2021年2月22日月曜日

マクロン大統領のユーチューバーとのチャレンジ企画 Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)

  

<彼らがマクロン大統領に依頼されて作った動画><Je me souviens> (clip gèstes barrieres)


 フランス政府は、「あくまでも、ロックダウンは最後の手段」「ロックダウンを回避するために、できる限りのあらゆる努力・試みを行う」という姿勢を貫き続けています。

 それは、コマーシャルセンター内の生活必需品以外の店舗の営業停止であったり、夜間外出禁止や、日常生活においての行動制限に対する取締りの強化であったり、ワクチン接種のスピードアップであったりしてきました。

 これ以上、何ができるのか?と思っていたら、マクロン大統領は、フランスの若者の間で、最も有名なユーチューバー Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)(登録者数630万人)に若者に向けてのソーシャルディスタンスの重要性を訴えかける動画の作成するように、協力を依頼しています。

 当初、エリゼ宮のディレクターから連絡を受け取ったマクフライとカーリトは、よもや、イタズラかデマではないかと疑心暗鬼になり、ディレクターがここが私のオフィスであると、エリゼ宮内の景色を彼らに彼らとの会話中に写して見せている舞台裏の様子もユーチューブにあげられています。

 そして、さらには、その後、彼らは、マクロン大統領自らが、彼らに語りかけている動画を受け取ったのです。


「Mcfly et Carlito(マクフライとカーリト)・マクロンチャレンジの舞台裏暴露の動画」




 マクロン大統領は、この動画の中で、彼らが、医療介護者をサポートするために送った寄付金に感謝を述べ、彼らに対して、新しいチャレンジを提案しています。

 それは、多くの人が、ソーシャルディスタンスを尊重するように促すように訴えかける動画を作成し、その動画の再生回数が1,000万回に達した場合、彼らをエリゼ宮に招待することを約束するものです。

 彼らは、フランスのユーモリスト、ビデオグラファーとして活動していましたが、2016年からユーチューブに参入し、フランスで最も影響力の大きいユーチューバーの一人(二人)として活躍しています。

 彼らは、パンデミック以来、医療介護者をサポートする「Maradon」(マラドン)を立ち上げ、昨年4月に介護者サポートのために行ったユーチューブライブで集めた40万ユーロは、フランス国内の病院に寄付しています。

 彼らは、このマクロン大統領からのチャレンジを受け入れ、21日に公開されるビデオとストリームの収益化を通じて集められたお金を、健康状態に弱っている学生のために協会に送ることを発表しています。

 彼らの人気動画の中には、2500万回以上再生されているものもあり、マクロン大統領が提案している1,000万回再生は、彼らにとって、決して不可能な数字ではありません。

 彼らがこれから作成する動画がどのようなものになるのか、また、どれほどの効果があるのかはわかりませんが、彼らがエリゼ宮でマクロン大統領と共にいる動画もとても楽しみです。

 そして23日、動画アップから3日間で1,000万回再生、達成しました。おめでとう!


 マクロン大統領は、彼らだけではなく、ニュースをグローバルに扱っているユーチューバー HugoDécrypte の取材などにも応じて、動画に出演するなど、若者のメディアにも積極的に参加しています。

 先日のシアンスポ(行政系の特別高等教育機関・エリート養成校)の19歳の学生がマクロン大統領宛てに送った「私たちは、生きながら、死んでいるようだ・・学生を大学や学校から締め出すコロナウィルス対応に抗議する内容の手紙」に対してもマクロン大統領から返事を送っています。

 一学生が送った手紙に大統領が回答するなど、ちょっと想像さえしづらいことです。

 一概に比較できることではありませんが、ユーチューブに自ら呼びかけ、参加して、国民に訴えかけるようなことから、やはり大統領自身が若く、フランス政府全体も若くて、柔軟であることを感じずにはいられません。

 まさか、日本の首相がユーチューバーに呼びかけたりすることなど、ちょっと想像すらできないことです。実際に、前首相が「STAY HOME」を呼びかけようとしてあげた動画は、大バッシングを受ける見当違いのものになっています。

 結果的には、日本よりは、断然、感染状態は、深刻なフランスですが、若い人を巻き込んで国を動かしていこうとしているそんな姿勢は、やはり、好感が持てるのです。

 彼らがマクロン大統領に答えて作った動画。現在、フランス急上昇ランク1位です。

 

<関連>

「フランスの高等教育機関の授業体制への抗議に対するマクロン大統領の手紙」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2021/01/blog-post_16.html

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