海外生活もトータルで四半世紀を過ぎて、特にパリ⇄日本間は、これまで、何回、行ったり来たりしてきたことか・・。娘が小さい頃は、できるだけ日本という国に、日本語に触れさせたくて、学校の休みが長い夏のバカンス時に、年に1回のペースで連れて行っていました。途中、あまりに多いフランスの学校のバカンスの調整をつけるために、数年、日本には行けなかった時期もありましたが、その分、ヨーロッパ内はだいぶ旅行して歩きました。
数年、行けなかった分を取り戻すがのごとく、母が入院した・・危篤・・父の病状が悪化した・・、葬儀、日本の税務署からフランスまで通知が来て、慌てて日本に行く羽目になったり、ここのところ、年に数回、行くことも少なくありませんでした。
夏のバカンスシーズンはチケットも高く、航空運賃というものは、2歳以上は、ほぼ大人と同じ金額で、二人分の日本往復は、私の決して多くないお給料からしたら、大変な出費で、少しても安いチケットを探して、ルフトハンザやブリティッシュエアなどの経由便を使っていたこともありました。
しかし、歳を重ねるにつれて、だんだんと長距離フライトは、体力的にもキツくなり、また、9.11のテロ以来、一層、手荷物検査などが厳しくなり、経由便の場合は出発地のチェックに加えて、乗り換えの際に再び手荷物検査に時間がかかり、前のフライトが遅れて、だだっ広い空港内を走って移動して、乗り換え便にようやく間に合った・・ということもありました。
2020年3月以来のパンデミックのために、日本の水際対策はとても厳しく、ずっと日本行きは諦めていましたが、ここに来て、ようやくフランスからの入国については、ワクチン3回接種者に対しては隔離措置がなくなり、用事も重なって、日本行きを決断したのです。
ところが、やれやれ・・と思ったところで、今度はまさかの戦争。予約していたパリから日本への直行便はキャンセルになり、日にちをずらしたものの、またキャンセル、結局、ロンドン経由の便を利用しての帰国となりました。
しかし、それでさえも、いつキャンセルになるかドキドキで、こんなに寸前まで日本へいくためにハラハラさせられるのは初めてのことでした。しかも、日本での隔離期間が撤廃されたとはいえ、まだ出発72時間前のPCR検査の陰性結果を日本式のフォームへの記載を頼んだり、日本入国のために必要な書類を揃えたりと今までとは違うステップがいるわけで、寸前でもしも検査結果が陽性になれば、全てはまたふりだしに戻ることになってしまいます。
それでもシャルル・ド・ゴール空港に向かった時には、久々の飛行機や空港が嬉しくて、ちょっとワクワクした気分になりました。必要な書類を揃えて空港に行くと、さすがにこれまでとは、比べものにならないくらい、空港にも人が少なくて、ちょっと寂しくも思いましたが、一方ではそのおかげで思っていたよりはスイスイとチェックインも書類のチェックも進みました。
ロンドン行きの飛行機は、機内で30分ほど待たされはしましたが、そこは、別にコロナも戦争もなくとも、いつもよくある出発の遅延の範囲内。
ロンドンのヒースロー空港は、乗り継ぎ便のターミナルひとつひとつは、とても心配りがされて、便利にできている一方で、ターミナル間の移動がとても長く、時にはターミナル間を滑走路の近辺を通るバスで移動しなければならず、大変時間がかかります。
現在のパリからロンドン経由の羽田行きのフライトは、単なる経由便というだけではなく、ロシア上空を回避した迂回ルートになるために合計すると20時間近いフライトになるのです。
大昔、日本からヨーロッパに行くのには、北回り、南回りやアンカレッジ経由なるものがあって、かなり時間がかかっていた時期も私は経験していたので、まあ、そんな大したことないな・・と高を括っていたのです。そこは、やはり、私もあの頃は若かったのです。
実際に乗ってみると、果たしてこれはやっぱり長い・・しかも、この長時間、空港内での移動の時間を含めて、機内でももちろんずっとマスク着用、このマスク着用状態で20時間近く・・というのが、長距離フライトに追い討ちをかけるように、結構、シンドく影響するのです。
飛行機は、787−9という比較的小ぶりの飛行機にもかかわらず、座席は5割弱程度の埋まり具合で、一人で2席分は使うことができたので、それでも少しはマシでしたが、それにしても、長い・・シンドいフライトです。
機内での食事は長時間でも、いつもと同じ2回、長いフライトなのでと、どら焼きとブルーべリーマフィンが配られた他、「おっとっと」などのスナック菓子やクッキーやお煎餅などが置いてあり、長時間フライトのストレスから?四六時中、お煎餅やらスナック菓子を食べ続けてしまうという最悪の感じ。もう日本へ到着する前から増量気味。
こう長いと映画を見るにもスクリーンの光が目に厳しくて、なぜかスクリーンには「早く着かないかな?」と期待をもちつつ、飛行機のルートを示すマップをセットしている人が気のせいか多い気がしました。
唯一の楽しみ?としたら、いつものルートではない北極圏の近くをとぶために空から見える景色が違って、もしかしたら、オーロラが見られるかもしれないという微かな期待がありました。(しかし、見れなかった・・というか、見る気も失せてしまった・・)
現実的には経由便なのに、いつもよりもずっと高額のうえに、さらに時間もかかるというこのフライト、正直、かなりしんどかったです。
ようやく日本に到着すると、何重にもわたる書類やアプリのチェックと検査が待っています。ここでまさかの陽性になったら、隔離です・・。
それでも羽田空港では、到着する人より、それをチェックする人の方が多いのではないかと思われる受け入れ体制。無事、陰性で、入国できました。
私は、帰りのパリ行きのチケットは、直行便も経由便も同じ金額だったために、「その頃には、なんとか・・」という淡い期待を込めて、直行便を予約しているのですが、さて、どうなることでしょうか?
日本からパリに戻る時には、大量の食料品とともに戻るために、荷物は常に満パンで、フライトは可能な限り直行便と願っているのですが・・。
しかしながら、ともかくもいくつものハードルを超えて、約2年ぶりの日本帰国は、嬉しいことであるには、違いありません。
ロンドンー羽田迂回ルートでの長距離フライト
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