今回の一時帰国で、私が飛行機に乗ったのは、2年ぶりでした。旅行が大好きで、以前、日本に住んでいた頃から海外旅行が大好きで、空港に足を踏み入れただけで、飛行機を間近に見ただけで、税関を通過しただけで、ワクワクと心が踊るような気持ちになりました。
今でも空港はある種、気分を高揚させてくれるものに違いはありませんが、あの頃の感覚とは違います。
フランスに来てからは、時には、ヨーロッパ内を旅行することはありますが、やはり、最優先なのは、日本への一時帰国で、シャルル・ド・ゴール空港は、私にとっては、日本への扉のような感覚が強いです。
まあ、極端に言えば、シャルル・ド・ゴール空港で飛行機に乗って、降りたら、もうそこは日本というあっという間に世界を飛び越えることができるもっと、容易で気軽?なものだったのです。
今回は、それがコロナ禍、戦時下ということもあり、イレギュラーが重なり、ロンドン経由の長旅になり、2つの航空会社を利用することになったわけです。
まず、パリ⇄ロンドン間の移動となったら、私にとっては、わざわざ空港に行かなければならない飛行機よりも、断然、ユーロスターを選ぶので、実際、パリ発ロンドン行きの飛行機に、今、こんなに乗客がいることも驚きでした。(日本だけでなく、他の地域への経由便として利用するだけでなく、ロンドンが目的地という人も・・)
また、その後に乗った日本行きの飛行機内の航空会社と乗客の感染対策観念の違い、温度差にも、ちょっとビックリしました。
パリからロンドン行きのブリティッシュエアーはほぼ満席、さすがに皆、マスクは着用しているものの、乗客は、かなりお喋りで、マスク以外は以前とあまり変わらない様子の機内模様。
機内に搭乗してから、30分以上待たされるハメになったことも、通常運転の証。考えてみたら、機内に乗客を満席に詰め込んだ状態で待機させること自体、ちょっとどうかと思う上に、また、静かに黙って待っていられる人々ではありません。
特に私たちが座っていた後の座席のフランス人の男性2名とその2人に挟まれている日本人の女性は、出発前から、もうお喋りが止まらない・・その中の一人の男性がどうやら、あとの二人を巻き込んでいる様子で、飛行機が怖くてたまらないから、しゃべらずにはいられないと言いながら、話しているのです。
最初は、両端の男性が話している間に挟まれている女性が気の毒な感じで、「なんなら座席を端のどちらかの男性と座席を変わってあげたら?」などと前で聞いていて思っていました。
しかし、その2人の男性はそのうち、間に座っている日本人の女性を巻き込み始め、その女性がフランス語が話せないにもかかわらず、今度は、英語とフランス語を交えながら、話し始めるすごい勢い。
控えめに相槌をうっている日本人女性は、時折、流暢な英語で話に加わっていましたが、見ず知らずの人をさえ巻き込んででも話し続けるフランス人の男性の妙に耳障りな声と英語とフランス語が混ざりながら話し続ける様子に、ちょっとうんざりもしていたのでした。
そして、数時間のロンドンでの待ち時間を経て、今度は、日本行きのJALの機内は、超長距離フライトということもあり、思ったよりも乗っていた外国人でさえも、この時期に日本に行くということは、日本に住んでいるか、もしくは、ビジネスで日本へ行くかなり日本をよく知る人々。
機内のスクリーンには、「食事以外の時間はマスク着用、できるだけ人と話をしないでください」という表示がされています。さきほど、パリ→ロンドン便に乗っていたおしゃべりに溢れていた機内と比べて、シンとして、座席も半分ほどしか埋まっていないガランとした静けさです。これが、噂に聞いていた、日本の「黙食」の一部なのか・・と妙に納得したりもしました。
機内は、長距離フライトの中、本当に、ほとんど口をきく人もいませんでした。また、食事の時間にあらわれたCAは、まるで病院?と思わせるようなガウンを制服の上から身に纏っていて、これには、さすがにちょっとギョッとさせられました。
フランスは、感染者が再びリバウンドの増加傾向とはいえ、次々と感染対策への制限が解除されているので、日常モードになっていることからも、この機内の緩い?雰囲気もわからないではありません。
一方、日本に着いてみると、ふと気がつけば、街中でも話には聞いていたものの、マスク率は120%?という感じにあらためてビックリしている自分にもビックリ。
感染がピークに達していた頃でもなお、顎マスクや鼻出しマスクの人が少なくなかったフランスは、今では屋外でのマスクも義務化ではなくなり、まるで別世界。
日本人の衛生観念や規律正しさが優れているのはわかっていましたが、逆に久しぶりの、しかもコロナ禍の日本の様子を肌で感じている毎日です。
機内の感染対策 衛生観念
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