2022年3月20日日曜日

フランスHAS(高等保健機構)4回目のワクチン接種を65歳以上に推奨

  



 フランスHAS(高等保健機構)は2回目のブースター接種、つまり4回目のワクチン接種を65歳以上の人々に推奨する(門戸を開く)ことを発表しました。

 これには、ちょっとびっくりで、4回目のワクチン接種に関しては、80歳以上の人々に対しての4回目のワクチン接種推奨が発表されたのが、3月14日、それから1週間もたたないうちに、この年齢の幅を急拡大するとは、ちょっと驚きでもあります。



 これまで、この4回目のワクチン接種に関してはかなり慎重な態度をとってきたフランスがここへきて、義務化ではないものの、この短期間で、年齢の幅を65歳以上にまで拡大することには、少々、疑問を感じています。

 現在のフランスの感染状況は、少しずつ上昇している軽いリバウンド状態にあり、気がついてみれば、1日の感染者数は再び、10万人を超える日が続いています。

 現在のところ、感染者数は増加しているものの、集中治療室の患者数は増加してはいませんが(コロナウィルスによる患者の占拠率34%)、3月10日現在、入院患者の80%を占めているのは、60歳以上であることが4回目のワクチン接種を推奨する理由の一つとして挙げられています。

 しかし、フランスは、同時にワクチンパスとマスク義務化を撤廃していることが、さらに解せないことで、「最も重症化のリスクの高い弱い立場の人々を守りたい」としながらも、その「有効性と安全性」について、未だはっきりとしたデータが確認しきれていないまま、どんどんその年齢も拡大され、この勢いで年齢層が拡大されていけば、じきに、私の番も回ってきそうで、義務化ではない分、自分で判断しなければならない場面が訪れます。

 結果的に3ヶ月ごとにワクチン接種を続けなければならなくなる前に、ワクチン以外で感染回避できる方法(マスク義務化やワクチンパス)を排除するのは、戦争による緊張状態やインフレへの反発や、間近に迫ってきた大統領選挙の人気取りのためだという声も上がっています。

 そもそも衛生観念や規律正しさを語りだせば、日本とは比べものにはならないフランスではありますが、あらためて、原点に戻れば、この基本的な衛生管理がきちんとしている日本では、感染状態が悪化した時期があったとしても、それは、世界からみれば、比較にならないほど感染者数や被害は少ないのであって、この日頃からの衛生的な環境がどれだけ、感染対策として有効なものであったかは、明白です。

 しかし、義務化されなければできないフランスで今、この縛りを解いてしまって、一気にまたさらにワクチンへと向かってしまうのには、どうにも腑に落ちない気がしてなりません。

 現段階では、65歳未満の人々は、4回目のワクチン接種は対象外としており、HAS(高等保健機構)は、対象外の人々(65歳未満)に対する4回目のワクチン接種は「適切ではない」としています。

 つまり、基本的には4回目のワクチン接種には、依然として懐疑的にもかかわらず、罹患した場合に重症化するリスクと4回目のワクチン接種によるリスクを天秤にかけた結果と考えることができます。

 私が3回目のワクチン接種をしたのは、昨年の12月、3ヶ月後には、有効性が減少しはじめるというならば、そろそろワクチン接種の有効性は下がり始めているはずです。

 マスク着用義務化が撤廃してから、そろそろ1週間、最初は思ったよりもマスクをしている人は多いな・・という印象でしたが、それもやはり、日に日に減少してきている印象で、本来ならば、公共交通機関の中では未だマスク着用が義務付けられているにもかかわらず、メトロやバスの中でもマスクをしていない人がちらほら目につき始めました。

 ウクライナでの戦争対応と選挙対応、コロナウィルス感染に対する対応に揺らぎが感じられる最近のフランスです。2月半ばに3月中旬にマスク着用義務化の撤廃に関して、一定の基準を設けた頃を境に、その後、ガラガラと感染対策のための規制が崩れ始めました。

 戦争があろうと、選挙があろうとウィルスは容赦してはくれないのです。


4回目ワクチン接種65歳以上


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