2025年1月29日水曜日

モナリザのお引越し ルーブル美術館の新ルネサンス

  


 昨年の来館者数は870万人を超えたというパリ・ルーブル美術館。いつでも行けると思うものの、あまりに巨大で一大決心をしないとなかなか行く気がしないのも現実です。

 実際に行ってみれば、「やっぱりいいな・・また、来よう!」と思うものの、とにかく、広くて、ものすごく歩くので、行った翌日には、ジムに行った後みたいにガックリと疲れが出て、その後はなかなか重い腰があがりません。

 それでも、これだけの来場者数が訪れるということは、パリの人気スポットの一つであることに違いはありませんが、この美術館は、常に混雑と老朽化の問題を抱えているようです。

 長いこと、美術館側は、この問題について、パリ市とともに、解決策を探っていたようですが、ついに先日、マクロン大統領が「ルーブル美術館の新ルネサンス」と題して、美術館の改修工事や料金改定などについての提案を行いました。

 中でも、注目されたのは、ルーブル美術館の中でも最も混雑すると言われる「モナリザ」の絵画の展示について、新しい入口を設け、モナリザを専用の「特別スペース」に移動させること、美術館の他のスペースとは独立してアクセスが可能となり、そのための専用入場券が設定される・・とのことです。

 この新しく設けられるモナリザ専用の「特別スペース」がどんなものなのかがわかりませんが、これは、従来のルーブル美術館の入場券と別料金になるのかどうかは、定かではありません。

 そして、最も聞き捨てならないのは、入場料を外国人(EU圏外からの観光客)には、高く設定するというもので、実際に価格は発表されていませんが、現在の入場料22ユーロよりも、高くなるのは、必須です。

 この美術館の入場料を高いと感じるか否かは、恐らく意見が分かれるところだと思うし、実際の作品数や歴史ある巨大な文化施設としたら、圧倒的に安いのかもしれませんが、外国人観光客には、高額を請求するというやり方はどうかとも思わないでもありません。

 実際にルーブル美術館の来訪者は23%がフランス人、77%が外国人と言われているため、外国人観光客が圧倒的に多いのです。

 この観光客への値上げに関しては、パリ市は、パリ・オリンピックの際の公共交通機関や宿泊施設、観光地といわれる様々な場所に関して、オリンピック期間限定の値上げを行い、その結果、一般観光客からは総スカンをくらい、逆にこの期間は例年よりも観光客数が減少するという失敗もしでかしています。

 まあ、全ての観光客がルーブル美術館へ行くわけでもありませんが、もはや、インフレのために、大変な物価高の中、外国人観光客だけに高い料金を課すというやり方がどのように観光客に受け取られるのかは、微妙なのではないか?それとも、これを機に、他の美術館などの施設等にも反映されてしまうのか? 行方を見守りたいです。とりあえず、この外国人観光客料金は2026年からということなので、もう少し猶予があります。

 しかし、いちいち仰々しく「ルーブル美術館の新ルネサンス!」のようなタイトルを掲げるのは、マクロン大統領らしいというか、政治家というものはそういうものなのかわかりませんが、「こんなことにまで大統領が出てくるの?」とどこにでも前面に登場してくるんだな・・と思わないでもありません。

 それにしても、またまたお金のかかる話。大規模な改修工事は10年間で約7~8億ユーロかかると見積もられており、文化省は、この予備調査に1,000万ユーロを投資すると言われています。


ルーブル美術館 モナリザ引っ越し


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