2021年2月21日日曜日

ニースがヤバい 国内平均の5倍の感染値

  


 先週は、大寒波が覆っていたフランスは、氷点下の世界から、今週に入って、気温も徐々に上昇し始め、週末には、パリでさえも最高気温が18℃、ビアリッツでは24℃と、春から初夏を思わせる気候となりました。

 気温の上昇、お天気には、すぐに反応するフランス人ですが、久々にやってきたポカポカ陽気に誘われて、人出も多くなり、これまで「あったかい・・」と感じていたマスクが一気に「息苦しくて、暑くて邪魔」に感じられるようになり、マスク率も急降下している感じです。

 営業停止のままのレストランやカフェなどは、お店の前に乗り出して、ビールやワインのテイクアウトを始め、テイクアウトした飲み物を持って、人が集まるという昨年にも見かけたような光景が広がっています。

 昨年、問題になったサンマルタン運河なども川岸には、隙間なく大勢の若者が座り込み、まるで去年の映像を見ているようでした。

 また、パリ6区、サンジェルマンデプレ界隈のRue de Buci(ビュシ通り)なども、日常のような賑やかさが戻ったような人出になり、人混みの中を警察官が練り歩く異様な光景でした。

 むしろ、レストランやカフェの店内に入れない分だけ、通りには、余計に人が溜まっている気がしてしまいます。

 メガホンを持ちながら、「ソーシャルディスタンスを取ってください!マスクをして下さい!」とがなり立て、日も長くなってきて、18時にはなかなか帰宅しようとしない人々を追い立てるのも、一応の規制ではあるものの、18時になるとウィルスが登場し始めるわけでもあるまいし、日中、あれだけの人が出ていることに手が付けられないでいることに、どこか矛盾を感じるのです。

 気温の上昇が見込まれた今週末は、この人出を見込んで、警察官4,000人を動員し、警戒にあたっています。しかし、制限下にあるとはいえ、何の犯罪を犯しているわけでもなく、いつまでも続くこの状況が悲しくなります。

 気温が低下していると活発化するウィルスも気温の上昇とともに、勢いを弱めてくれるのではないかと思いますが、それ以上に人間の行動の方が活発化するので、どうにもおさまりません。

 フランスは、あいも変わらず、毎日、2万人以上の新規感染者が出続けており、依然として、危険な綱渡り状態です。全体の数字は、若干減少しているのでは??などと見る人も出てくる中、感染者のうちの変異種に感染している割合は、確実に増大しており、ほぼ50%近くまで上昇しています。

 それでも何とか、綱渡りが続いていると思っていたら、アルプ・マリティーム県(プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域圏)では、急激な発生率と集中治療室の占拠率の上昇がこれまでの記録を遥かに上回り、ニースでは、10万人あたりの発生率が750件超えになり、(国内平均の5倍の数値)、集中治療室の97%がコロナウィルスによる患者で占められている危機的状況で、いよいよ、地域的なロックダウンが必要ではないか?という声が上がり始め、政府も本格的に検討を開始した模様です。

 とりあえず、ロックダウンか否かの決定より前に、政府は、この地域に向けて、優先的にワクチンを供給することを決定し、来週早々には、この地域の集中的なワクチン接種を強化することを決定しました。

 まさにワクチンとウィルスのイタチごっこです。

 また、さすが? ここまで悪化する地域だけあり、この陽気の良さも手伝って、この深刻な状態にも関わらず、人出が減ることはなく、むしろ、「この地域がここまでの状況になったのには、自分たちの注意が足らなかったのかもしれないけれど、ロックダウンになるかもしれないなら、最後の週末は楽しみたい・・」と外出をやめない人々には、閉口してしまいます。

 これから、3月、4月は、昨年、最も恐ろしい状況に陥ってしまった時期でもあり、変異種の拡大による急激な感染悪化が本当に心配です。

 

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「コロナウィルスと太陽の誘惑」

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