2021年2月7日日曜日

フランスの銀行と日本の銀行

  


 

 私がフランスに来て以来、フランスの銀行口座は、フランスに到着してすぐに作った口座が一つのみで、ずっと20年以上、過ごしてきました。

 私など、大してお金を持っているわけでもなく、いくつもの銀行にばらばらと口座を持っていても、私が死んだ時にできるだけ、面倒をかけないように、シンプルにしておこうと思っていたのです。

 私がこれまで使っていた銀行は、いわゆるフランス大手の銀行ではなく、主人の仕事の関係で、外務省関係の人が多く使うという、ちょっと特殊な銀行で、パリにも店舗が一店舗しかなく、用があれば、そこまでわざわざ出向かなければならないので、ちょっと不便だな・・とは思っていたのですが、これまで長いこと、フランスにありがちなトラブルらしいトラブルもほとんどなく、これがフランス人かと思うくらい、対応も早く、いつも感じがよく、なんとなく、そのままにしていたのです。

 わざわざ銀行に行くのは、面倒だとはいっても、振り込みや支払いもオンラインやカードで済むようになったし、フランスでは、最近、随分と下火にはなったとはいえ、振り込みの代わりに小切手で支払うことも多かったので(特に払った払わないといういざこざ対応のために、小切手の番号で、これで払ったという証明にすることが簡単なので、これまで私は、結構、小切手も使っていました)、実際に銀行に出向くというのは、クレジットカードの期限が切れて新しいカードを受け取りに行く時か、小切手が切れた際に受け取りに行くくらいしか、銀行に行くことは、ありませんでした。

 それが一昨年あたりから、口座管理料(日本の銀行には、ないようですが、フランスでは、口座を持っているだけでお金がかかります)の値段がグングン上がり出したことが、気になり始め、わずかではありますが、一年分の利息が入った時点で、口座管理料がもっと安く、近所にも支店がある銀行に切り替えようと思っていたのです。

 ところが、昨年から半年以上続いていた私のビザ(滞在許可証)書き換えがすんなり進まなかったことから、(ビザがないと公的な手続きは何もできない)銀行口座のことも伸ばし伸ばしになっていました。

 今年に入って、銀行から送られてきた口座管理料は、年間で200ユーロ以上(約25,000円)、(クレジットカードの手数料等は別)大した金額を管理してもらっているわけでもないのに、こんなに取られるのか!と憤慨し、そこまでお金のかからない新しい銀行の口座開設を申し込んだところです。

 そういえば、フランスの銀行には、通帳というものもありません。

 クレジットカードにしても、フランスのカードは、日本のようにポイントを貯めるとか、買い物をした分でマイレージが貯まるとか、そんなお得なシステムもないのは、日本のシステムが恨めしい限りです。

 日本の銀行も金利は、定期預金でも、普通預金でもほぼ変わらないほどの本当にほぼないに等しいくらいの金利ですが、(フランスの銀行の普通預金には、もともと金利というものは、ありません)フランスも金利がここ数年でグングン下り、比較的金利が良いと言われていたLivret A(リブレA)でさえも0.5%にまで下がっています。

 口座開設にあたっては、ネットで手続きを済ませたのですが、銀行から電話があり、予約をとって、足りない書類を持って来てくださいと言われて、久しぶりに銀行に行って、改めて日本の銀行とは違うなぁと思ったのは、人が極端に少ないことや完全予約制であることです。

 予約制は結構なのですが、手続きが一度で完了しないところは、さすがのフランス、最低でもあと一度は行かなければならないようです。

 私は、日本の口座もそのままにしているので、日本に帰国する度になんだかんだと銀行に出向く用事もあるのですが、ここ数年は、帰国する度にこの支店はここに統合されました・・と店舗が減っていきますが、銀行には、お客さんももちろんのこと案内をする人などの数の多いこと・・。

 日本はサービスが至れり尽くせりなので、それなりに人出もいるのかもしれないので、一概に、同じように語ることはできませんが、フランスの銀行と日本の銀行を客観的に見たら、まるで別の機関を運営しているように感じます。

 私は、金融機関については、詳しくないので、どういうわけでこの違いが起こるのかはわかりませんが、考えてみれば、とても不思議なことです。

 たまたま、私の使っている銀行(日本の)だけのことなのかもしれませんが、まず、銀行に入るといる案内係って必要なのか?と思うのです。そして、聞きたいことがあっても、案内係が役に立ったためしがないのです。

 驚いたのは、前回、帰国した際に必要に迫られて、口座を開く羽目になった銀行から、口座開設後に書留親展で封書が届き、何事だろうか?と中を確認すると、担当の行員からの手書きの挨拶状でした。

 口座を新規に開設してくれた人には、手書きの挨拶状を送るというのが、その銀行のマニュアルなのかもしれませんが、いかにも昔の日本の年配の世代の人が言いそうなしきたり?が、今の日本でも、続いているのかということにちょっと唖然としたのでした。

 それとも、私がフランスの生活に慣れてしまって、ドライになってしまったのでしょうか?

 あまり用をなさない案内係や手書きの挨拶状を書留で送るような余分な人を雇うくらいなら、もう少し利息がなんとかならないものか?と思ってしまいます。

 これまで、色々と口座引き落としや自動振り込みにしているものを変更するのも面倒なこともあって、放ったらかしにしていたフランスの銀行の乗り換えも、手続きは、銀行側が全てやってくれるということで(ちゃんとやってくれるか、できるかは、また別問題)、口座管理料やカードの手数料など、結構、差があるので、たまには、見直しするべきかもしれません。

 現在、外出制限で、バカンスにも行けない中、この際、こういう作業を少しずつやって行くのに、良いタイミングなのかもしれません。


<関連>

「私がフランスで、未だに小切手を使う理由」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_15.html

「滞在許可証更新手続きのトラブル アクセス不能なフランスのお役所」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/blog-post_22.html

 


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