2022年3月19日土曜日

ウクライナへの援助・寄付は、どこにすべきか?

  



 最近、スーパーマーケットに行っても、ウクライナに支援をしませんか? という張り紙がしてあったり、実際に買い物の支払いの際にカードで支払おうとすると、ウクライナに寄付しませんか? という画面が出てきて、ちょっと戸惑うこともあります。時には、募金箱のようなものが置かれていたり、私が口座を持っているフランスの銀行からも、「ウクライナ支援のための寄付をしませんか?」などというメールが送られてきたりもしています。

 ついには、先日、フランス版メルカリサイトVinted(ヴィンテッド)まで寄付しませんか?というメッセージを送ってきました。

 カードを使ったり、実際に口座を管理している銀行からのメールで、寄付はこちらから→(多分、そこをクリックすれば、)スムーズに寄付できるようになっていると思うのですが、素直にそれを信用すれば、簡単に寄付できるようになっていることは、悪くはないとも思うのですが、私などが寄付するにしても、そんなに大金ではないとはいえ、なんとなく、このお金がどんな風にどこに行き、どのように使われるのか? これは本当にウクライナの人にちゃんと届くんだろうか?懐疑的に感じてしまう部分もあります。

 調べてみれば、ウクライナへの寄付を募っている団体や組織は山ほどありますが、気をつけないと、これに乗じた詐欺などもあり、こんな時にとても残念なことではありますが、せっかく寄付をするならば、納得いくところを選ばなければ、おかしなところにお金が行ってしまう可能性もあるし、現実にうまくお金が運用されるかどうかもわかりません。

 この戦争とは関係はありませんが、以前、私がコートジボアールに住んでいた頃に、首都アビジャンからそう遠くない所に、日本政府がお金を出して設立した病院があるというので、見に行ったことがありましたが、行ってみると、そこには、「Japon × Cote d'Ivoire(コートジボアール)CO-OPERATION」と書かれた大きな看板が立っており、(内心、これって、CO-OPERATIONなのか?とも思いましたが・・)病院の外郭はできあがっているものの、工事は途中で頓挫し、廃墟のようになっていて、びっくりしたところ、聞いてみると、実際に病院を稼働するための人材がいないとのことで、一体、日本政府は、何のために少なくないお金をこの国に投入したのか?これも日本国民の税金だ・・と、うんざりしたことがありました。

 日本の国家予算からしたら、大した金額ではないのかもしれませんが、それにしても、国民の税金が、このような中途半端な使い方で無駄にされていることを私はたまたま目にしたのであって、ほとんどの国民は知らずにいるのです。

 こんな様子を目にしたこともあって、全てを信用しないわけではありませんが、名の知れた大きな団体ならば、寄付したお金が正当に使われるだろうとは限らないと、なんとなく私は思ってしまうのです。

 例えば、人道支援NGOケア・インターナショナルは、ウクライナの住民や難民への緊急支援を行うため、オンライン緊急募金フォームを提供しています。フランスのNGO「ACTED」は、ウクライナに人道的輸送隊を組織し、難民に食糧援助や生活必需品を配布していますが、以下のような説明もしています。

 ウクライナの人たちを支援するために、物資の収集に参加したいという声が多く寄せられていますが、各協会によると、ほとんどの場合、金銭的な寄付が最も効果的であるとしています。現地の協会が必要なものをその場で購入し、支援することができ、そのお金で現地調達が可能になり、地域経済が活性化するとしています。

 そして、それは、事実でもあるとも思います。

 現物支給には、誰もがすぐに具体的な形で連帯感を表すことができるなどの利点がありますがフランスでは、例えば、赤十字の支部が毎日食料や衣類を集めていますが、赤十字の緊急・救援活動責任者は「国際的には、さまざまな理由から現物支給は行っていない」と説明しています。

 寄付にもそれを管理するための体制が必要で、今回の戦争で国連があまり機能していないように、国際的な支援団体も必ずしもうまく機能しているかどうかにも少々、疑問を抱いてしまう部分もあります。

 もちろん、多くの団体が有効に寄付を何らかの援助のために使っているものとは思いますが、団体が大きければ大きいほど、それが現地に届くのに時間がかかるかもしれません。

 そんな時、たまたま上がってきたユーチューブで日本語も堪能なウクライナ人がウクライナについて語り、彼自身が寄付を募って、直接現地の人に物資を提供しているという動画を見ました。下に貼った動画は、少し長いものですが、他に収支報告の動画なども掲載しています。

 


「キエフ在住ボグダンさんのYouTube」

 

 日本でも生活していたことがあるという彼は、現在、戦渦の中、ウクライナで生活しながら、日本から寄付を募って、現地の人々を直接、援助する活動をしながら、現地の様子を発信し続けています。

 大きな支援団体と違って、大々的な内容ではありませんが、少なくとも確実に現地の人に寄付が伝わっている様子が伝わります。

 寄付に関しては、それぞれの自由で、様々な考え方があると思いますが、現地在住の人目線で、直に寄付が反映されている様子が伝わる彼のような人に寄付を託すのも悪くないかなとも思いました。


ウクライナ寄付金


<関連記事>

「137万人のウクライナからの退避難民の受け入れと海外生活の不安」

「ヨウ素剤の服用法が話題にあがり始めている物騒な世の中」

「在ウクライナ フランス大使館250万人分のヨウ素剤の用意とウクライナからの国民退避についての国の対応」

「フランス版メルカリ ヴィンテッド Vintedの急成長」

「ロシア人でもあり、ウクライナ人でもあった元同僚の話」

「世界中の共通の敵への制裁という団結とフランスの大統領選挙」



0 コメント: