2025年1月8日水曜日

M-pox エムポックスの新変異種クレード1b フランス初の感染者発生

  

 

 まったく、次から次へと奇妙な病気が発生して、拡散されるものだと、正直、うんざりしています。

 フランス公衆衛生局は、この夏(といっても2024年)以降、欧州経済領域(EEA)内のスウェーデン(8月)、ドイツ(10月)、英国(10月)、ベルギー(12月)の4ヵ国でM-pox エムポックス クレード1bの症例が確認されたのに続いて、2025年1月6日にフランスで最初の感染者が発見されたことを発表し、警戒を呼び掛けています。

 このM-pox エムポックスウィルスは、以前はサル痘と呼ばれていたもの(Monkey Pox)で、1970年にコンゴ共和国で初めて人間に感染した症例が確認された感染症です。

 主に中央アフリカおよび西アフリカで流行していたこの感染症は、2022年にヨーロッパに広がり始め、その年の世界的流行の原因となったのは、クレード2変異種とよばれるウィルスで、今回の新変異種クレード1bバリアントは、より感染力があり、より危険であると考えられています。

 この新変異種に感染したのは、ブルターニュ在住の女性で、彼女自身は渡航していたわけではありませんでしたが、中央アフリカから帰国した2人と接触していたと伝えられています。

 現在、彼女はレンヌ(ブルターニュ)の大学病院に入院し、隔離状態にあるということですが、感染経緯や、彼女の周囲の接触者を特定するための調査が進行中と言われています。

 たしかに2022年に「サル痘」感染拡大が話題にのぼり、パリ13区にも「サル痘ワクチンセンター」が設置されたことを記憶していますが、幸いにもこのワクチンキャンペーンが功を奏して、その後、さらに拡大をすることはありませんでした。

 しかし、ここへきて、さらにパワーアップした新変異種の登場に、フランス公衆衛生局は警戒を呼び掛けているのです。そして、以前のクレード2変異種感染の場合は主に、同性愛者や両性愛者の男性に影響を及ぼしてきましたが、今回のクレード1bは、異性間性交中、また、性的接触なしでの感染例が多数報告されていることが、大きな違いです。つまり、より、感染する可能性が高いということです。

 公衆衛生局によれば、「M-poxの感染は、液体を包んだ小胞からなる水疱性発疹を引き起こす可能性があり、その後、それが潰れて乾燥が進み、痂皮が形成され、瘢痕化する」と言われており、「この発疹は、発熱、頭痛、身体の痛み、無力症を伴う場合があり、あごの下、鼠径部のリンパ節が腫れて痛みが伴う場合もある」とされています。

 また、この発疹はかゆみが生じる可能性もあり、水疱は、顔、肛門性器領域、手のひら、足の裏に集中する傾向がみられるということです。

 公衆衛生局によれば、治癒には、2~4週間かかるが合併症が起こる可能性もあり、消化器系、神経系、また、肺に重篤な症状を引き起こす場合もあると言います。

 致死率は、全体的に低いと言うことですが、子ども、妊婦、免疫力が低下している人は、危険度が高いため、特に注意が必用ということです。

 ただでさえ、インフルエンザなどが流行しており、体調不良を訴える人が多いこの時期、やっぱり免疫力を高める努力は大事だな・・と感じます。

 該当する症状があらわれた場合は、早急に医師、または、無料の検査・情報センターに連絡することをお勧めします。


M-pox エムポックス


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