ニース・アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)とダンケルク(オー・ド・フランス地域圏)では、今週末から週末のみのロックダウンが始まりました。
平日の18時以降の夜間外出禁止に、週末のロックダウンが追加されて、完全なロックダウンにはならないまでも、この地域の人々は、かなり窮屈な生活を強いられることになりました。
中には、「平日をロックダウンして、週末は、ロックダウンをやめろ!」なんて言っている人もいて、いかにもフランスな感じだと苦笑してしまいました。
しかし、週末ロックダウンと正式に決まったこの地域は、さすがに人出もなく、しんとした感じでしたが、ロックダウンにはなっていないパリなどの週末は、晴天だったこともあって、うんざりするほどの人出でした。
しかも、もうすでに昨年に多くの人出で問題になった同じ場所で、同じような人出には、この人たちは、全く学習能力がないのか?と思わせられます。
まるで、この映像は、昨年のものを使っているのではないか?と錯覚するほどです。
長いことフランスでは、レストランもカフェも閉鎖されているため、人が集まって、気持ちよく過ごす場所といえば・・セーヌ川沿い(セーヌ川は、パリを横断して流れているため、パリ中どこでも、セーヌ川沿いはすぐそこ・・)、サンマルタン運河、グランパレ近くの広場、あちこちに散らばっている公園などなど、晴天も手伝って、もの凄い人・人・人・・・。
しかも、この期に及んで、マスクをしていない人が急増しています。
「マスクがどこでも義務化されて・・」などと、今頃、言っている人もいて、これまでも義務化されてただろうーが!!と突っ込みたくなります。
先週は、もはやロックダウンか???と戦々恐々としていたはずの人々とは、とても思えません。しかし、この人出は、想像できなかったことでもなく、むしろ、多分、たくさんの人が外出するんだろうな・・とも思っていました。
フランスは、ニースやダンケルク以外にも感染状態が深刻な場所は、たくさんあり、3月8日までの猶予付きで、とりあえずは、20の地域(イル・ド・フランス・パリももちろん含まれている)で取り締まりを強化すると発表されたばかり・・感染状態が悪化すれば、さらなる制限が加わり、ロックダウンになる可能性も高いのです。
晴天の週末ともなれば、この人出も、この場所も、充分に想像の範囲内、取り締まりを強化するという発表は何だったのか? 理解に苦しみます。
ワクチン問題にしても同じですが、どうにも政府の希望的観測と国民の意識には、大きな乖離があると思わずにはいられません。
「喉元過ぎれば・・」と言いますが、喉元を過ぎたのは、ロックダウンの発表(しかも延期されただけ)だけで、現状の感染状況は、過ぎ去っていないどころか、現在も沸騰状態なのです。
禁止されなければ良い・・のでは、禁止するしかない=ロックダウンするしかないのではないか?と思います。フランスは、これまでに86,332人が死亡しており(2月27日現在)、散々の惨状を経てきているのです。
いくらなんでも、学習能力がなさすぎる!子供かよ!と腹立たしい気持ちです。
まるで得体のしれないウィルスであった昨年の状態ならば、想像力の欠如とも言えたでしょうが、これだけの負の実績を記録してきた現在では、控えめに言って記憶力の欠如か学習能力の欠如。
むしろ、「若者は大丈夫という間違った神話」やこれまで感染しなかった人や感染しても無症状だった人がウィルスを舐めくさっている分だけ、さらに始末が悪いかもしれません。
経済、教育、心理的な負担を考えて、できる限りロックダウンしないと「ロックダウン回避」の方法を試行錯誤している政府の親心は、国民には全然、通じていないのです。
むしろ、国民は、「来週から週末ロックダウンになるんだったら、今週末は出かけておこう」と、制限(ロックダウン)されることが前提の外出。
ロックダウンを必死で回避しようとする政府とは、全く噛み合っていないのです。
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