2025年10月20日月曜日

ルーブル美術館に強盗が・・ ウソみたいなホントの話

  



 つい先日、あまりお天気が良くなかった日に、お散歩がてらに久しぶりにルーブル美術館にでも行ってみようか・・とのんきに出かけたところ、あまりの混雑ぶりに、そのまま、引き返し、チュイルリー公園を散歩して帰ってきたばかりでした。

 夏休みのバカンス期間中は予約なしには、入れないということでしたが、9月からは、予約なしでもOKということだったのですが、予約の有る無しにかかわらず、長蛇の列で、時間を決めて予約しているはずなのに、どうしてこうなってるんだろうか・・疑問に思っていたところでした。

 そんなルーブル美術館に日曜日の朝に強盗が押し入り、美術品8点が7分間の間に盗まれ、その日は一日休館になったという事件が話題になっています。

 そもそも入場するだけでも簡単ではないルーブル美術館に押し入り、あっという間に美術品を盗み出すという、まるで映画のストーリーのような話。報道の中には、「ルーブル美術館に華々しい強盗!」などと見出しをつけているものもあります。

 事件は開館直後の9時30分から40分の間に起こったそうで(ルーブル美術館は午前9時開館)、犯人はトラックに積まれたチェリーピッチャーを使って工事を装って、窓を割って外部から美術館内に侵入。工事作業員を装うために、黄色いベストを着用していた模様というのですから、念が入っています。

 強盗犯は王室の宝石コレクションと王冠ダイアモンドを収蔵するアポロンギャラリーの一室に侵入し、ナポレオンやフランス国王の展示品をターゲットとし、ティアラ、イヤリング、ネックレスなどの8点が盗まれました。

 彼らが盗んだのは、実はもう1点あったのですが、ウジェニー皇后の王冠が美術館付近で破損した状態で発見されたそうで、ルーブル美術館によれば、これは、「ナポレオン3世の妻の王冠で、皇帝の王冠の典型的なもので、1,354個のダイヤモンドと56個のエメラルドで飾られているものだとのこと」、しかし、それを逃走中に落としていってしまうなどというところまで、なんだか映画のストーリーみたいな気さえしてしまいます。

 幸いにも怪我人はなかったようですが、事件発生当時に既に入館していた来場者たちは、安全のために避難させられ、美術館はその日は終日閉館となりました。

 ルーブル美術館は、午前10時半頃に「特別な理由により休館」すると発表。来館者向けの通知には、安全上の理由とされており、当日の予約はすべて返金されるとしています。

 内務大臣は、ルーブル美術館の特別臨時休館は、捜査のための痕跡と証拠を保全があると説明し、盗賊鎮圧旅団(BRB)が文化財密売取締中央局(OCBC)と共に事件を担当すると発表。また、パリ検察庁は、「組織的窃盗」と「陰謀犯罪」の捜査を開始しています。

 現在のところ、判明しているのは、強盗犯は1~2台のTMAXスクーターに乗って現場(現在工事中の現場)に到着、その後、ナセルと呼ばれる小型の牽引車を使って窓際に陣取り、小型のチェーンソーあるいはグラインダーを使って窓を破壊して侵入したということ。

 このチームは予め綿密な偵察を行っており、非常に経験豊富でなんといっても7分間という短時間に美術品を強奪し、逃走したようで、実際に強盗に侵入したのは3~4人とみられています。

 なんといっても、よりによって世界一観光客が多いと言われるルーブル美術館に強盗が侵入し、こんなに簡単に美術品が強奪されてしまうとはフランスの恥だ!という声もあります。

 強盗事件の後には、たいていはおおよその被害額が発表されますが、ここまでの美術品となると、金額の算定が非常に困難で歴史的遺産として非常に価値の高いもの・・としか今のところは伝えられていません。

 ふだん、美術館に行くと、やたらとセキュリティーの人が多いな・・とも思うのですが、このように侵入されては、防ぎようもない気もします。なにせ、広いですから・・・。

 しかし、美術館職員によれば、このところの緊縮財政により、180~190人のセキュリティが減らされたばかり・・との話もあり、(だからといって、早朝に外から入られては無理な話)緊縮財政の煽りがこんなところにも・・と思ってしまいます。

 なにしろ、セキュリティというのは、目立たない仕事で何も起こらないのが当然で、なにか起こったときだけ注目されてしまう、なんだか損な役割なんだな~とつくづく思います。


ルーブル美術館に強盗


<関連記事>

「グレヴァン美術館から盗まれたマクロン大統領の蝋人形が・・」 

「モナリザのお引越し ルーブル美術館の新ルネサンス」 

「年金改革抗議でルーブル美術館 終日閉鎖」

「ルーブル美術館 モナリザ襲撃 モナリザは結構災難に遭っている」 

「ガラガラのルーブル美術館なんて今だけ! 一人ぼっちのミロのヴィーナス」

 

 


 


 

 

0 コメント: