21日、フランスから日本への入国の際の強制隔離期間が3日間から6日間に延長されました。これまで、フランスよりも感染者の少ないイタリアなどの国が6日間の隔離とされていたので、「なぜ?フランスは3日間でいいの?」と思っていたくらいなので、当然だとは思うものの、やはりショックでもあります。
もちろん、当分、日本には行くつもりはありませんが、あらためて隔離期間を延長されれば、ショッキングではあります。「あ〜あ・・」などと言っている私に娘は、あっさりと、「隔離云々以前に、来ないでくださいってことでしょ!」とバッサリ。
そう、この6日間の強制隔離、しかも、どんな施設が割り当てられるかもわからず、ヘタをすると、テレビなし、ネットなしの狭い個室の監禁状態。これでは、ただでさえ、ややこしい日本への帰国は、さらにハードルが上がります。
そんなお知らせが入ったと思ったら、フランスでの1日の新規感染者数は73,000人を記録したという、これまた衝撃的なニュース。毎週月曜日は、前日が休日のために感染者数が減少するのですが、その分が上乗せされた?としても、深刻な数字です。
政府報道官のガブリエル・アタルは、この数字は1週間で15%増加しているものであり、現在、一番、警戒されているオミクロン株の割合が20%を超えたことを発表しました。
10万人あたりの発症率は、全国平均で545人、しかしこれは、地域による格差も激しく、パリでは、発生率は1,000人に近く、20〜29歳の年齢層では1,748人となっています。
首都圏での感染、特に20〜40歳の若年層における非常に強い感染の増加が見られることも特徴のひとつです。
オミクロン株により、周囲のヨーロッパ諸国も感染が拡大進み、クリスマス・年末年始を前に続々と生活の行動制限を行い始めました。
オランダのロックダウンをはじめとして、ドイツは、年末年始に人を招く際には、ワクチン接種者は10人以内、ワクチン未接種者は2人以内と人数制限し、28日からのスポーツ大会は非公開にすると発表。ポルトガルも来週からバーやディスコは閉店し、2週間のリモートワークが義務付けられます。
これに対して、フランスは、クラブやディスコはすでに営業停止になっているものの、現在のところ、ノエルや年末年始の細かい具体的な人数制限などの規制は設けていません。
むしろ、ノエルや年末年始の集まりを飛び越えて、ヘルスパスからワクチンパスへの移行を予定より前倒しにすることを急いでいるようです。
常にウィルス感染に関しては先頭を切っているイギリスも、一時、1日の感染者数が9万人を突破していますが、イギリスの場合は、感染者数は多いものの、集中治療室の患者数は1,000人以下、死者数もフランスよりも抑えられています。
そこへ行くと、フランスは、感染者の増加とともに、順調に集中治療室(3,000人突破)の患者数、死者数も増加しており、医療従事者の疲弊と危機感は増すばかりです。
第1波の時の医療崩壊は、本当に悲惨な状態で、集中治療室の患者数が7,000以上にまで達しましたが、医療従事者が言うには、「それでもあの時は、ロックダウンしていたために、ほぼほぼコロナウィルスの患者に集中できていたけれど、現在は、交通事故もあれば、他の病気の患者さんもたくさんいて、しかも、この2年間に疲れ果てたり、ワクチン義務化に反対する医療従事者が退職したりで、人手不足のために閉鎖されている病棟も増えてしまった」のだとか・・。
つまり、あの当時よりも病床のキャパも人手も減っているということなのです。
ヘルスパスをワクチンパスに移行するのも良いけれど、とりあえず目前に控えたノエルでの人の集まりを具体的な人数などを示して制限しなければ、大変なことになりかねないと、私は心配でなりません。
特に、昨年は、ワクチン接種をしていなかったにもかかわらず、想像以上にノエルのタイミングでは感染拡大を避けられたので、「ノエルはさほど心配ではなく、むしろ年末のカウントダウンの方に注意するべき」などと言っていますが、昨年とは、様々な点で状況は違います。
あの頃は、レストランなどの飲食店も全て営業停止で、蔓延していたウィルスの種類も現在とは違うのです。
特にオミクロン株が若年層で急拡大しているのならば、むしろ、子供からおじいさん、おばあさんまでの家族で集まるノエルは非常に危険なのではないかと思うのです。
また、「ノエルの集まりの前には検査をして、少なくともオートテスト(簡易検査)をして臨みましょう」と言っているにもかかわらず、イル・ド・フランス(パリ近郊地域)の薬局のオートテストはほぼ完売状態で今や簡単には手に入らない状況です。
この2日に2倍以上に感染者が増加するというオミクロン株、ワクチンパスを急ぐだけでなく、年末年始の感染対策を強化しなければ、大変なことになりかねません。
もうだんだん、感染者数の増加にも感覚が麻痺してきていますが、1日の新規感染者数が7万人というのは、現在の感染者数が7万人というわけではなく、毎日、プラス7万人増加しているということで、累積している感染者数は、考えるだけでも恐ろしい現状です。
WHOは「2022年までにパンデミックを終わらせるために全力を尽くすことを約束します」と言っているようですが、本当に不安の中で過ごすノエルはこれで最後にしてもらいたいものです。
フランス新規感染者新記録更新
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