2021年2月24日水曜日

グループ抗争による2件の乱闘事件で、中学生2名死亡 14歳は危険な年齢か?

  


 犯罪の低年齢化は、どこの国でも叫ばれていますが、ここのところ、フランスでは、「14歳」という年齢を頻繁に耳にします。

 一昨日、エソンヌ県(イル・ド・フランス地域圏)では、24時間以内に2カ所で、グループ抗争による乱闘が凶暴化し、サンシェロンに住む14歳の少女、ブシー・サンタントワンヌに住む13歳の少年が命を落とすという痛ましい事件が相次いで起こっています。

 どちらも人口5,000人、10,000人の小さな街というより村のような一見のどかな場所での出来事、しかも犠牲者が13歳、14歳のティーンエイジャーであったことに衝撃が走っています。

 最初に起こった14歳の少女の刺殺事件は、12人の若者の間で起こった激しい口論に端を発しています。黒い服を着て、フードを被ったこの集団の対立の間にいた少女は、ナイフで腹を刺され、病院に運ばれましたが、その日の夜に死亡しました。

 また、13歳の少年の事件は、約60人が巻き込まれた乱闘の末、1名死亡、他3名も重症を負っています。死亡した少年の刺し傷は、2カ所の刺し傷から喉に達しており、救急車が到着した段階ではすでに彼は心肺停止状態にあり、蘇生することはできませんでした。

 この事件に関与した少年6人はすでに逮捕されています。

 つい先日もパリ15区で14歳の少年が集団暴行により瀕死の重症を負った事件がありましたが、どうにもこの年齢、危険なお年頃なのかもしれません。

 この事件は、学校のバカンス中のことでもあり、しかも18時以降、夜間外出禁止の制限下にある状況で起こっており、未成年のティーンエイジャー、しかも中学生ということで、親の監督責任を疑問視する声も上がっています。

 フランスの学校では、学校の外で起こったことに関しては、学校は一切、感知しないという立場をとっており、以前、勤務先の近くで、学校帰りに路上で暴れて騒いでいた中学生が会社の建物の窓を壊したので、会社から、学校に苦情を申し立てたら、「学校を一歩出た生徒がやることに関しては、一切、学校は関係ありません」と突っぱねられ、謝罪の一言もなく、びっくりしたことがありました。

 そういえば、あれも中学生でした。

 娘が中学生の頃を思い起こすと、お友達のお誕生日会など、特別なことがない限り、夜に外出することなど全くなかったし、夜の外出の際は、誰かしらが、必ず送り迎えをするのが当然の環境だったので、まるで危険を感じたこともありませんでしたが、今から考えると、この年齢は、少しずつ親の干渉を逃れたい時期でもあり、難しい時期なのかもしれません。

 しかし、思い起こすに、娘が中学生の頃、夏のバカンス中のコロニー(合宿のようなもの)で、同室の女の子同士の些細な口論から、一人の女の子がナイフを取り出したという騒ぎになったことがあったことを思い出しました。

 そのコロニー(合宿)はフランス全国からいろんな地域の子供たちが集まってきているもので、普段は決して出会うことのないような、違う環境で育った子供が混ざり、いつも生活している比較的、安定した家庭の子供としか付き合いのなかった娘が、思わぬ事件に遭遇した事件でした。

 勤務先にコロニーの責任者から「おたくのお嬢さんが刺されそうになりましたが、大事には至らなかったので、ご安心ください」と電話があった時には、死ぬほどびっくりして、ツテをたどって、状況把握と、危険対策をとってもらいましたが、コロニーから戻った娘は、全くケロッとしていたのにも驚かされました。

 だいたい、夏のバカンスのコロニーにナイフを持っていく中学生というのは異常ですが、今回の事件もナイフによるもの・・このナイフという凶器を持ち歩いている中学生というのは、思っているよりもいるのかもしれません。

 しかし、今回のエソンヌの事件の犯人のうち数名は、親に付き添われて警察に出頭したとのこと・・まだまだ親の庇護の元にいる少年・少女の犯罪です。犠牲者にとってみれば、まだ13歳・14歳で刺し殺されるなどという命の落とし方、親としたら、耐えられない子供の失い方です。

 しかし、これまであまり聞かなかったこの年齢の凶暴な暴力事件が最近、立て続けに起こっていることが、このコロナウィルスによる制限の多い生活が関係しているような気がしてなりません。

 

<関連>

「おたくのお嬢さんが刺されそうになりました!?・・バカンス中のサマーキャンプでの話」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/07/blog-post_7.html

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