、この新しい変異種の発表から、パニック状態になり、南アフリカをできるだけ早くに離れることを要求しています。

 この他、ゴルフ、クリケットなどの選手らもフライトが閉鎖される前に本国へ帰国するため、途中で試合を撤退しています。

 南アフリカでは、アフリカ大陸でウイルスの影響を最も受けている国の一つであり、これまでに290万人の症例、89,600人の死者が出ています。

 ヨーロッパ全体が大きな第5波に飲み込まれようとしている真っ最中に、さらに強力かもしれない新しい変異種の出現には、まったくもって、「また???」とうんざりするばかりです。


南アフリカ変異株 オミクロン


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