2021年2月2日火曜日

フランスの文化チャンネル カルチャーボックス Culturebox


Raphäl Yem et Daphné Bürk (France  Télévisions)


 フランステレビジョン(国営)は、2月1日から、文化チャンネル・カルチャーボックス(Culturebox)を開設し、コロナウィルス感染対策で文化施設が閉鎖されているため活動ができない状態のアーティストと一般の人々とのつながりを再構築するため、500万ユーロ(約6億4千万円)の予算を投入し、一般家庭の地上波テレビ・チャンネル19で、フランスのあらゆる文化的なプログラムを無料で見ることができるサービスを開始しました。

 この無料チャンネルは、文化施設が再開されるまでの期間限定とされていますが、ひとまず、3ヶ月間は、24時間アクセス可能です。

 月曜日は、劇場でのミュージカルや演劇など、火曜日は、クラッシック、バレエ、オペラなど、オランジュ音楽祭で歌われるカンタータ「カルミナブラナ」で始まり、レンヌのオペラハウスで行われた「白い貴婦人」なども見ることができます。水曜日はコンサートです。

 このように曜日によってプログラムが組まれており、金曜の夜には、コメディの舞台、週末には、ドキュメンタリーや航空ショー、日曜日には、美術館などが見られるようになっています。

 また、来週には、学校のバカンスが控えていることもあり、バカンス期間には、「私の最初の白鳥の湖」、「ピーターと狼」、「海中の20,000のリーグ」、「勝者を愛する」などの若者向け、家族向けのプログラムも用意されています。

       


 驚くべきは、このチャンネル開設の動きのスピードの速さで、これは、1月12日、ヴァイオリニストのルノー・カピュソンがツイッターでフランスの文化のためのチャンネルを作ることを呼びかけたことから、始まっています。この呼びかけが、崩壊の危機に瀕している文化部門のための公共サービス側の強い連帯を構築し、一気に実現化しました。

 また、これに対する文化省の動きも早く、この呼びかけからまもなく、フランステレビジョンの仕様を変更する法令を採択し、新しいチャンネルが放送できるようになりました。

 このチャンネルは、現在、活動の場所を奪われているアートとエンターテイメントの世界が健在であることを強調することを目的として始まったことではありますが、日頃、行きたいと思いつつ、行こうと思えばいつでも行けるにも関わらず、バレエやオペラ、コンサートなどには、滅多に足を運ばない私などには、家にいながら、無料で舞台芸術を見ることができる思わぬ僥倖です。

 もちろん、劇場で見るような臨場感は味わえないものの、フランスの芸術に触れることができるチャンスです。

 また、国がかりで、これらのフランスの芸術、文化を守ろうとしているところが、いかにもフランスらしいところで、嬉しくもあり、頼もしくもあります。

 この外出もままならぬ時期の思わぬサービス、家で楽しめることが増えて、感染回避の一端をになってくれることになるとさらに嬉しいです。

 この時期にテレビで触れた舞台芸術に、いつの日か、直に触れられる日には、今までには、いなかった層の人々が劇場に足を運んでくれるようになることを期待しています。

 私も自由な日常が戻ったら、ちょっとおしゃれをして、劇場に足を運びたいです。

 日本の素晴らしい芸術や文化も国は守ってくれているのかな? とふと思います。

 日本の芸術や文化は世界に誇れるものです。


<関連>

「ことごとくフランス人の習慣が裏目に出ているコロナウィルスの感染拡大」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/7000.html







 

 





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