2021年2月1日月曜日

コロナ禍で、日本では可能でもフランスでは不可能なこと フランス人に黙食はあり得ない

  


 3月からのパンデミックで、フランスで、一番、営業停止期間が長く、割りを食っている業種の一つは、レストラン業界です。3月から5月にかけてのロックダウン期間はもちろんのこと、ロックダウンが解除されても、レストランの営業は、すぐには許可されませんでした。

 夏の間の数ヶ月は、営業できたものの、秋からはまた営業停止、昨年以来、営業できたのは、ほんの数ヶ月のみ、今後の営業再開の見込みも全く立っていない状態です。

 本当にどうやって、乗り切っているのか、姿を消してしまう店舗もチラホラ目立ち始め、残念で、心が痛みます。

 食事の際には、マスクを外さなければならないことから、一番、感染の危険性が高いとされ、食事の際にどれだけ飛沫が飛んでいるのかという検証をしているNHKの映像が、一時、フランスのテレビでも頻繁に流されていました。

 先日、フランスのテレビ番組のインタビューに答えて、パリのレストランのオーナーが長きに渡って営業できない現状を訴え、「自分たちも衛生管理に気を配り、営業することは充分に可能だ!」「日本なんて、ずっとレストランも営業を続けている!」と言っているのを聞いて、「日本を引き合いに出すとは・・と、ちょっとな〜〜」と思ったのです。

 それは、フランス人にとっての外食というものが、日本とは、全く違うものであるからです。フランス人にとって、外食するということは、食事そのものよりも、人と会うことであり、人と喋ることであるからです。

 日本では、「黙食」を呼びかけるレストランが登場して、この呼びかけが広がりつつあるというニュースを見ましたが、フランスで、「黙食」は、あり得ません。レストランで黙って食事をしているフランス人などは、滅多に見かけることはありませんし、むしろ、「本当によく喋る人たちだな〜」と思うことの方が多いです。

 食事中の彼らの会話の様子は、まさに最も危険とされる「口角泡を飛ばして」喋る印象があります。日頃から、身振り手振りのジェスチャーを加えながら、大袈裟に喋るフランス人は、仲の良い友人同士の食事中などは、特に勢いよく喋っています。

 科学的な根拠はわかりませんが、なんだか、日本語の発音というのは、フランス語に比べて、飛沫が飛びにくい言語であるような気もしています。

 フランスでは、感染対策とはいえ、もしもレストランが営業しても、「黙食」を呼びかけるレストランもないでしょうし、それをお客さんが受け入れるとも思えません。たとえ、お店側がどんなに衛生管理に気を配っても、座席の間隔をあけるとか、アルコールジェルを設置するとか、その程度のことで、お客さんに「喋るな!」とは、言えないだろうし、言わないと思います。

 これがフランスの日常生活の文化であり、習慣であると言えばそれまでなのですが、フランスでは、「黙食」が受け入れられる文化ではないのです。

 「日本ではレストランもずっと営業している!」と訴えていたパリのレストランのオーナーは、日本のレストランの「黙食」の話を聞いたら、どんな反応をするのか? 逆に聞いてみたい気がします。

 しかしながら、あれほどフランス人が忌み嫌っていたマスクをする習慣ができただけでも、フランスでは、一年前までには、考えられなかった日常の変化です。それでも、最近ようやくマスクをするようになったフランス人には、くしゃみをする時にマスクをずらしたり、大声で叫びたい時にはマスクを外したり、意味不明の行動が目につきます。

 無意識にやっていることなのでしょうが、日常の生活習慣、ことに細かな衛生に関わる習慣というものは一朝一夕には、培えるものではなく、つくづくフランス人の日常の生活習慣というものは、悉く、何から何まで、ウィルス感染に最適なものなんだなぁ〜と、思うのです。


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「コロナウィルス対応 日本人の真面目さ、辛抱強さ、モラルの高さ、衛生観念はやっぱり凄いなと思う」

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