2021年2月18日木曜日

フランス人は想像以上に日本を知らない


Poulet karaage, riz et légumes cuisinés
フランスの冷凍食品PICARD(ピカール)で売っているどう見てもフライな鳥の唐揚げ


 まさか、さすがにフランス人で「日本」という国を知らない人はいません。しかしながら、日本はアジアにある国の一つの島国で、ある程度、豊かな国であり、なんとなくのそれなりのイメージがあるだけで、実のところは、フランス人は一部の人(アニメ・漫画・YouTubeなどで日本の魅力に取り憑かれている人など)を除いて、日本のことは、よく知らないのが実際のところで、思った以上に日本のことは、知られていないんだな・・と思うことがよくあります。

 最近は、コロナウィルスのおかげで、「みんながマスクをする習慣がある国・・」という印象が強いようです。

 この間、銀行に行った時に、担当をしてくれた女の子に、「バカンスには、行かないの?」と聞いたら、「行きたくても、どこへも行けないし・・」と言うので、「私も日本でさえ、自分の国なのに、もうずっと行けていない・・」と言ったら、「日本は、コロナウィルスはどうなの?」と聞くので、「フランスよりは、全然、感染者も少ないよ・・」と答えたら、「そうよね・・日本は、コロナウィルスの前から、みんながマスクをしてる国だもんね・・」と言われてびっくりしました。

 マスクの有効性が語られる時、フランスのメディアは、日本を始めとして、マスクをする習慣のある国々は、感染拡大が抑えられていると日本を例に挙げて話したりするので、それが拡大解釈されている模様です。

 私自身が初めてヨーロッパに来たときは、やはり実際に生活してみて驚いた発見もたくさんありましたが、きっとフランス人が初めて日本に行った時の衝撃の方が大きいと思うのです。

 今は、知ろうと思えば、ネットでいくらでも情報は収集できますが、日本人がフランスに来る以上に、実際の日本の風景や日本人の生活は、フランス人の想像を超える異文化、異次元の世界なのだろうと思います。

 今は特に、あの清潔な環境が日本では日常であることを、私は、全てのフランス人に知ってもらいたい気持ちでいっぱいです。

 私自身、たまに帰国する度に、空港から家に向かう車から見えるぎっしりと建っているビルや人混みに目がまわりそうな気分になることもあります。

 パリはフランスの中では大都会ではありますが、所詮、東京などに比べれば、山手線のなかに入ってしまうほどの小さい街、すっかり田舎者になったものだと実感させられます。

 身近なところでは、最近、一段と増えたフランスでの日本食は、誤解に満ちたものも多く、時として、「えっ???」と思わされるものもなかなかあります。

 TEMPURA(天ぷら)と書かれたものが、実は、エビフライであったり、TEPPANYAKI(鉄板焼き)と言うものが、焼きそばだったり、冷凍食品のコーナーで、日本食を見つけたりすると、そのあまりにすぐわかる間違い探しが面白かったりします。

 しかし、日本人としては、間違った日本の文化がそのままフランスに伝わっていくのかと思うと微妙な気分でもあります。

 とはいえ、ここ数年(といってもここ一年は除く)は、日本へ観光に行くフランス人は、驚くほど増え、日本へ行くたびに日本行きの飛行機はほぼフランス人で埋まっていて、身近な人でも、友達で日本へ行った人がいて、ものすごく日本人は親切で、どこに行っても綺麗で、ぜひ、自分も日本に行ってみたい!という人が大勢いて、私が日本人だということもあって、日本を褒めてくれることもあるのでしょうが、よく知らないとはいえ、概ね日本のイメージはすこぶる良いことに気を良くしているのであります。

 以前に会社にいた若くてかわいい中国人の女の子が、フランス人に声をかけられると、「日本人じゃないの?とガッカリされるけど、どうしてだろう?」と素直に聞かれたことがあって、ちょっと答えに困ったけれど、内心、中国よりも日本の方が印象がいいのだな・・と思ったりもしました。

 反面、日本人もやたらとフランスを美化して誤解している点もままあるので、結局はお互い様かもしれません。

 いずれにせよ、早くコロナウィルスが収束して、またたくさんのフランス人が日本へ行けるようになって、本当の日本に触れて、もっとフランス人が日本を知ってくれる日が来ることを祈っています。


<関連>

「日本はフランス人になぜ愛されるのか? フランス人は日本をどう見ているのか?」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/06/blog-post_96.html






0 コメント: